百発百中のモグラ叩き

LDLコレステロールが異常に低くてひょっとして癌じゃないかと心配してらした
場瀬 動史 さん(架空の人物) は、バセドー氏病と判り、少しホッとされたようです

「癌の宣告受けるよりは余程マシですよ、運が良ければのみ薬で済むそうですから」  スマイル2  
コレステロールは癌のような消耗性疾患で低くなる傾向がありますが、肝臓の病気や
バセドー氏病に代表される甲状腺機能亢進症など、他にも低くなる状況はありますよ

「僕んちは、おじいちゃんもひいおじいちゃんも癌でしたから、呪われた癌家系なんです  かおまる 
今回は10キロも痩せちゃって、ちょっと動くだけで息が上がるし、心臓はバクバクするし
手が震えて字もまともに書けず、目はギョロついて、死相が出てるとまで噂されてたんです」

それは典型的なバセドー氏病の症状ですが、確かに癌の症状と紛らわしいかも知れませんね
今回、甲状腺ホルモンを減らすメルカゾールというお薬が毎食後2錠服用で14日分出ています

「FT4が8ng/dlあるので、一日6錠から始めて、一旦ホルモンを正常値に下げてから
徐々に薬の量を減らしていくそうで、二週間後に又血液検査をするらしいんです」
  かおまる
それはお薬が効いているか調べる意味もありますが、副作用を回避する為でもあるのです
このお薬は、ごく稀にですが無顆粒球症という副作用を起こすことがあり、早期発見すれば
重症化を防げますので、お薬をのみ始めて二か月は二週間毎に検査をする決まりになっています

「先生が、喉が痛くなって高熱が出たりしたら、副作用かもしれないので、風邪と侮らないで
すぐに来て下さいとおっしゃっていました、顆粒球って白血球の一種らしいですね」
  かおまる  
菌を殺してくれている顆粒球が無くなると感染症になり易く、下手すると敗血症にもなりますが
そこまでひどくない副作用で、過敏症で痒みや蕁麻疹を起こす事は割と良くあるようです

「蕁麻疹位なら痒み止めのめば良いけど、無顆粒球症が出たらメルカゾールはもうのめないので
アイソトープ治療か甲状腺摘出手術になると言われましたが、手術だけは避けたいんです」
  かおまる 
無顆粒球症が起きて、将来的な薬物治療の道が断たれると、手術で甲状腺機能を低下症にまで
もって行くので、術後は一生甲状腺ホルモンのチラーヂンSをのむ事になりますからね

「優しかったおじいちゃんが、甲状腺癌を宣告されて手術した時は本当に悲しかったんです  かおまる
いつも僕の頭をなでてくれたおじいちゃんの手が、硬直してこわばるようになってしまって」

それはカルシウム不足が原因で起こるテタニーと呼ばれる症状で、甲状腺摘出時に隣接組織の
副甲状腺を四分の三以上切除してしまうと起こりますが、バセドー氏病の手術の場合はテタニー
起きたとしても術後一過性だそうですし、万一慢性化してもカルシウムをのめば済む話です

「でも、それ以来チラーヂンSとカルシウム剤を欠かすことが出来なくなったおじいちゃんは
今みたいに震災の影響でチラーヂンSが入って来ないと、とても困るんです」
  うへー 
おじい様は今もご健在だったんですね、甲状腺癌は元々予後が良い癌が多いですからね
ドイツのサンド社製の甲状腺ホルモンを緊急輸入していますので、供給は充分間に合うようですよ

「でも外国の薬品は、外人の体格に合わせてあるので量が多めなんじゃないですか?  ブー1
ひいおじいちゃんは卒寿のお祝いで行った旅行先のハワイで、持病の喘息が悪化して亡くなったので
アメリカの喘息薬が、小柄な日本人には強過ぎたせいじゃないかと親戚で噂してたんです」

輸入品も日本のと同じ量ですからご安心ください、ひいおじい様は癌ではなかったのですか?

「喘息治療が適切だったのか知りたくて解剖検査を受けたら、偶然前立腺癌があったんです」  汗
それは前立腺癌の中でも、進行が遅くて寿命に影響しないと言われるラテント癌ではないですか?
癌以外の原因で亡くなられた男性80歳以上の50%、70歳以上の35%に見つかるそうですよ

「ひいおじいちゃんはいつのまにか前立腺癌になってただけで、別に死因じゃないと言われました」    
ラテント癌は良性の潜伏癌で、その一部が悪性に変わるそうですが、悪性化し易い欧米人では
前立腺癌が目立ち、逆に日本人は良性癌のままで終わってしまう確率が高いのです

「癌でも、生命を脅かさないおとなしい癌だったら、あまり恐くないということですね」  えへ5  
現在、日本人の三人に一人が癌で亡くなる時代ですが、そうなった原因は、戦争も無くなり
医療も進歩した事で、日本人の寿命が延び、癌になるまで長生き出来るようになったからなのです

「ひいおじいちゃんは五人兄弟だったけど、そのうち三人は幼い頃に、はしかや百日咳で亡くなって
ひいおじいちゃんと妹さんだがけ大人になれたんだよ、と母から聞いたことがあります」
  かおまる
明治元年の平均寿命が30歳、大正元年で40歳、縄文時代に至っては15歳程度だそうです
癌細胞は健康な人の体内でも一日に5000個も発生していると言われますが、そのつど
ナチュラルキラー細胞が、出来たての癌細胞をいち早く見つけて退治してくれているのです
つまり、私達の知らないところで毎日、5000勝無敗で癌に完勝し続けているのです

「まるで、百発百中のモグラ叩きのようですね!」  かおまる  
ところが、年齢と共にさすがの免疫力も落ちてきて、癌細胞をつい見逃してしまう事が起きると
発生した癌が分裂を重ねて行き、10年から20年の歳月をかけて癌組織に育ちます

「それじゃ、若くして死んでいた時代は、癌になってるいとまがなかったんですね」  汗1  
若年性癌ですと夭折してしまうのでしょうが、場瀬家はむしろ長寿家系なんじゃないですかね


(参考) 日本甲状腺学会『バセドウ病薬物治療のガイドライン2006』
     東大病院で放射線治療を担当するチーム中川のブログ
     和田哲郎:最近の日本人の前立腺潜伏癌(ラテント癌)の臨床病理学的検討 日泌尿会誌





三分の一が癌という事は、私も死ぬ時は癌の確率が高いですね(ため息)
5000勝無敗なんて、とても続けられる自信も無く

むしろ、原発のご近所の方よりも、夜更かしのひどい私の方が危ないような気がします
いいんです別に、その他のオプションもたいしてパッとしませんし・・・

定期検診受けて備えましょう

出来たら『豆腐の角に頭ぶつけて死ぬ』などのラブリーな死因が良いですが

李白は、船に乗ってる時酔っ払って、水面に映る月を捉えようとして、身を乗り出し過ぎて
船から落ち溺死したそうで、授業で初めて教わった時は、なんて間抜けな人だろうと
あきれ
ましたが、今では中々風情のある死に方じゃないかと思うようになりました





『千と千尋の神隠し』のモデルになったとされる温泉旅館に行ってきました

元禄時代からある旅館だそうです
今のご亭主さんで十九代目だそうで、自ら丁寧に温泉旅館の歴史を解説して下さいました

医療の発達していなかった頃、湯治で体の悪いところを治すのがせいぜいだったそうです
確かに、帰宅後は体調が良いような気がします

体の自然治癒能力が呼びさまされたんだろうか~ (癌も遠のいたかな~?)


   積善館1   積善館2
   積善館トンネル   積善館料理
   元禄の湯2   元禄の湯4


『千と千尋の神隠し』 がテレビ放映されると、公式HPのアクセス数が急に増えるので
頻繁に放映して欲しいそうです     とても風情のある旅館でした




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フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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