瓶を簡単に開けられる人は長生きする


~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~





70代後半の女性 風炉 里仁(ふろりじん)さん糖尿病で通院中です

「新聞で読んだんですが、6月から糖尿病の治療目標が変わったそうですね」  かおまる    
5月下旬京都で糖尿病学会が開かれて、そこで新しい治療基準が発表されましたね

「年寄は、無理してまでHbA1cを下げなくても良い事になったみたいですね」  スマイル2  
ご高齢の方が頻繁に低血糖になると、認知症が進みますし、心臓にも悪いですからね

「それどころか、HbA1cを7.5%以下にしないようにと書かれていましたよ」   ブー1
新基準でHbA1cの下限が設けられたのは、認知症がある程度進行している人か
もしくは、着替えや入浴やトイレ等の日常の基本的動作が自分で出来難くなっている
又、買い物や食事の支度、毎日の服薬や金銭面での自己管理が出来無い方に限られます

「確かに一口で年寄と言っても、自力で歩ける人も、車椅子の人も、色々ありますね」  かおまる 
しかも、インスリン注射やインスリン分泌促進剤等の重症低血糖が危惧される薬剤を使用
している場合のみ
、治療目標を高めに設定したり、下限を設けても良い事になったのです

「私はネシーナとジャディアンスをのんでいますが、該当しないんですか?」  驚き1
ネシーナの様なDPPⅣ阻害薬や、ジャディアンスの様なSGLT2阻害薬は低血糖リスク
が低いので
該当しませんし、加えて、認知症も無く自力で日常生活を支障なく送れている方
ですと、治療目標は従来通りの合併症を起こさない為の7.0%未満となっています

「気楽な一人暮らしを満喫している私は、今迄通り6%代を目指さないとダメなんですね」かおまる
食事と運動の基本療法のみで糖尿病治療している方や、低血糖の心配の無い薬しか
のんでいない高齢者
の治療目標は更に厳しく、6.0%未満を目指すとされています

「なぁんだ~老い先短い年寄りは、若い人と違って、今好きな物を食べなかったらもう  かおまる  
食べられないから、敬老精神で目標値を甘くしてくれたのかと、勘違いしました」
風炉さんは認知症も脳梗塞や心筋梗塞等の既往も無いのですが一般的には高齢になるに
連れて、それらの病気を起こす頻度が上がり、身体機能面で個人差が大いに広がります
又、インスリン注射をしていますと低血糖リスクも大きくなり、治療目標設定には
家族のサポートがあるのか独居なのかという面も、十分考慮されるのです

「低血糖起こした時、傍に居た家族がジュースのませてくれたり、救急車呼んでくれて  かおまる
助かったっていう話を、待合室で聞くと、のみ薬で済んでいる私は有難いなと感じます」
本来ならば、脱水症状が懸念されるSGLT2阻害剤を高齢者に投与する事は余り無い
のですが、風炉さんは必要に応じた十分な水分補給が出来る方だと医師が判断されて
処方されていますので、しっかりしたお年寄りだというお墨付きなんですよ

「痩せれば薬は要らなくなると言われてて、痩せられないんだからダメ患者ですわ」   泣き1 
肥満によりインスリン抵抗性が増すと、インスリン必要量が増え、それを補う為に
インスリン分泌を増やして対応しますので、インスリン分泌の指標であるC­ペプチド
基準より高い方は、痩せさえすればインスリン必要量が満たされ、糖尿病は改善します

「私はC­ペプチドが人の3倍もあって、インスリンを無駄遣いしてるらしいんです  かおまる 
だから、インスリン抵抗性を改善するピオグリタゾンというお薬が良く効いたんです」

どの遺伝子を発現させるかを決定する転写制御をしているのが、核内受容体というもので
ピオグリタゾンは、脂肪細胞の核内受容体PPARγを活性化して、肥大化した
脂肪細胞を小型化してブドウ糖を取り込み易くすると共に、インスリン感受性を亢進する
アディポネクチンの分泌を増やして、骨格筋や肝臓でのインスリン抵抗性を改善します

「でも、ピオグリタゾンをのんで居た頃は、どんどん太ってしまいましてね」  冷汗1 
ピオグリタゾンにより小型化した脂肪細胞がブドウ糖を取り込み易くなって肥大化する
のと、腎臓のPPARγも活性化して塩分を貯留し浮腫み易くなる事で、体重増加
し易いお薬
ですので、ピオグリタゾン服用中は運動もしないと太ってしまいます

「それで毎日一万歩を目標に歩いていたら、無理し過ぎて骨折してしまいましてね」  かおまる  
ピオグリタゾンは骨髄の間葉系細胞のPPARγにも作用し骨芽細胞になるはずの
細胞を一部脂肪細胞にしてしまう事
から、骨折を増加させ易いお薬でもあります

「PPARγって、脂肪だけじゃなく、腎臓とか骨とか色々な所にあるんですねぇ  汗5  
その後整形外科で骨密度測りましたが、骨粗鬆症のお薬のむ程じゃないと言われて」

糖尿病でありがちなのは、骨の原料であるコラーゲンが糖化を受けていて骨質が
悪くなる現象
で、そうなると、たとえ骨密度は年相応でも骨折し易いのです

「それで、ピオグリタゾンをやめて、体重の減るジャディアンスに変えたんです」  かおまる
腎臓で糖を再吸収しているSGLT2という入り口を閉じて、尿中にブドウ糖を捨てる
事で、高血糖を是正するSGLT2阻害剤のジャディアンスは、体重減少も期待出来ます

「食生活は変えていないのに、ジャディアンスをのむようになって3キロ痩せました」  えへ4  
さらに、血糖が下がる事で、インスリン出し過ぎ状態の高インスリン血症も改善され
内臓脂肪も減ってインスリン抵抗性改善効果もあり、血圧も浸透圧利尿で低下します
が、その分脱水になり易いので、特にこれからの季節は、水分補給が重要です

「私もいつ脳梗塞を起こしてもおかしく無い年齢ですから、脱水には気を付けています」  かおまる
脱水状態になるとヘマトクリットが上昇し、脳梗塞だけでなく心筋梗塞の危険も増します

「でも、ジャディアンスは心臓にも良いらしいよって先生が言ってらした気がします」  かおまる
それは心筋梗塞と言うより、心不全に良いという事で、最近の大規模研究で発表された
様ですが、又別のドイツの研究では、腎症の発症や進行を防ぐ事が報告されています
これは腎臓の糸球体内圧を低下させて過剰濾過を改善し、酸素消費量を減らす等
腎臓に良い効果が原因しているのではないかと言われています

「ピオグリタゾンとは別の意味で、運動しなければならない薬だそうですけどね」  かおまる  
SGLT2阻害剤を服用すると、体内からブドウ糖を喪失するので、筋肉を分解して
ブドウ糖にして使う事になり
、筋肉量が減って、運動能力も落ち、サルコペニアという
状態になる事が懸念されるので、筋肉を減らさない為に、運動をした方が良いお薬です

「ただでさえ年取ると、足腰が弱くなって転び易くなったりしますからねぇ」  冷汗2
ところが、筋肉分解作用があると思われていたSGLT2阻害剤に関して、いい意味で
予想を裏切り、握力が向上したとの報告が最近、日本の医師のグループよりありました

「糖尿病を治すお薬で、握力が強くなるなんて事があるんですかね?」  驚き1 
当初は、SGLT2阻害剤投与後に当然握力が減っているだろうという予測で始まった
調査だったようですが、結果は逆で、増えているという事が判明したというのです
仮説ですが、SGLT2阻害剤によって、グリコーゲン合成と脂肪合成(同化)と
グリコーゲン分解と脂肪分解(異化)のバランス点が変化
する事(Set-Point
Change)で、筋肉へのグリコーゲン供給や必要時のグリコーゲン分解が
スムーズ
に行われるようになり、握力が向上したのではないかと言われています

「そう言えば、以前固かった瓶の蓋が、昨日は簡単に開けられてビックリしました!」  かおまる
握力はサルコペニアの診断基準の一つで、握力が向上したのは筋肉量が増えた事を意味
握力が強いと死亡リスクも低下するという久山町研究の報告もある位なのです

「瓶の蓋で寿命を占えるなんて考えてもみなかったけど、ともかく良かったですわ」  えへ5




参考)J Diabetes(2016年4月2日オンライン版)




多肉の交配の播種のその後ですが、やる気のないブースとやる気満々のブースの差が激しいです

   交配1  交配2
   交配3  交配4


これから梅雨明けすると、多肉にとって試練の夏がやってきます
君達何とか、酷暑を乗り切ってよね~~~と祈る様な気持ちです

因みに、寄せ植えの苗は、自家増殖苗ですので、お金はかかっていませんが
我が家で増えた苗なので、その分は愛着有ります

  夏多肉1  夏多肉2
  夏多肉3  夏多肉4
  夏多肉5     頑張れ~~~








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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

カテゴリ
エコライフ

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