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疲れたらゆっくり休む方が良いという当たり前の話

(前回の続きです)
軽部次郎さん(架空の人物)は入院中、心不全の薬が何回か変わったそうです

「BNPが200あって即入院と言われた時には、仕事に穴あけるなと思った・・・  汗  
まずは、レニベースとラシックスとアルダクトンとジゴシンとで治療が始まった」

心臓のポンプ機能が低下して血液循環が悪くなり、体に余分な水分が溜まる状態が
心不全ですので、心筋の収縮力を強くする強心薬のジゴシンで症状が改善されます

「入院当時は肺に相当水が溜まってたので、医者が咳が出ないか盛んに心配してた」  かおまる  
レニベースで咳が出る人があり、その場合他系統の薬に変えなくてはならないんですよ

「BNPが良くなって来たところで、ジゴシンを癒し系の薬と交代させる事になった」  かおまる 
心不全では、弱っている心臓を何とか働かせようとして交感神経に過剰な負荷がかかり
ムチ打たれた心臓が疲れ果てて燃え尽き症候群になってしまっていますので、長期的に
見たら、むしろ心臓をゆっくり休ませてやる方が良いというのが最新の治療方針なのです

「心臓がオーバーワークになってたんだね~  泣き1  次はメインテートという薬になった」
メインテートは交感神経を抑えるβ遮断薬で、心臓の働きを抑え酸素需要を減らします
又、β遮断薬は腎臓のレニンというホルモンの分泌も抑制するのでRAA系も抑えます

「でもその後、脈が減って息切れするようになって、症状が逆戻りしたようだった」  冷汗4
燃え尽き症候群になった心臓は、β受容体に刺激が伝わっても働かなくて済むように
β受容体そのものを減らしてしまうのです(ダウンレギュレーション) その状態で
β遮断薬を導入すると、過剰に興奮していた交感神経が鎮静化され過ぎて停滞気味となり
心不全を悪化させてしまう恐れがあるので、入院して慎重に導入しないといけないのです

「そこでメインテートは一旦やめて、心臓の収縮を助けるアカルディという薬になった」  かおまる 
アカルディは心筋収縮の感受性を良くする作用もある強心薬なので、β受容体が減って
鈍感になっている人にβ遮断薬を導入する際、恰好な橋渡し的役割を担うお薬です

「脈が戻ったところで、今度はアーチストという別の癒し系の薬が加わった」  えへ3 
アカルディで心機能が正常化出来れば、再び心臓保護作用のβ遮断薬を開始しますが
交感神経にはα受容体を介する経路もあり、少しα遮断作用も併せ持つアーチストは
β遮断作用しかない薬よりも脈が減りにくく、腎臓にも優しく、導入し易いとされます

「その後アカルディをやめて、BNPが悪化しないのを確認して、退院出来たんだよ」  スマイル2  
心不全でも重症でなければ、β受容体のダウンレギュレーションから離脱出来て
強心剤の助けを借りなくても、癒し系薬剤による心臓保護治療だけで安定するようです
アーチストが効いて良かったですね、遺伝的にβ遮断薬が効かない人がありますからね

「医者は糖尿病で心筋梗塞したこともある僕にぴったりの薬になったって言ったけど?」  えへ5  
最初のジゴシンは強心薬とは言うものの、兎でIPC効果を阻害する事が分っていますので
過去に心筋梗塞になった事がある方は、長期に服用しない方が良かったかも知れません

「イギリスの魔女が死に瀕した人を治した植物に由来する薬らしいから強過ぎるのかもね」  かおまる
又、β遮断作用はインスリン抵抗性を悪化させ、中性脂肪を上げますが、α遮断作用は
その逆の効果があるので、糖尿病にはメインテートよりもアーチストの方が良いのです
β遮断薬は低血糖にもなり易く、その低血糖症状にも気付きにくくなりますしね

「心不全の薬が糖尿病にも影響するんだね~  汗5   あっ、そう言えば、こっちの病院で
のんでる薬を聞いて来てくれって言われたんだよ、今度ステントを入れたところを検査
するんだけど、糖尿病の薬の中にはヨード造影剤と相性の悪いものがあるらしいからね」

それでしたら、病院間の連絡帳代わりに『おくすり手帳』をお作りしますね
ヨード造影剤と併用してはいけないのはビグアナイド系の糖尿病薬ですが、軽部さん
のお薬はアマリールとバイアスピリンなので、ビグアナイド系は出ていないです

「じゃ、検査前に休まなくちゃいけない薬は無いんだね  かおまる  バイアスピリンは一生のむ
らしいよね、プラビックスはステント入れた直後の三カ月のんで打ち切りになったけど・・・」

心血管に内膜が張らないように再狭窄を防ぐ薬剤が沁み込んでいるステントの場合は
露出した金属のせいで血栓閉塞し易いので、血液を固まりにくくするお薬をずっとのみます

「上司が心配して見舞いに来てくれるのは有り難いんだけどさ~いつ復帰するんだって
矢の催促なんだよ~アーチストを見習って、ゆっくり休ませて欲しいものだよね~」
  汗1  
復帰を切望されているのは、軽部さんが凄腕の整備士だからじゃないですかね~?


(参考)
Circulation Forumの中の様々なエビデンスデータ類
アーチストのIF(第一三共HP)
エンデバーステントの添付文書
薬用植物のHP

(注1)
ヨード造影剤の服用で一時的に腎機能が悪くなり、ビグアナイド(BG)系薬の
腎排泄が遅れてBG系薬の副作用の乳酸アシドーシスが起き易くなるので
造影剤検査の二日前にはBG系薬は休薬することになっています
ヨード造影剤でなくガドリニウム造影剤はBG系と併用しても大丈夫だそうです

(注2)
慢性心不全の予後改善効果ガ認められているβ遮断薬は
カルベジロール(アーチスト)、メトプロロール、ビソプロロール(メインテート)の3剤で
β1受容体遮断の確実さ、長時間作用型、脂溶性という共通点があるそうです
β遮断薬はβ受容体のアップレギュレーションを起こすようですが
アーチストはアップレギュレーションは起こさないとされています
アーチストには末梢血管拡張作用や抗酸化作用やインスリン抵抗性改善作用もあります

(注3)
ステント治療症例数の多いあるオランダ人医師は、
薬剤溶出性ステント(DES)を植え込んでから、手術などの止むを得ぬ事情により
抗血小板が一時的に打ち切られ、その後にステント血栓閉塞を起こして
重篤な急性心筋梗塞に陥る事があるので、手術などが予定されている患者さんには
DESでなく、従来型のステントを使用するそうです





最近便利な調理器具が出来てますね~

シリコン鍋

イモ類を串が通るまで軟らかくしたり、温野菜を作るのに重宝しています
まだその程度で使いこなせていませんが、時間の無い主婦には強い味方です

Nコロッケ スモークサーモンポテト 蒸し野菜とハムとエビ







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フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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