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ウィークエンド介護


~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~







糖尿病でインスリン強化療法により、HbA1c6%台を維持していらした
見目手 玖珠(みめてくす)さんですが、突然7%台に迄跳ね上がってしまい
今日は、隣の市にお住いの息子さんが心配して、在宅の相談にみえました

「母は最近認知症の傾向があり、時々インスリンを打ち忘れている様なんです」  かおまる
ケアマネさんから在宅訪問依頼がありましたので、ご準備させて頂いております

「母は一人暮らしで、僕は仕事もあり、週末に実家に様子を見に行くのが精一杯  かおまる
ですので、薬局で薬を配達して、色々と面倒見て頂けると、とても助かります」

現在、毎食時の追加インスリンの代わりをする超即効型のアピドラを一日3回と
基礎インスリン代わりの持効型のランタスを1回、計4回注射なさっていますね

「アピドラが食後高血糖を防ぐやつで、ランタスが一日中効いてるやつですね」  かおまる
DPPⅣ阻害剤と呼ばれる血糖降下薬の、トラゼンタものんでいらっしゃいます

「毎日食事の度に母に電話して、注射する様に促していますが、電話しても  冷汗4
もう食事を終えていたり、注射も打ち忘れていたりするので、僕も限界です」
認知症のお薬ものまなくてはいけませんから、大変でしょうね
取り敢えず、経口薬に関しては全ての病院のお薬を合わせて一包化させて頂きます

「認知症の薬は家から持って来ましたし、他にのんでいるのはトラゼンタだけです」  かおまる 
インスリン打ち忘れが頻発していますので、医師と相談の上、インスリンを含めて
糖尿病治療全般を見直させて頂く事になり、今回からトラゼンタは廃止になります

「トラゼンタは低血糖が無く、母が気に入っているんで、ガッカリするでしょうね   かおまる
以前、アマリールという薬をのんで居た頃は、夜中よく低血糖を起こしていたので」

確かに、スルフォニル尿素(SU)剤と呼ばれる血糖降下剤のアマリールを服用して
いらした頃は、夜間低血糖で目覚める事が多く、毎回ブドウ糖を差し上げていましたね

「アマリールは劇薬に分類される強い薬だから、低血糖になるのも仕方ないですね」  汗5 
SU剤は血糖値に関わりなくインスリン分泌を促すので、低血糖になるリスクが高く
一方、トラゼンタの様なDPPⅣ阻害剤は、高血糖の時だけインスリンを分泌させる
とても便利なお薬で、劇薬でも無く、低血糖リスクも低く、安心して使えるお薬です

「トラゼンタはアマリール程効かないけど、夜安眠出来るので母は頼り切っています」  かおまる
DPPⅣ阻害剤は決して弱く無いですよ、長年SU剤を服用していると、膵臓が疲弊して
二次無効になる事がありますが、そんな例にもDPPⅣ阻害剤なら効く場合があります

「でもアマリールは直接インスリンを分泌させるけど、トラゼンタはインスリンを分泌  ブー1
させるインクレチンというホルモンを長持ちさせる間接的作用なので、弱い気がします」
逆に、SU剤はインスリンを分泌させるのみなのに対し、インクレチンは、それ以外に
膵β細胞でインスリン遺伝子発現を促進してインスリン合成を増強し、インスリン分泌
を維持する作用もあり、さらには、膵β細胞を増殖させ保護する効果も望めるのです

「でもそれは、ラットみたいな動物でしか証明されていないんじゃないですか?」   かおまる 
人間では、膵臓の組織片を採取するなどと言う辛い検査は、わざわざ行いませんので
DPPⅣ阻害剤服用前後でのβ細胞量変化は把握出来ていませんが、試験管内では
人膵島でもインクレチン作動薬でβ細胞増殖因子が増える事が実証されています

「確かに、膵臓の一部を取り出すなんて、痛そうで、やりたくは無いですね」  冷汗2
又、胃を切除するとインクレチンの一種であるDLP1の血中濃度が異常に上昇すると
分かっていますが、そう言うケースでは、膵島の過形成が生じると報告されています

「そう言えば、伯父も糖尿病だったけど、胃癌で胃を切除してから治りましたね」  かおまる
インクレチンには上部消化管のK細胞から分泌されるGIPと、下部消化管のL細胞
から分泌されるGLP1
の二種類があり、双方共インスリン分泌を促進しますが
それ以外の作用は異なり、GIPには食欲増進作用や内臓脂肪蓄積作用があります

「GIPの方は、余り糖尿病に良くないんですね」  冷汗1
一方GLP1には、消化管運動抑制による食欲抑制、心血管保護、神経細胞保護
糖新生抑制作用、等の様々なアンチエイジング効果が認められているのです

「GLP1は、是非増やしたいインクレチンですね」  えへ4 
ところが、DPPⅣ阻害剤ですと、インクレチンの分解酵素のDPPⅣを阻害して
インクレチンを長生きさせますので、GIPもGLP1も両方増やしてしまいます

「GLP1だけを選抜して増やす事が出来れば、ベストなんでしょうけどね」  かおまる  
インクレチンの作用を高めるインクレチン関連薬として、DPPⅣ阻害剤の様な
インクレチン・エンハンサー(増強薬)と、GLP1をDPPⅣに分解され難く
改変したGLP1の模倣品インクレチン・ミメティクス(模倣薬)と二種類あり
ミメティクスですと、GIP作用は無くてGLP1作用のみですから理想的です

「インスリンでは無い注射で、ビクトーザというのがあると聞いた事があります」  かおまる 
ビクトーザは日本で初めて承認されたミメティクスですが、DPPⅣ阻害剤と違い
注射薬なのがミメティクスの難点で、良い薬の割に余り普及していないのが現状です

「母は、インスリンを打っていますから、注射と言われてもハードルは低いですよ」  かおまる  
そこで今回アピドラに変わり、トルリシティと言うミメティクスが採用されました
トルリシティは、一週間に一回打てば毎日の追加インスリンの代わりをしてくれる
超長時間持続型ですので、ランタスは今迄通り打つ必要があるものの、食事と関係
無い1日1回の注射ですから、息子さんの管理も格段に楽になると思います

「ランタスだけなら、毎朝出勤前に電話で促せば打ってくれるし、週一の注射は  スマイル
週末に実家に行った時に打つように言えば済むので、随分負担が減りますね」

インスリン自己分泌が無い方が、インスリンからミメティクスに切り替えると
糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こしてしまい危険ですので、医師が予め
Cペプチドを測定し、見目手さんに自己分泌能力がある事を確認されています

「それにしても、一回の注射で一週間も食後高血糖が防げるなんて夢のようですね」  えへ5 
トルリシティは、ミメティクスと免疫抗体IgG4のFc領域の結合鎖を、さらに
二本結合させて分子量を大きくして、吸収を緩徐にし、腎排泄も低下させています
加えて、細胞内でも、IgG4のFc領域が胎児性Fc受容体と結合するので
細胞内分解工場であるリソソームの分解を免れて、細胞表面にリサイクルされます

「抗体とくっつけて長持ちさせるなんて、凄い技術が使われているんですね」  驚き1
本来のFc領域に若干の改変を加えてあるので、免疫反応を惹起する恐れは無く
一週間に亘り食後高血糖をその都度是正しますので、間食を摂った時にも効きます

「それじゃ、食事の度にアピドラを打つより楽な上に、便利じゃないですか」  スマイル2
トルリシティは一般的な蛋白質と同様、最終的にはリソソーム内でアミノ酸まで
分解されて消失
すると言われており、DPPⅣによる分解を受けません

「DPPⅣ阻害剤をのんでも、トルリシティの寿命が延びる事は無いんですね」  かおまる
従って、トラゼンタを併用しても、自己分泌のインクレチンが増えるだけですが
そうするとGIPも増えてしまいますので、あまり得策とは言えません

「トルリシティはトラゼンタより優れていると言って、母を説得しますよ」  えへ3 
トルリシティのデバイス名『アテオス』は、腹部に当てて押すだけで済む事から
ついたそうで、予め一回分の注射剤と針が内蔵されていて、打つのも簡単です

「まさに、認知症のうちの母にぴったりの製剤かも知れませんね」  かおまる 










デュラグルチド(トルリシティ)は、ヒトGLP-1アナログと
改変ヒト免疫グロブリン(Ig)G4-Fc領域が
共有結合し
そのサブユニット2分子が結合した融合タンパク質です

GLP-1アナログ領域のアミノ酸配列を改変することにより
DPPⅣによる不活性化を回避し、薬理活性持続時間を延長します    

GLP-1アナログ領域にIgG4のFc領域を結合することにより
分子量を大きくすることで、投与部位からの吸収が緩徐となり
また腎クリアランスを低下させるため、血中濃度が持続します  

さらに、デュラグルチドが細胞内に取り込まれた後、酸性のエンドソームの中で
IgG4のFc領域が胎児性Fc受容体(FcRn)と結合することで
デュラグルチドはリソソームの分解を免れ、細胞表面にリサイクリングされます

胎児性Fc受容体とは、新生児の上皮細胞に存在し、母乳中のIgGを
取り込む受容体として同定
され、その後成人にも発現している事が分りました

胎児性Fc受容体は、pH6.0でIgGと結合し、pH7.4で解離するという
pH依存的IgG結合能を持ち、細胞内のエンドソームでIgGと結合することで
リソソームにおけるIgGの分解を抑制しているそうです

IgG抗体は、細胞に取り込まれても胎児性Fc受容体に結合することにより
血液中に汲み出されるため、他の免疫グロブリンや血清タンパク質と比較して
血中半減期が長い
そうです





トルリシティに抗体を結合させた理由を知りたくて、今回年末帰省した
親族に手伝って貰い、英語の文献も調べてみました
初めての体験でしたが、結構面白かったです




お年を召した方でも、皮肉なもので、家族の手助けが余り得られない方の方が
自分でやらざるを得ない分だけ、しっかりしていらっしゃるような気がします
逆に、介護の行き届いた方は依存的になり、身体機能も衰え易い気がします

『楽隠居 させる子供は 親不孝』




1月になり、多肉の紅葉の季節になって来ました
寄せ植えをしていたら、主人から「盆栽っぽい」と言われました

私としては、短期で形が整う盆栽の様でもあり
フラワーアレンジメントの要素もあり、季節毎の変化もあり
色々と楽しいです

 2017年1月1  2017年1月2
 2017年1月3  2017年1月4
 2017年1月9  2017年1月5
 


去年の年末になりますが、家族で食事に出かけた時の写真です
とある洋菓子店に寄った時に、トイレをお借りしましたら
そのドアが本棚の様でビックリ!
案内されないと、到底分かりませんね

 2017年1月6  2017年1月7
 2017年1月8



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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

カテゴリ
エコライフ

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