吸血鬼も避けて通る

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~





 

伊武路 螺須斗(いぶじらすと)さんの服用薬は、ビタミンEとニコチン酸の
合わさったユベラNと言うビタミン剤と、呼吸器科から出ているケタスです

「ケタスをのんでいると言うと、病院や薬局などで、結構な確率で『一回脳梗塞を  かおまる
なさったんですね?』と決めつけられるんだけど、喘息でのんでいるんだけどなぁ」

ケタスは、脳梗塞の後遺症に投与される場合もありますが、伊武路さんには吸入薬の
アドエア
も処方されていますので、すぐ、喘息なんだなと気付きましたよ

「どうせ僕が太っているから、見た目で脳梗塞っぽいと思われるんだろうけどさ~」  かおまる
ケタスは不思議なお薬で、アレルギーを引き起こすヒスタミンやロイコトリエン
の体内物質を抑えて喘息を改善する以外に、脳の血液循環を円滑にする作用があります

「アレルギー薬として最初は、アレジオンをのんで居たけど、仕事中眠くなるので  スマイル2
眠気の無いケタスに変えて貰ったんだが、脳循環も良くするとは知らなかった」
体内で、血管拡張作用や抗炎症作用、抗血栓作用、神経保護作用等を司っている
cAMPという物質は、PDE(ホスホジエステラーゼ)という酵素によって分解
されますが、ケタスはPDE阻害作用があり、cAMPを増やして作用を高めます

「ケタスは眠気がないばかりか、逆に頭の血の巡りを良くしてくれるんだね」  かおまる
一方のユベラNは、肝臓内科から処方されていますが、ビタミンBの一種である
ニコチン酸はコレステロールや中性脂肪を下げる作用があり、血行を良くする
ビタミンEには抗酸化作用によって血管を酸化から守り、活性酸素を抑え不飽和
脂肪酸の酸化を防ぐ働き
もあり、ビタミンなので穏やかに効き副作用もありません

「検診でここ十年ずっと肝機能の数値が悪くて、自分なりに考えて、肝臓に良い  うへー 
サプリや、レバーやシジミを食べたりして努力して来たんだが、改善されなくて」
それでついに去年、肝臓の専門医を受診する決心をなさったんですよね

「僕の様に、酒を飲まないのに肝機能が悪い人をNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)  かおまる
と呼ぶそうで、太っているせいで肝臓がフォアグラ状態になっているんだって」
肝臓内に中性脂肪の貯まった状態を脂肪肝と言いますが、アルコールが原因の場合は
アルコール性脂肪肝で、それに対し、アルコールをほとんど飲まない人の脂肪肝は
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)と呼ばれており、そのうち約10%が
NASHだと言われ、NASHになると将来肝硬変や肝癌に進行する危険性があります

「NASHは最近増えているらしいが、肥満が原因で肝臓癌になるなんて怖いよね」  冷汗2
残念ですが、肥満は肝臓癌以外でも、全ての癌の発症リスクを高めると言われています

「医者にもそう脅されて、車通勤を電車に変え、それ以外にも、会社で敢えて5階上の  かおまる
フロアのトイレに迄階段を使って行くようにして、5kg痩せたんだよ、こう見えても」
努力の甲斐あって肝臓の数値も改善されましたよね~NASHの進行には酸化ストレス
が深く関与しています
ので、抗酸化剤のユベラNが少しは効いたのかも知れませんが
それで根本的に治る訳では無く、痩せる事が唯一のNASHの解決策ですからね

「病院で何回か瀉血して鉄を減らしたので、その効果も大きかったみたいだよ」  かおまる
体内には鉄分量を一定に保つ鉄調節機構が備わっていますが、NASHではそれが
破綻しており、消化管からの鉄吸収が亢進して鉄が肝臓に過剰蓄積し、体内貯蔵鉄の
指標である血清フェリチンも高値となっているので、鉄分を減らすと効果があります

「貧血予防の為に、鉄分は積極的に摂るべきだと思い込んでいたけど」  かおまる
ところが、NASHでは鉄が過剰であるが故に、症状が悪化してしまうのです
細胞内で使い切れなかった酸素は、スーパーオキシドという毒物になりますが
そこに過剰鉄が存在すると、さらに猛毒のハイドロキシラジカルに変わり
細胞膜やタンパク質やDNAを傷つけ、アポトーシス(細胞死)を招くそうです

「そういう悪玉が、肝硬変とか肝臓癌に進行させる諸悪の根源になるんだね」  冷汗1
普通は細胞内に余分な鉄は無いので、簡単にそんな反応は起きないのですが、鉄過剰
のNASHでは、酸化ストレスが増幅され、肝臓が酷いダメージを受けてしまいます

「医者にも、僕は肝臓内の鉄分が多過ぎて、鉄が錆びて、肝臓を傷つけているから  かおまる 
瀉血と鉄分を減らした食事による除鉄療法をした方が良いですね、と言われた」
瀉血で鉄濃度が一気に低下すると、鉄調節機構が働いて、食物中からの鉄吸収が亢進
しますので
、瀉血療法の効果を保つ為には食事中の鉄量を制限する必要があります

「肝臓の為にせっせと食べてたレバーやシジミは、鉄過多には逆効果だったと言われた」  泣き1 
但し、NASHに対する瀉血と低鉄栄養による除鉄療法は、保険適用は無いそうです

「抜いた血を捨てるのも勿体ないし、保険が効かないんなら、献血したらどうかと
医者に提案したんだけど、僕の血は悪い血なので輸血用にはならないと言われた
ドラキュラでも飲むのを嫌がるだろうってさ」     かおまる
肝機能数値は正常化したようですが、ユベラNは継続して処方されていますね

「医者には、抗酸化は老化防止にもなるから、ユベラNはサプリとしてのんどいて  かおまる
と言われたが、実は今、本当によく効くNASHの治療薬が治験中なんだってね」
米国のメディシノバという会社のタイペルカストと言うお薬の事かも知れませんね
タイペルカストには抗線維化作用が認められており、NASHから肝硬変に進行する
のを防ぐだけでなく、動物実験では線維化を改善する効果も報告されているそうです

「その新薬なら、NASHの進行を食い止め、運が良ければ改善すらされるんだね」  かおまる
メディシノバ社の記事を見ていたら、伊武路さんが服用中のケタスも治験中でしたよ
何と、ケタスには神経変性疾患やアルコールや薬物依存症治療薬としての効果もある
らしく、そういった新たな適応症を獲得する為、治験にかけられているそうです

「本当にケタスって、底知れない不思議な薬だな」  えへ5







タイペルカスト(MN-001)は、経口投与の新規化合物で、様々なメカニズムで
抗線維化効果や炎症を抑える効果が期待されており、又、
現在までに600名以上の方に投与され、良好な認容性が確立されているそうです
NASH以外に、特発性肺線維症(IPF)治療薬としても検討されている様です

ケタス=イブジラスト(MN-166)は、進行型多発性硬化症やクラッベ病や
ALS(筋萎縮性側索硬化症)等の神経変性疾患
、又、
覚醒剤(メタンフェタミン)やオピオイド(ヘロイン、 処方鎮痛剤)やアルコール等
依存症に対する、新たな適応症獲得の為の治験が進んでいる様で、
少なくともケタスは忍容性の部分では試験する必要は無いですね

今回は調べていると、意外と株式投資家への情報ページが
『メディシノバ、一時ストップ高、MN-166臨床治験の中間解析結果が米学会で発表』
のような形でヒットしてくるので、株をやる人も医学知識が必要なんだなと思いました

貧血で鉄剤のんで居る私としては、鉄が多いなんて羨ましい限りですが
良く調べてみると、多過ぎるのも考え物なんですね

瀉血と低鉄栄養による除鉄療法は、C型肝炎には適応があるそうですが
今じゃC型肝炎治療と言えば、事件で有名になったハーボニーですかね






  多肉通信No.X ( ← いつから始まったんだ )


昨年交配した自家受粉苗も大きくなってまいりました
自分で交配したものは我が子同然ですね~

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センベルのバニラシフォンも去年の夏を無事越して、今年ランナーを伸ばして来ました
結構夏越しが難しい品種と聞いていたので、夏越し出来た時は嬉しかった~

そして、多肉のタワーが拡張され、白い新しいタワーが出現し
従来のタワーも低地部分を増設しました

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連休に入り、今日は子供達と都内のレストランへ
例によって、スイーツ画像多めですが・・・
明日から三連勤の後の又連休です       頑張らなくちゃ~

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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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