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ベンゾは別腹

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~





降圧剤のミカルディス、糖尿病薬のオングリザ、尿酸降下薬のフェブリク、等のお薬をのんで
いらっしゃる 鋤田 勉蔵(すきだべんぞう)さんは、中々痩せられずに困っているそうです

「とうとう中性脂肪を下げる薬迄のむ事になったよ~これ以上薬が増えるのだけは避けたくて  汗
必死で抵抗して来たんだけど、数値が300から下がらないもんだから先生も業を煮やしてね」

今回、中性脂肪降下薬のリピディルというお薬が加わっていますね

「僕は太っていて、メタボリック症候群が原因で様々な数値が高くなっているだけなので  かおまる
痩せさえすれば薬は要ら無くなるかも知れないと励まされて、頑張って来たのになぁ・・・」

血糖も尿酸も脂肪も生きて行くのに必要な成分ですので、適切な血中濃度なら良いのですが
多過ぎると、過ぎたるは及ばざるが如しで、体に害を及ぼしてしまいます

「でも薬に頼って下げるのは、負け犬みたいで嫌なんだ、自力で克服したいんだよ!」  かおまる
確かにお薬なんかに頼らずに、血圧、HbA1c、尿酸値等の検査値が基準範囲に保てたら
一番良いのでしょうが、次に良いのはお薬をのんで、基準範囲内に保てる事です
服薬を拒否して、脳や心臓の梗塞性疾患を引き起こしてしまっては元も子も有りませんからね

「だけど薬って所詮体には異物だから、のみ過ぎると肝臓に良くないって言うじゃない?」  ブー1
薬物投与により肝臓や腎臓へ負担がかかるのは事実ですが、定期的に肝や腎の機能を検査して
頂いていますし、万一肝や腎の機能が落ちて来ますと疲労感等の自覚症状も出て来ると思います
それに先生が鋤田さんのお体を気遣って、今回逆に減らされたお薬も2剤程ありますしね

「先生が気遣ったんじゃなくて、10月から精神科系の薬が制限されるようになったからだよ!」  泣き1
成程そのせいだったんですか、道理で、今迄不整脈の為にのんでらしたリーゼというお薬と
マイスリー、ベンザリン、ロゼレム、と3種類出ていた睡眠薬の中でベンザリンが出ていません

「酷い話だよ、病気の人間から薬を取り上げるなんて、だから今の政府は支持率落ちるんだ!」  かおまる
ですが、リーゼやベンザリンも体には異物ですから少しでも減らした方が良いんじゃないですか?

「何言ってるんだ! リーゼやベンザリンが肝臓に障る訳無いだろう、むしろ良い作用しかないよ」  かおまる
それでも、この度、睡眠薬や抗不安薬は各2剤迄しか出せない事になりましたので仕方有りませんね
鋤田さんは他にも、抗不安薬に分類されるデパスとソラナックスをのんでいらっしゃいますのでね

「デパスは最初、肩コリで整形外科から出して貰った薬だけど、肩コリ程度の事で整形に通うのも  かおまる
面倒なので、こっちの先生で出してくれる様に頼んだら、快く出してくれるようになったんだよね」
デパスはチエノジアゼピン系と言われる抗不安薬ですが、筋弛緩作用も有ります

「ソラナックスは以前、パニック障害になった時に精神科から貰っていたんだけど、その先生が  かおまる
廃業したので、新しい精神科医を探す迄の一時凌ぎに、こっちの先生に頼んで出して貰ってた」

ですがその後も、なし崩し的にず~っとこちらで処方して貰っていらっしゃいますよね?

「それを言われると面目無い!  かおまる   だが、精神科医でウマの合う先生を探すの大変なんだよ
それに、ソラナックスさえのんでいれば、パニック障害も起きないから別に良いと思ってさ~」

不整脈薬としてのんでおられたリーゼですが、これも抗不安薬で、自律神経調節作用こそあります
が、心筋の異常な電気信号を抑える効果は無く、不整脈による恐怖心を無くすだけのお薬です

「先生もリーゼは本物の不整脈薬じゃないけど、僕の不整脈は大した事ないからと言ってた」  かおまる
生命に関わらない不整脈は治療の必要がないので、リーゼは削除になったのでしょうね
次に睡眠薬の件ですが、以前はマイスリー1剤だけでよく眠れるとおっしゃっていましたよね?

「でも年齢的に、夜中トイレに毎晩起きるようになったら、その後寝付けなくなってさ~」  うへー
マイスリーは睡眠薬の中でも超短時間型のお薬で、寝入りばなは良くしますが、途中覚醒には
効きません
ので、作用持続の比較的長い中間型のベンザリンが、いつの頃からか加わりましたね

「それで、夜中トイレに起きても、その後又ぐっすり朝まで眠れるようになったんだよ」  かおまる
ですが、一度夜中に転倒されて、やはり睡眠薬が強過ぎるという事になり、体内時計を整えて
自然な睡眠に誘う、ロゼレムというマイルドな睡眠薬
に切り替えようとした時期がありましたね

「マイスリーとロゼレムとか、ベンザリンとロゼレムとか、色々試行錯誤の末、やはりロゼレム  えへ3  
じゃ効かないという結論になり、だがロゼレムも手離すには惜しいので3つ共のんでいたんだ」

今回の、睡眠薬は2剤迄、という改訂に従って、ベンザリンが削除されました

「2つしかのめないなら、弱いロゼレムを止めたいんだけど、ベンザリンは抗不安薬のデパスや  冷汗4
ソラナックスと同じベンゾジアゼピン系という系統の薬なので、作用が被るんだとさ」

ベンゾジアゼピン(BZP)系のお薬が結合するBZP受容体は、脳内の抑制性神経伝達物質
であるγ‐アミノ酪酸、別名GABAの受容体と同一細胞膜上にあり、BZP系薬物が
BZP受容体にくっつくと、それに刺激を受けてGABAがGABA受容体にくっつき易くなり
結果的に、眠りを催し、不安感を抑え、筋肉を弛緩させ、痙攣を抑えたり等の効果が現れます

「先生もベンザリンはてんかんにも効くと言ってたが、痙攣も抑えたりするんだねぇ」  かおまる
GABA受容体にはα1、α2、α3、α5があり、BZP受容体にはω1、ω2がありますが
ω1受容体がα1受容体に対応し、ω2がα2、α3、α5に対応していると言われています
難しい話で恐縮ですが、現在発売されているBZP系薬物は殆ど、ω1受容体に作用して
GABAのα1作用を増強するタイプで、このα1作用は鎮静や抗痙攣作用は優れていますが
前向性健忘や薬に対する依存性等、困った副作用も起き易くする事が分って来たのです

「カミさんが『あなた時々、夜中起きて冷蔵庫の物を食べている』などと難癖つけてきて  冷汗1
『痩せて薬を減らすんだ!と思って食事療法頑張ってるのに、断じてそんな事は無い!』
と良く夫婦喧嘩するんだけど、あれがもしかしてその、前向性健忘って副作用なのか?」

その可能性はありますね~鋤田さんは、リーゼ、デパス、ソラナックス、ベンザリン
マイスリー
5種類ものBZP系薬物をのんでおいででしたからね~

「だけどさっき、デパスはチエノジアゼピン系と言ったし、確かマイスリーは、それ迄のんでいた  かおまる
ハルシオンよりも弱い、ベンゾジアゼピン系じゃない薬だと言われて安心してのんでたのに」

非BZP系薬物でも、BZP受容体に作用して働くので、結局はα1作用が出て同じ事です
BZP系作動薬は、心の松葉杖の様なお薬で、精神的に辛い時に期間限定で使う分には
良く効くし、優れた薬なのですが、治ってからも漫然と頼り続けるべきでは無いと思います

「成程ね~骨折が治ってからもずっと松葉杖ついてる人なんていないものね~  スマイル2
先生も、デパスやソラナックスも、体調を見ながら徐々に減らして行けると良いねと言ってた
それに、副作用の少ない睡眠薬が発売されるからそれを試してみても良いしねって」

オレキシンという受容体に作用して、覚醒中枢を抑制する事で睡眠を促す、今迄には無かった
タイプの睡眠薬が承認されたそうですね





(参考)
★「ベンゾジアゼピン系薬物の降下と副作用の分子基盤:GABA(A)受容体の
サブタイプと薬理作用     吉見 陽 、山田 清文   (精神経誌2012)
★向精神薬多剤投与規制 現場を無視した改定に待つものは  富士見市  里村 淳
★他に、精神科医のブログ(2件ほど)




α1活性の無い、α2、α3、α5選択的BZP系薬依存性を生じないそうですが
α1活性が主に鎮静、抗痙攣作用と関係している為、α2、α3、α5選択的BZP系薬だと
期待される薬理作用が有るかどうかが問題だそうです

BZP系離脱プログラムとして、モーズレイのジアゼパム換算というやり方があり
エチゾラム等の半減期の短い薬は依存性がきつい為、まずは半減期の長い
ジアゼパム(セルシン・ホリゾン)やロフラゼフ(メイラックス)に置換してから
又、睡眠薬のBZP系の場合は、ドラゾドン(レスリン)に置換してから
先にそういう止め易い薬に移行した後、徐々に完全離脱を進めていくそうです

日本人はBZP大好き国民で、BZP処方件数で世界でダントツ1位
世界で生産されるBZP薬は殆ど日本が吸収してしまっていて
日本では、医師も患者さんにせがまれると中々ダメと言えない医療分化があり
医師と患者さんとで手を取り合ってBZP依存を作っている様な状況なのだそうです
日本人の几帳面な国民性が、精神的脆さと関係してるのでしょうか?

以前のエントリにも書きましたが、私の親族にもデパスやリーゼをのんでいる方々があります
70~80歳代なので、もう仕方がないかなと思いますが
緩和精神安定薬などと呼ばれ、いかにも弱くて害がない薬の様に扱われて来たのでしょう
ここ何年か前からは依存性が問題視されている様ですが
BZP薬は、期間限定的にもしくは頓用として使うならば、とても良い薬なのだそうです

何科の門前に行ってもデパスは必ずあるので、てっきり、世界中で使われている薬だと
思い込んでいましたが、意外と日本・韓国等、承認されている国の方が少ない様で驚きました
欧米諸国では未承認の国が多いので、海外旅行には持って行かない方が無難という説もあり
逆に、フルニトラゼパム(ロヒプノール)はアメリカでは持ち込み禁止となっています

抗不安薬、睡眠薬はそれぞれ2剤までで
抗うつ剤、抗精神病薬(非定型抗精神病薬も含む)はそれぞれ3剤まで
降圧薬として使われるレセルピンも抗精神病薬としてカウントされるようです
リボトリールは抗てんかん薬でセーフだけど、ベンザリンは睡眠剤となったそうです
遠足の時の「バナナはおやつに含まれますか?」を思い出してしまいました





      11月3日の実家の有る高山線沿線の紅葉  今頃はもっと紅葉してるかな~
     高山線紅葉2   高山線紅葉1


          こちらは多肉植物の紅葉  まだまだこれからですね~
多肉11241   多肉11242
多肉11243   多肉11244

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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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