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プロスタグランジン対セロトニン受容体でサッカーが出来る

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~





阿古知 亜美(あこちあみ)さんは、時々胃がシクシク痛むそうです

「胃が痛くてみぞおち辺りをさすってたら、主人が『良く効く痛み止めが  かおまる
あるよ』と言ってくれたのが、整形で貰ったペオンという鎮痛剤だったの」

整形外科で出される鎮痛剤は、胃に障るので、胃痛には逆効果ですね

「やっぱりそうよね~以前この薬局でそう教わったから、のまなかったけど・・・」  汗5  
炎症による痛みは、プロスタグランジン(PG)という物質によって引き起こされ
鎮痛剤はこのPGの合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害して
痛みを和らげますが、PGは胃では粘膜を保護している物質でもあるのです

「だから私は、鎮痛剤のむ時は必ず胃薬も一緒に出して貰う事にしてるわ」  かおまる
最近では、COXの中でも、胃粘膜保護に関係するCOX-1には影響が少ない
COX-2選択的阻害剤セレコックスが、鎮痛剤の主流になっていますけどね

「胃に障りにくい、安全性の高い痛み止めの時でも、私には胃薬が欠かせないの」  かおまる
でも、阿古知さんは、X線や内視鏡で検査しても、胃に異常は無いんですよね

「私のような人を最近では、機能性ディスペプシア(FD)と呼ぶらしいわね」  かおまる
FDには、食後すぐに満腹になる早期膨満感や胃もたれがひどい食後愁訴症候群
みぞおち付近の痛みや胸やけを主訴とする心窩部痛症候群とがあり
食後愁訴には消化機能改善薬が、心窩部痛には胃酸分泌抑制剤が使われます

「私は胃下垂のせいで胃もたれがひどいんだけど、時々みぞおちも痛むのよ」  冷汗1
胃酸の出過ぎを抑えるH2ブロッカーの、ガスターというお薬が出ていますね

「最近バイアスピリンをのむ事になって、それも胃に障り易いんだもの」  冷汗4
頭痛が心配で撮って貰った脳CTで、アテローム血栓性梗塞が見つかったんでしたね
バイアスピリンの成分アスピリンCOX阻害作用が有る鎮痛剤なので、胃に障ります

「痛み止めの薬の癖に、血液をサラサラにする作用もあるなんて、面白い現象だわ」  スマイル2
血小板トロンボキサンA2という物質を放出する事で、血小板が凝集し血管も収縮して
血栓が生成されるのですが、トロンボキサンA2の生成にはCOXが不可欠なのです

「でも血液サラサラ効果は少量のんだ時だけで、大量にのむと逆効果になるらしいわね」  かおまる  
アスピリンも鎮痛効果のある量ですと、血小板のみならず血管のCOXも阻害されて
血栓形成を予防する善玉PGも抑えられるので、血栓予防効果は相殺されてしまうのです

「COXって、胃や血管の善玉PGも、トロンボキサンみたいな悪玉も作ってるのね」  かおまる
公平に言うと、トロンボキサンA2は出血を止める為には重要な要素なのですけどね

「確かに私も、十年前に大腸癌の手術した時は、手術後に止血剤のお世話になったわ  かおまる
一度でも癌になった事があると、どこか痛いとつい癌の再発じゃないかと不安になるのよ」

十年も経ったのでしたら、癌は完治したと言えると思いますが、不安を和らげる為に
セロトニン神経を活発にして気持ちを落ち着かせる、セディールというお薬が出ていますね

「セディールはFDにも効くと聞いたけど、FDの原因はやっぱりストレスって事?」  かおまる  
それもありますが、セロトニン消化機能を活発にするアセチルコリン(ACh)という
神経伝達物質を増やしますので、セロトニン刺激薬には消化機能改善作用があるのです

「消化機能改善薬は色々なお薬を試してきたわ、昔はプリンペランをのんでたの」  えへ3  
プリンペランドパミン受容体遮断薬で、AChはドパミン神経を抑えても増えるのです

「でも、長くのんでるとパーキンソンみたいな症状になる恐れがあるから切られたの」  かおまる  
プリンペランは血液-脳関門を通過しますので、脳での錐体外路障害が出易いのです
次には、血液-脳関門を通過しないドパミン遮断薬のナウゼリンに変わりましたね

「私には、プリンペランの方がナウゼリンより良く効く気がしたわ」  かおまる  
プリンペランはドパミンD2遮断作用以外に、セロトニン5HT4の刺激作用を持ち
さらに、吐き気を起こすセロトニン5HT3の遮断作用迄も併せ持つので、強力です
ナウゼリンは中枢での錐体外路症状は心配ないのですが、不整脈に注意が必要です

「そういえば十年以上前に、不整脈のせいで消えた胃薬があったわ」  かおまる  
それは、アセナリンという消化機能改善薬で、セロトニン神経に作用してAChを
増やすお薬
でしたが、QT延長などの重篤な不整脈が問題となり、特にアレルギー薬の
トリルダンと併用した時に危険でしたので、現在は両方とも製造中止になっています

「アセナリンは良く効いたので、製造中止になってガッカリしたわ  うへー  
代わりにガスモチンというお薬が出たけど、どうもキレが弱くて頼りなかったし」

ガスモチンセロトニン5HT4作動薬ですが、アセナリンの後継薬としては弱いと
感じる医師も多かったので、アセナリンに勝るとも劣らない新薬が開発されました

「先生にもその新薬の話聞いたわ、アコファイドと言うんですってね」  かおまる
アコファイドは、AChの分解酵素アセチルコリンエステラーゼ(AChE)を阻害
してAChの量を増やす、AChE阻害薬と呼ばれる新しいタイプのFD改善薬です
心窩部痛症候群には適応がありませんが、食後愁訴症候群にはよく効くそうですよ

「アセナリン並みに効くのなら、一度のんでみる価値があるかしら」  かおまる  
因みに、癌の再発が心配とおっしゃいましたが、癌が血液中を転移する時に、血小板が
重要な役割を果たし
ているので、バイアスピリンには癌再発抑制効果があるそうですよ

「脳梗塞の予防でのんでるバイアスピリンに、癌転移予防効果までも望めるの?」  驚き1
バイアスピリンによる癌転移抑制効果は、腺癌でのみの話ですが、権威ある医学誌に発表
されましたし、セレコックスにも大腸癌抑制作用があるらしいですよ

「胃弱の私には天敵みたいな鎮痛剤が、逆に、救世主になるなんて!」  えへ5




(注1) ウィキペディアによると、セロトニン受容体とプロスタグランジンの
     数は現在知られているもので、どちらも11種類あるようです

(注2) とあるHPによると、低濃度のシサプリド
     (5HT)1受容体のブロックによりアセチルコリン遊離を増加させ
     中濃度になると(5HT)3受容体をブロックするが
     同時に(5HT)4受容体を刺激する事によりアセチルコリン遊離を増加させ
     高濃度では(5HT)4受容体の刺激によりアセチルコリン遊離を増加させる
     ・・・とありました (ふぅ~)

(注3) プリンペランのドパミンD2遮断作用 → ナウゼリン(中枢移行無し)
     プリンペランのセロトニン5HT4刺激作用 → ガスモチン
     プリンペランのセロトニン5HT3遮断作用 → カイトリル、シンセロン

(注4) アセナリン(リサモール)が製造中止になったのは2002年の事
     トリルダン(テルフェナジン)が製造中止になったのは2001年で
     後継品のアレグラが発売された後です
     アレグラには既にジェネリックも出ていますね

(注5) セレコックスによる癌抑制効果は、癌細胞でCOX-2が高度に発現されて
     いるからと言われ、特に、癌化リスクの高い大腸ポリープを切除した後
     セレコキシブをのむと効果が大きいようですが、心筋梗塞のリスクがあるので
     癌再発予防に推奨される迄は至っていないようです






娘がデジタル一眼レフとマクロレンズを買いましたら
急に写真が上手くなりました
『弘法、筆を選ぶ』 という時代なんですね・・・

 ガンレフノン1 ガンレフノン3


 ガンレフノン4 ガンレフノン5


          ガンレフオマケ

キャラメルについてたオモチャですら ↑ こんな感じで撮れます
 


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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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