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『 Why Japanese people?! 』

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~






崔 義信(さいぎしん)さん
は数カ月前、『ダマされるな! 医者に出されても
飲み続けてはいけない薬』
という週刊誌を読み、気色ばんで薬局にみえました

「あの時は、僕がのんでる血圧の薬の名前が出ていたので驚いたんだよ」  かおまる
私もネットでその記事に目を通させて頂きましたが、確かに、崔さんがのんで
いらっしゃるミカルディスも、やり玉に挙げられていましたものね

「記事によると、ミカルディスの様なARBと呼ばれる降圧薬は、高価なだけで  かおまる  
寿命を延ばす効果は、古くからある利尿剤でしか確認されていないとの事だった」

利尿剤に比べて歴史がまだ浅いARBについては、延命効果があるかどうか等の
大規模試験はこれから
行われて、効果が判明して行くのではないかと思われます

「そんな新参者より、評価が確定している利尿剤の方が良いと先生に頼んだんだ」  かおまる
今回追加で、サイアザイド系類似利尿剤ナトリックスと言うお薬が出ていますね

「利尿剤は浮腫んだ時にのむとすぐ治るので、キレ味のいい薬だといつも感心して  えへ5
いたし、値段も安くて、それが優秀な降圧薬でもあったなんて嬉しい驚きだよ」

浮腫時に処方されるのは、ループ系利尿剤フロセミドと言うお薬で、利尿作用は
強力ですが、その分は頻尿になり、作用持続時間も短いので降圧剤には向きません

「作用時間が短いって事は、一日に何回ものまなきゃならないって事か」  驚き1
ループ系利尿剤は、ヘンレ係蹄上行脚において、ナトリウム(Na)、カリウム(K)
塩素(Cl)の共輸送を抑制
する事で、又、サイアザイド系利尿薬は、遠位尿細管
においてNaとClの再吸収を抑制することで、それぞれ利尿効果をもたらします

「利尿剤は体内の塩分を減らす事によって、水分を減らす薬なんだね~」  かおまる  
作用が強力で迅速なフロセミドは、用量依存的に効果が増大すると言う特徴もあり
心不全や肝硬変や腎不全等の重症時には大量投与可能な、天井が高いお薬です

「フロセミドは効き目も良いが、のめばのむ程よく効く利尿剤なんだね」  スマイル  
ですが、大規模試験のサブ解析でループ利尿剤の投与量が多い程、心不全の予後が
悪化する事
が判明したので、天井が高いからと言って使い過ぎるのは禁物です

「そう言えば雑誌で誉められていたのは、サイアザイド系利尿剤だったかも・・・」  かおまる
作用持続時間が長いサイアザイド系利尿薬は、一日一回の服用で良く、用量増加
しても効力は変わらないので低用量で効き、頻尿の心配もありません

「それで先生が、浮腫みに効くフロセミドじゃなくて、ナトリックスを出したんだ」  スマイル2  
サイアザイド系は食塩摂取過剰で高血圧になっている場合には最適な降圧剤ですが
Naを喪失すると反応性に腎臓でのレニンの産生を促し、血圧を上げるホルモン系の
レニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系が刺激されますので
RAA系を抑える降圧剤の、ACE阻害薬やARBとの併用が推奨されています

「でも雑誌には、ミカルディスの様なARBは、昔使われていたACE阻害薬と   ブー1
言う古いタイプの薬の特許が切れ、製薬会社のうまみが無くなったので、次のドル箱
として開発して、製薬会社のゴリ押しで売れるようになった薬だと書いてあったよ」
今回、ミカルディスから、ACE阻害薬のコバシル4mg2錠朝服用に変わっています
RAA系抑制剤は、カルシウム拮抗薬と呼ばれる強力なタイプの降圧剤に比べて降圧
効果は劣るのですが、副次的に心臓や腎臓に対する保護効果がある事が判明しています
ですが、臓器保護効果が見つかったのは殆ど、ACE阻害薬対象の研究なのだそうです

「先生は、コバシルだと空咳が出るかも知れないのが難点だけどね、と言ってた」  かおまる
ACE阻害薬の副作用に空咳があり、それを改善した物がARBなのですが
その空咳を逆手にとり、ACE阻害薬を誤嚥性肺炎予防に使う場合もあります

「咳というのはある意味、生体の防御を担う重要な反応だからね」  かおまる  
空咳の原因は、ACE阻害薬がブラジキニンと言う物質を増やすからなのですが
この物質は運動した事と同じ状態にする作用もあり、有益な面もあるのです
つまり、ACE阻害薬とARBでは微妙に作用が違いますので、一括りにRAA系
抑制剤だからと言って、ACE阻害薬の優秀なデータを、ARBにも当て嵌めるのは
あたかも、日本が勝利したのを、アジア人種全体の勝利の様に言うのと似ています

「オリンピックの400Mリレーで、日本が銀メダル取ったら『黄色人種も短距離  かおまる   
に強いと証明された』とまるで自国の勝利の如くに豪語していた国があったなぁ」
コバシルは、ご希望なら後発品にも変えられますので、コストも抑えられます

「朝に2錠のんじゃって良いんだね、朝晩に分けなくても?」  かおまる  
降圧剤は、一日一回の服用で済む、長時間安定的に効く方が、交感神経やRAA系等
昇圧系を刺激する恐れが少ないと言われ、カルシウム拮抗薬ならアムロジピン
ARBならミカルディス、ACE阻害剤ではコバシルが、最長持続時間を誇ります

「痛み止めだと早く効いて欲しいが、降圧剤は穏やかに長く効く方が良いんだね」  かおまる 
他にも、コバシルは脳移行性があるので、脳梗塞や認知機能低下を抑制する効果 (注1)
もあり、又、日本でも海外と同じ用量で使える稀有なACE阻害剤でもあるのです

「他のACE阻害剤だと、海外と同じ用量で使え無いの?」(注1)  かおまる
ACE阻害薬で輝かしい臓器保護効果が証明された海外での大規模研究の多くは
日本では認められていない高用量を使われているので、だからこそ今迄は先生も
有効量を処方出来るARBの方を、処方せざるを得なかったという面もあります

「先生が、文献を調べるから二三カ月待ってくれ、と言ったのはその為だったのか」  かおまる
サイアザイド系利尿剤の優位性が証明された研究には、米国で33357人が参加した
ALLHAT研究が有名で、他にもSHEP試験もありますが、それらで使用された
サイアザイド系はクロルタリドンという物で、日本では現在販売中止となっています(注2)

「日本では、なんでそんな良い薬を販売中止にしちゃったんだろう!?」  驚き1 
一方、日本でARBとの合剤で販売されているサイアザイド系のヒドロクロロチアジド
降圧効果ではクロルタリドンに劣り、又、オーストラリアで6083人が参加した
ANBP2と言う大規模研究でも使われましたが、心血管合併症予防効果に於いて
ACE阻害剤のエナラプリルに負けると言う、ALLHAT研究とは逆の結果が出ました

「今日本で多用されているサイアザイド薬は、海外の研究では負け組だった奴なんだ」   冷汗2
今回処方されたナトリックスは、海外の数々の大規模試験で有用性が証明されています
ナトリックスとクロルタリドンは、厳密にはサイアザイド系類似薬に分類されます

「先生も、高血圧ガイドラインの第一選択薬は、海外と日本では違うと言ってたが  かおまる
何で、日本って国は、いい薬を排除してショボイ薬を珍重する癖があるんだ!?」
雑誌にある様に、製薬企業の利潤追求の行き過ぎも少しはあるのかもしれませんが
体格や人種的遺伝要素の違う外国でのデータをそのまま日本人には当て嵌められない
と言う面もありますし、一見理不尽と思えるガイドラインであっても、結果的に
日本が世界に冠たる長寿国だという事
で、寿命の面で結果を出している訳です

「確かに、そんなに大勢が参加した大規模試験って他にないかもね」  かおまる






(注1)
日本でも海外と同じ用量で使えるACE阻害薬は
ペリンドプリル(コバシル)とイミダプリル(タナトリル)だそうです

ACE阻害薬のうち、血液脳関門を通り脳内移行性が確認されているのは、
ペリンドプリル(コバシル)とカプトプリルだそうです


(注2)
サイアザイド系利尿薬には、トリクロルメチアジド(フルイトラン)
ヒドロクロロチアジド(旧ダイクロトライド、現在後発品のみかARBとの合剤化)があり

サイアザイド系類似薬には、輝かしい大規模試験結果を有する物が多く
クロルタリドン(旧ノバルティスのハイグロトン、2008年販売中止)や
インダパミド(ナトリックス)があり、ナトリックスは
80歳以上の高齢者に対する降圧薬治療の有用性を検証したHYVET試験
脳卒中の二次予防効果を証明したPROGRESS試験
Ⅱ型糖尿病患者における大血管+微小血管イベントに対する有用性を示した
ADVANCE試験などで用いられた降圧利尿剤です
サイアザイド系類似薬はサイアザイド系利尿薬よりも降圧効果に勝るそうです

クロルタリドンが販売中止になったのは、薬価が下がり過ぎて
製薬会社が採算とれなくなったから
だそうです

雑誌記事も無責任に既存の薬を批判するだけじゃなくて
国のこういう薬価政策や薬用量の承認等に
切り込むような内容を
記事にして欲しいものです




参考 
① 『ダマされるな! 医者に出されても飲み続けてはいけない薬』 
週刊現代 2016.06.06日付の記事
② 『降圧利尿薬の有用性を24時間自由行動下血圧で探索』 
循環器トライアルベース
③ 医薬ジャーナル社 『大規模臨床エビデンスの多様性と脆弱性
−ALLHAT最終結果と臨床適用−』
④ 石原藤樹のブログ、内科開業医のお勉強日記、楽園はこちら側
等医師のブログ




今回の話は実際にあった話が下敷きになっています

先日、マイランの球形吸着炭の勉強会をした折に
2015年度の医療費の伸びが過去最高になったと言う話があり
高価な肝炎の薬のせいとの分析もあるが、肝炎は一回治療すれば治るけど
人工透析は一生続くので、やはり透析導入が年間一万人のペースで
増えているのが原因ではないかと

透析導入4万人で、透析していて亡くなられる方が3万人だそうです
C型肝炎治療約800万透析年間600万円

だけど、肺がんでオプジーボ導入したら、年間3500万円ですからね
そう言えば、ジャーナリストって、ヘビースモーカーが多いイメージ
ありますけどね~~~(←偏見?)






涼しくなって来て、久しぶりにグラタン作りました

 グラタン289


先日、娘の住んでいるつくばの方に行く機会がありました
ちゃっかり、エケベリアもしこたま買い込んで参りました
(もう、置き場所ないでしょ、と娘にたしなめられつつ)

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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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