血液がサラサラになるとマズい病気

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~





飲酒習慣が無いのにアルコール性肝障害の様に、肝機能が低下する病気である
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と診断され、痩せる努力をしている
出傑 景子(しゅっけつけいこ)さんは、妹さんも同じ病気と言われたそうです

「納得いかないわ、私は糖尿病もあるし太っているから、肝臓に脂肪が溜まって  ブー1
いるって言われても仕方ないけど、美容に気を遣う妹はとても痩せているのよ」
肥満度の指標であるBMIが25以上で太り過ぎですが、それ未満でも脂肪肝が
見られる人が15%もあると言われており、糖質や脂質や炭酸飲料水や果物の
摂取が多いと、痩せていても体脂肪は多くなり、脂肪肝にもなり易いそうです

「お肌の健康第一の妹は、炭酸飲料は嫌いますが、果物は欠かさないです」  かおまる
ビタミン豊富な果物は健康に良いと思われがちですが、実際は結構高カロリーで
ブドウ糖以外にも果糖という糖分を含み、この果糖はブドウ糖の様に直接血糖を
上げないものの、脂肪酸の合成に使われるので脂肪肝の原因になり易いそうです

「姉妹同士で、旬の果物を贈りあったりしていたのは、良く無かったのね」  かおまる 
たいして太っていなくてもNAFLDになる理由の一つとして、若い頃からの
体重増という事も有り、ホルモンバランスがピークに達する20歳前後から
10Kg以上増える
と、NAFLDになり易くなると言われ、現在のBMIが
20でも、若い頃は17だったと言う人も、やはり脂肪肝になり易いそうです

「妹は今44キロだから、若い頃より10キロ太ったって事は無いと思うわ」  かおまる
『肝臓の肥満症』と呼ばれる脂肪肝は通常、身体の肥満とリンクしていますが
日本人は、肥満していなくても脂肪肝になる人が多く、NAFLDの約4割は
非肥満者と言われ
、肥満者よりも糖尿病や高血圧の合併率が高いそうです

「日本人は遺伝的に、欧米人より糖尿病になり易いと言うのは知っています」  かおまる
肝臓で脂肪分解に関与するPNPLA3と呼ばれる遺伝子が有り、この遺伝子に
変異があると、たとえ太っていなくても脂肪肝や腎機能障害を発症し易いそうです
日本人では、PNPLA3変異遺伝子型の割合が約2割と高く、そのタイプでは
NAFLDになる罹患率が3倍高く、腎機能の推定糸球体濾過量も低いそうです

「妹が、遺伝体質のせいで脂肪肝になったのだとしたら、納得がいきます  えへ4 
じゃその姉である私も、たとえ太っていなくても脂肪肝になる宿命だったのね」
姉妹であっても必ずしも同じ遺伝子変異が有るとは限りませんし、痩せ型の
NAFLDでは、栄養障害による極度の痩せという原因も考えられるそうです
但し、PNPLA3遺伝子変異を持つ人は、持たない人と比べて、運動や
食生活の改善によりNAFLDが改善し易い
事が報告されています

「妹は、三ヶ月で肝機能が改善したんですって! 麺類好きなのを野菜中心にして  スマイル 
車をやめて歩いて出掛ける為に、雨の日用のお洒落な合羽も買ったらしいわ」
色々お聞きすると、妹さんは、本当に遺伝子変異が原因なのかも知れませんね

「姉妹であっても、NAFLDになった原因が同じとは限らないのね」  かおまる
肥満を伴うNAFLDですと、やはり減量が一番効果が有ると思います

「先生も、痩せればどんな薬よりも効くって言うんだけど、それが難しいのよ」   泣き1 
NAFLDを、食事と運動だけで改善出来るのは、約3割の人だそうです

「私は、脂肪肝以外にも糖尿病もあるので、薬に頼らざるを得ないわ」  汗5  
出傑さんは、ピオグリタゾンと言う糖尿病薬を服用中ですね
肥満があると、インスリンの効きが悪くなり、インスリン抵抗性になりますが
ピオグリタゾンは、インスリンの効きを良くして抵抗性を改善するお薬です

「私はこの薬に変えてから、HbA1cも肝臓の数値も良くなったの」  えへ5
ピオグリタゾンをインスリン抵抗性がある方に投与すると、肝機能も改善します

「私は、インスリン抵抗性の数値を測ったら3.5もあったの」  かおまる  
インスリン抵抗性の指標のHOMA­IRは、2.5以上あると抵抗性有りですが
ピオグリタゾンが糖尿病や肝炎に効くのは、HOMA­IRが3以上有る方です

「先生も、ピオグリタゾンが効くのはインスリン抵抗性が強いからだと言ったわ」  かおまる
日本では、NAFLDの人でHOMA­IRが2以上の方は6割程度で、残り4割は
インスリン抵抗性は無い
そうで、その人達は、たとえ糖尿病を併発したとしても
ピオグリタゾンでは効果が無い
ので、別のタイプの糖尿病薬をのむそうです

「妹みたいな体型でもNAFLDになる人は、日本人には意外といるのね」   かおまる
ピオグリタゾンが効く方でも、長期に服用すると逆効果になる事もあります

「HbA1cが6.2%なので私が喜んでいると、先生は、体重が減らないから  かおまる
諸手を挙げて喜んでいる場合じゃないと、ため息をついていたわ」
ピオグリタゾンによりインスリンの働きが良くなると、血液中のブドウ糖が
各組織に脂肪として貯蔵されますので、血糖が下がっても体重が増加します

「そうすると、太って、又インスリン抵抗性が悪化するって事ね」  驚き1
ピオグリタゾンにより、一旦肝機能の数値が下がっても、長期服用により体重が
増加して、再び肝機能が悪化する場合が結構ありますので、良い薬ではありますが
服用中は、食事療法と運動をより一層強化して、太らない様にする必要があります

「先生も、あなたは痩せなさいと言っても難しい様だから、別のタイプの  うへー
インスリン抵抗性改善薬に変えてみようか、とも言われたんですけど」
それはメトフォルミンと言うお薬だと思いますが、運動したのと同じ効果のある
体重増加の少ない糖尿病治療薬で、発癌を抑える効果も有ると言われています

「NAFLDが進行すると、肝臓癌になる恐れもあるって言いますからね」  冷汗1 
メトフォルミンを、糖尿病を併発したNAFLDの人に投与した場合、糖尿病には
効果がありますが、肝臓組織を改善したというデータは乏しい様です

「やっぱり太った人にはピオグリタゾンが一番よね、でも更に太るかも知れないし  かおまる   
肝臓の薬で有名なウルソっていうのは、のんでもダメなのかしら?」
ウルソデオキシコール酸と言う肝臓病薬については、欧州では、大量にのめば効く
と言う説がありますが、日本の保険で認められていない高用量での話です

「ピオグリタゾン以外に、ビタミンEものんで居るんですけどね」  かおまる 
現在、NAFLDに効果が認められているのは、ピオグリタゾンとビタミンEだけ
抗酸化作用が有るビタミンEは、肝細胞が酸化ストレスによって炎症を起こしたり
線維化するのを防ぐ事で、NAFLDの進行を食い止めると言われています

「先日やって貰った肝機能検査では、血小板が減って、プロトロンビン時間も長く   かおまる
なって、血液がサラサラになっているそうで、良くない傾向だと言われました」
あれ、出傑さんは血液サラサラのお薬のんでいらっしゃいましたっけ?

「のんでないけど、肝臓が悪くなる事で血液サラサラになるんですって」   かおまる  
肝機能検査値をお調べしますね・・・成程、『肝機能が悪化すると脾臓が大きくなり
脾臓での血小板破壊が進む為、血液の中の血小板数が減少する』とありますね
又『凝固因子は肝細胞で産生される為、肝機能障害が進行すると凝固因子の産生が
低下
し、プロトロンビン時間が延長する』とありますね
これによると、血小板減少やプロトロンビン時間延長は肝機能低下の重症度を
良く反映する
ので、肝機能検査値に選ばれている様ですね

「脳梗塞や心筋梗塞を起こさない為に、お薬のんで血液をサラサラにしている人  かおまる
は良く居るけど、私の場合は血液サラサラになったらマズい病気なのね」
取り敢えず、血液サラサラの薬のんでいる人と同様に、怪我した時に
出血が長引いたりしますので、気を付けて下さい







明らかに40キロ代にみえる方が、NAFLDと言われ、気合で3ヶ月で数値を
下げたそうですが、そんな痩せている人がなるなんて不思議で調べてみました

それと、プロトロンビン時間が延長し血小板が減少するのであれば
プレタールやプラビックスやワーファリンを併用している場合は
のまなくても良いんじゃないか? そうすれば、例の二剤減薬の対象となる
んじゃないか? と期待して、色々と調べてみましたが
肝機能低下者は抗凝固剤や抗血小板薬をのむ必要が無い、というエビデンスは
とうとう見つかりませんでした

後、NAFLDの人に意外とウルソは処方されないので、その理由も知りたく思いました



現在、FXRアゴニストという系統のお薬が、NAFLDや糖尿病の
次世代型治療薬として期待されている様です

FXRは胆汁酸をリガンドとする核内受容体で、FXRを活性化する事により
脂質代謝や糖質代謝が改善され、メタボリックシンドローム改善の
新たなターゲットとしても注目を集めている様です


抗線維化薬の、タイペルカストの系統では無いんですね~~
どんどん新しい分野の薬剤が開発されて行くんですね~


糖尿病でも、食事療法をそんなに厳密にしなくても、自由に食べて良い時代が
もうそこまで来ているような気がします
インスリン製剤が無かった頃のⅠ型糖尿病治療法の『飢餓療法』がオワコンと
なってしまった様に







多肉植物も雨に濡れる梅雨   群生している元気なのもチラホラ

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左はアオエニウムのサンシモンですが、休眠期に入り、閉じ気味になっています 

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タニラーの人達はこの爪に魅了されるのです

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ルビーネックレスも結構増えました

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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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