草から出来た薬

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~




糖尿病で通院中の 垂文 穂球(すいぶんほきゅう)さんは、働き盛りの40代です

「僕は太っている分、人より沢山インスリンを出して何とか賄ってるんだとさ」  うへー 
肥満型糖尿病ですと、過剰なインスリンを分泌する事で、やがては膵臓疲弊を招き
又、高インスリン血症が持続すると、インスリン抵抗性にも陥ります

「インスリンは、細胞に糖を吸収させるホルモンだから、多過ぎると太るしね」  かおまる 
インスリンは肥満ホルモンですので、インスリン過剰状態では肥満が更に助長されます

「CT撮ると、お腹の脂肪が真っ黒く映るので、内臓脂肪が多いとも言われた」  かおまる
内臓脂肪は悪玉サイトカインと呼ばれる、体に良くないホルモンを分泌します

「僕は若いからインスリンを出す力も残ってるし、痩せれば治ると言われてるんだけど  かおまる
糖尿病の薬ってインスリンを増やすから、自然と太ってしまうんだよね」

確かに、最初服用されたアマリールというお薬は、インスリン分泌を促す物でしたので
太り易く、HbA1cは下がるものの、長期的に見ると病勢が悪化する恐れがありました

「だから先生が、薬だけに頼らず、食事と運動も頑張れって言うんだけど、難しいよ」  かおまる  
でも今は、インスリン抵抗性を改善する作用のある、糖尿病薬の中では唯一太らない
とされるメトグルコ
というお薬をのんでいらっしゃいますよね

「アマリールからメルビンという薬に変わった時は、効き目がイマイチだったけど  スマイル
メルビンを倍量のめるメトグルコに変わってからは体重も増えないし、数値も下がった」

メルビンもメトグルコも成分はメトホルミンで、用量依存的に効果が上がるお薬です
メルビンは1日750mg迄しかのめない所を、5年前にやっと日本でも、欧米並みの
メルビンの倍量以上服用出来る様に保険適応をとって新発売
されたのがメトグルコです

「でも、糖尿病なので眼科にも時々通ってるんだけどさ、眼科でお薬手帳を見せると  かおまる  
眼科医が、メトグルコは糖尿病に詳しい医者じゃないと中々使わない薬だと言うんだ」

メトグルコは、昔乳酸アシドーシスという副作用が問題となったビグアナイド(BG)系
属すお薬なので、そう仰ったのでしょうが、メトホルミンで乳酸アシドーシスを起こす人は
心臓や腎臓の疾患があるとか、脱水状態の方なので、そういう場合を避ければ安全です

「メトホルミンは副作用のせいで一時期使われなくなったたけど、復活した薬だと聞いた」かおまる  
1998年発表の英国の大規模臨床試験UKPDSによると、メトホルミンは体重を増加
させず、単独では低血糖を起こさず、更には心血管イベントも抑制する事が分かりました

「古い薬の割には、作用がまだ完全に解明されていない不思議な薬だとも聞いた」  かおまる  
BG系のお薬は、中世ヨーロッパの時代から糖尿病の民間療法薬として使われていた
地中海地方の植物ガレガソウから分離されるグアニジンという物質が元となっています

「民間療法って昔からあったんだ・・・それじゃ数百年もの歴史のある薬ってことか~」  えへ3  
グアニジンには、血糖降下作用と同時に毒性もあったので、これを2個結合して安全な薬
にしたものが、ビ(二つの)・グアナイド(グアニジン)系のお薬です

「やっぱ、その辺に生えてる草をそのまんま食べたのでは危ないって事なんだねぇ」  汗5 
1929年製のメトホルミンは、暫らくはインスリンの登場で忘れられていたそうです

「乳酸アシドーシスの嫌疑をかけられる前に、そんな苦労もしてきた薬なんだね」  かおまる  
BG系は、肝臓で糖新生を抑制して血糖を下げると言われ、又そのせいで乳酸アシドーシス
も起こし易いのですが、最近他にも様々な血糖を下げる作用がある事が分かって来ました

「メトグルコは、運動したのと同じ状態にしてくれる薬って言われたよ」  スマイル2    
本来は、筋肉や脂肪はインスリンが無いとブトウ糖を取り込め無いのですが、運動すると
インスリンとは別ルートで、糖を取り込む糖輸送担体を細胞膜上に呼び出せるのです

「ブドウ糖を取り込むには、糖輸送担体なんてものが必要なの?」  かおまる
ブドウ糖は体のエネルギー源ですが、疎水性の細胞膜を通り抜けるには糖輸送担体という
膜蛋白が必要で、これには、細胞内外のブドウ糖の濃度差により拡散輸送をするGLUT
(促通拡散型糖輸送担体)
と、ナトリウム(Na)勾配を利用してNaとブドウ糖を
細胞内に取り込む
SGLT(Na共役能動輸送性糖輸送担体)の2種類あります

「脳が糖分を取り込めないと、低血糖でぶっ倒れて大変な事になるんじゃないの?」  驚き1  
はGLUT1で糖を取り込みますが、GLUT1はインスリンが無くても発動します

「やっぱり脳は特別扱いなんだ、呼吸中枢とかが止まったら死に直結するからな~」  かおまる  
GLUT2が最初から細胞膜上にある肝臓や膵β細胞でも、インスリン非依存的に糖を
取り込み、食事をして血糖が上がると、肝臓は糖を取り込んでエネルギー源として貯蔵
する事で血糖を下げ、膵β細胞は取り込んだ糖をエネルギーにしてインスリンを分泌します

「だから糖尿病じゃない人は、食事しても血糖が140mg/dL以上にならないんだね」かおまる
筋肉や脂肪細胞にあるのはGLUT4で、血糖値が高くない時は細胞内に潜り込んでいて
血糖上昇を受けて膵から分泌されたインスリンが、細胞のインスリン受容体に結合すると
細胞膜上に出て来て糖を取り込むのですが、運動やメトホルミンは、細胞内のAMP活性化
キナーゼ(AMPK)という酵素を活性化
するという別方法でGLUT4を呼び出せるのです

「要するに、糖の運び屋のGLUT4には召喚呪文が二つあるという訳だね」   かおまる  
しかも、AMPKを活性化すると代謝が促進されるので、コレステロールや中性脂肪等の
脂質を減らす効果も望め、血糖降下作用以外にも様々な良い多面的効果があるそうです
さらにメトホルミンには、血糖上昇ホルモンのグルカゴンを抑えたり、体に良くない
終末糖化産物生成を抑制したり、癌抑制作用など、様々な効果が解明されつつあるのです

「そこまで褒めちぎられると言い出し辛いんだけど、今回実は薬変える事になったんだ」  かおまる   
あれっ、本当だ、今回から新薬のスーグラ1日1回服用、になっていますね

「HbA1cは月に一回しか測れないので、一月分出して貰える様になるのを待ってたんだ汗1  
メトホルミンは太りこそしないけど、痩せる迄の効果は無いからさ」

確かに、スーグラの様なSGLT阻害剤と呼ばれる系統のお薬は、腎臓で糖を再吸収
しているSGLTという、GLUTとは別のタイプの糖輸送担体を阻害して、糖の再吸収
を減らして血糖を下げますので、初の体重減少効果が望める糖尿病薬と言われています

「食べた事を無かった事にしてくれる薬だから、痩せ薬にもなる位なんだってね」  えへ5 
腎臓にはSGLT1と2があり、1は2つのNaと1つの糖をカップリングして吸収
1より上流に位置する2は、1つのNaと1つの糖を吸収するので、省エネタイプです
スーグラをのむと糖と一緒に尿も排出されるので、水分補給をしっかりして下さいね

「脱水には気を付けるけど、アマリールやメトグルコと違って、劇薬じゃないんでしょ  かおまる  
メトグルコも凄く良い薬だから、本当は両方共のみたいんだけどね」

残念ながら、メトホルミンは乳酸アシドーシスの恐れが殆ど無いとはいうものの
脱水状態ですとその危険性が高まりますので、脱水を起こし易いSGLT阻害剤とは
併用しない方が賢明
かもしれませんね







(最近の所感)

メトグルコが分母に入って来て、後発品率がほぼ10%ダウン
慌てて処方元に交渉に行ったという・・・

ホント、メトグルコの寄与率ハンパ無い  分3だから

ランタスのバイオシミラーが出たとしても、分母は300単位でやっと
「1」とカウントするんですからね~

酷くない? 300羽ものウサギが死ぬ量でやっと「1」ですからね~
こんなとこでも又、メトホルミンがインスリンに負けた気がする・・・





相変わらず、多肉ドハマリ街道驀進中ですが

何故か、去年あたりから世間全般に多肉ブームが訪れているらしく
故に普及種のうちの比較的レアなタイプが入手出来ません (涙)

つまり

A 超普及種   :    ホームセンターでも取り扱いあり・下手すりゃ地植えもあり
B 普及種     :  多肉園芸店やネットで通常に販売されている
C 普及種のレアタイプ  :  運が良ければ多肉園芸店やネットで巡り会える
D レア種   :     どなたかが作った新たな交配種

C のゾーンが中々買えない    
D のゾーンは意外と買えるが、レア過ぎてネットで検索しても育て方が分からない    
AB のゾーンは入手し易く、増えやすく、従って廉価でもある

最近、ABのゾーンを上手に育てて、美しい個体に仕上げてる人を多肉のブログで見て
こういう生き方も良いなぁと、憧れているのですが
やはり、見た事無い多肉がブログで紹介されていると、欲しくなる~~~

多肉オタクとしては、コンプリート目指すべきか
迷う・・・

(どーでもいーわ、そんな事    な話でスミマセン)

・・・という訳で、良く増える多肉を紹介

子付き3子付き4
子付き8子付き7
子付き6子付き5





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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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