急速落下を防止するパラシュート

大学で漱石文学を教えている 細井胃痛郎さん(架空の人物) は
学生達のつけた『鶏ガラ』というあだ名に納得がいかないそうです

「いやしくも文学部の学生なんですから、外見なんかであだ名をつけないで
生真面目で融通がきかない僕の性格を、適切に表すようなものをつけてほしいですね」
  うへー 
細井さんは5年前に胃潰瘍の手術をなさって以来、太れないんですよね

「生来の神経質が災いしたものか若い頃から胃弱で、胃薬が手放せませんでした  かおまる 
古典的消化剤ですが、高峰譲吉の作ったタカヂアスターゼが僕には一番いいんです」

今でも、タカヂアスターゼが配合されているSM散を常備薬となさっていますものね
『吾輩は猫である』にも出てきますし、胃潰瘍だった漱石ものんでいたようですね

「そのあたりも僕が漱石にシンパシーを感じて傾倒した理由なんです  えへ5  
SM散は胃が重苦しい時だけのんでいますが、手元に全く無いと不安になります」

他には、鉄欠乏性貧血の為にフェロミアを毎日のんでいらっしゃいましたよね

「フェロミアは、僕のような胃を摘出した者にはぴったりの鉄剤だそうですね」  かおまる
鉄は胃酸により分解されて遊離イオンになって吸収されますので、胃切除後
どうしても鉄分吸収が減りますが、クエン酸第一鉄ナトリウムのフェロミアは
低分子キレートで吸収される非イオン型鉄剤なので、酸性でなくても吸収され易く
胃粘膜への刺激も少なくて、胃の弱い方や胃を切除した方には最適な鉄剤です

「胃が無いと、ビタミン吸収不足の貧血にもなり易いそうですしね」  汗 
血液産生に不可欠なビタミンB12は、胃粘膜から分泌される内因子と結合して
吸収されますので、胃の全摘後5~6年たって、体内のビタミンB12の
備蓄分が枯渇してくると、巨赤芽球性貧血にもなり易いのです

「それを防ぐ為、今迄はビタミンB12の筋肉注射をして頂いていたのですが
ドクターが『ビタミンB12は内服しても効くそうだから』とおっしゃいましてね」
  かおまる
内因子が無くても、ビタミンB12単体でもある程度は受動的に吸収されるそうで
ビタミンB12の注射と内服で貧血治癒に差が無いという文献もあるようです
今回は新しく、ビタミンB12のメチコバール糖尿病薬のグルコバイが出ています

「僕が長年苦しんできた後期ダンピング症候群に、糖尿病の薬が効くそうなんです」  かおまる  
後期ダンピング症候群は、胃摘出後に食物が腸へ直接流入するようになる事で、血糖が
急激に上がり、その反動で膵臓からインスリンが大量に分泌されて低血糖になる現象
ですが、今迄はエンシュアリキッドを少しずつ飲んでしのいでいらっしゃいましたよね

「いかに健康上の理由があるとはいえ、学生に講義中の飲食を禁じている教授自らが
栄養ドリンクを飲みながら講義するというのは、どうもアンフェアに思えましてね」
  かおまる
グルコバイは消化酵素の働きを抑えるお薬で、食前にのんで頂くと食物の吸収を遅らせて
血糖の上がり方を緩やかにし、インスリンの過剰分泌による低血糖を防ぐことが出来ます

「食後の血糖の上がりを緩やかにするので、本来は糖尿病に使われるお薬なんですね」  かおまる  
エンシュアリキッドは低血糖対策でのんで頂いていましたが、グルコバイは低血糖を事前に
防ぐ
ので、膵臓に負担をかけないで済みます  高インスリン血症は体に良くないですしね 

「火事が起きてから消すのではなく、最初から火事が起きないようにするんですね」  スマイル  
しかし、グルコバイはαアミラーゼやマルターゼ等の炭水化物の消化酵素を抑えますので
タカヂアスターゼとは相反するお薬です  タカヂアスターゼはαアミラーゼなのです

「グルコバイとタカヂアスターゼを一緒にのむと互いの力が充分発揮できないのですね」  かおまる  
消化薬をのまないと不安でしょうが、消化器は消化酵素を外分泌しているだけの器官
ではないのです  消化管には、食物が流入した信号を感知して、消化を促進したり
上昇した血糖を処理したりする消化管ホルモンを、体内血液中に内分泌する機能もあるのです
十二指腸からは、消化酵素が働き易いpHにするセクレチンやコレシストキニンが
放出され、小腸からはインスリンの分泌を促すインクレチンが血中に出てきます

「成程ね~実に興味深い かおまる   ところで、セクレチンとインクレチンは名前が似ていますね?」
外分泌を促すセクレチンに対し、内分泌を促すのでインクレチンと名付けられたそうです

「やはり名前にはしかるべき由来があるんですね、高峰譲吉のタカヂアスターゼのように」  かおまる  
細井さん自身が考えた自分にぴったりのあだ名は『かたぐる四角』だそうです
(次回に続く) 
 

(注) 今回気付いたんですが、タカヂアスターゼは『ヂ』、ジアスターゼは『ジ』なんですね

(注) 胃切除後、摂取した食物が充分に消化されないまま小腸内に急速落下(ダンピング)
    する為に起こる体調不良をダンピング症候群と言い、
    食後30分程度で起こる早期ダンピング症候群と、食後2~3時間程度で起こる
    低血糖を主症状とする後期ダンピング症候群とがあります

(注) 後期ダンピング症候群では、ブドウ糖をのむと低血糖が誘発されるのに、
    ブドウ糖を静脈に注射しても低血糖にはならないので、ブドウ糖が消化管を通って吸収される
    こと、つまりインクレチンの過剰分泌のせいで高インスリン血症になると言われています

(参考) 「消化器疾患における耐糖能異常」 伊藤博史 PDFファイル4ページ
     エーザイのパリエットのHPの「他科医に聞きたいちょっとしたこと」の
     「胃全摘後のいわゆる悪性貧血の治療について」他、消化器科医院等のHP

「他科医に聞きたいちょっとしたこと」
「変形性膝関節症などに市販の飲むヒアルロン酸は効果があるのでしょうか」という質問で
「ヒアルロン酸を経口摂取しても、分解され吸収されれると思われますし、
それが軟骨部で再構築されるとはいえないように思いますが、
効果は期待できるのでしょうか?」
と、長年の疑問を代弁して下さった方がいて嬉しくなりました





当薬局の玄関先に咲くアマリリスの進化系三段活用
咲いたね → 増えたね → すごく増えたね
まだまだ増殖中!

アマリリス5.22 アマリリス5.29 アマリリス6.5



家族でたまに行く天王洲アイルのカリフォルニア料理の店
ブルワリーも併設されてるので、各種ビールを堪能できます
写真撮り忘れましたが、良心的なお値段で、料理は美味しいです
ケーキだけはしっかり撮っていますね(汗)
この日は甥っ子も招待して楽しい宵でした

天王洲アイル・船 天王洲アイル・夜景
天王洲アイル・ビール 天王洲アイル・ケーキ



うちの犬は高所恐怖症    猫ちゃんだったらこれくらいの高さ楽勝なんでしょうけどね~
キャロ高所1  キャロ高所2






福助 このブログが面白かったらクリックお願いします  →  人気ブログランキングバナー 
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

カテゴリ
エコライフ

powered by ブログパーツファクトリー
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード