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グルカゴン・ルネッサンス

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~



糖尿病で通院中の 久留 華含(くるかごん)さんは、小学校の先生です

「初めての事なんですが、今年の受け持ちクラスにⅠ型糖尿病の子がいるんですよ  スマイル
市形君という子で、今迄は給食前に保健室まで注射を打ちに行っていたようです」

それだと教室に戻って来る迄に低血糖になってしまう恐れがありますね

「だから私も一念発起して、今学期から二人で一緒に教室で打つことにしました」  かおまる 
久留さんはⅡ型ですけど、食前にインスリン注射していらっしゃいますものね
公然と注射した方が、他の生徒さんにもⅠ型糖尿病の理解が深まって良いと思います

「私は低血糖の対処法も知ってますので、市形君のご両親にも心強いと喜ばれました」  かおまる 
Ⅰ型でも劇症タイプですと、血糖を上げるグルカゴンというホルモンを分泌する
α細胞も破壊されている場合があり、低血糖からの立ち直りが遅れがちになります

「市形君は劇症型ではなく、健康調査票には自己免疫型と書いてありました」  かおまる  
自己免疫型は、自分の免疫が膵臓のβ細胞を破壊して、インスリンを分泌出来なくして
しまうのですが、劇症型と違い進行がゆっくりでα細胞は障害を受けないようです

「幸い、私も市形君も、低血糖はほとんど起こさないですよ  スマイル2     
低血糖が長引くと命に関わるので、血糖を下げるホルモンはインスリンだけなのに
上げるホルモンはグルカゴン以外にも沢山、4、5種類もありますからね」

血糖上昇ホルモンは、グルカゴンの他に、副腎からのアドレナリン、甲状腺からの
甲状腺ホルモン、脳内からの成長ホルモン、副腎皮質からの糖質コルチコイドがあります

「血糖を下げない為の安全装置が何箇所にもわたって張り巡らされてるのよね」  汗1
久留さんは、DPPⅣ阻害剤トラゼンタインスリンと併用するようになってからは
HbA1が7%から6%に落ち着いて来たので、インスリンの単位が減ってきましたね

「せっかく市形君と一緒に注射を打つ事に決めた矢先に、皮肉な話なんですが  汗5 
実は先生に、今日から、思い切ってのみ薬に切り替えてみよう、と言われました」

今日の処方箋にインスリンが記載されていないのは、てっきりご自宅にインスリンが
残っているからだ
と思いましたが、今回からインスリンは完全中止になったんですね!
確かに、DPPⅣ阻害剤によってインスリンを離脱出来る人は結構あるようです

「先生も、HbA1cが7.4%以下に保たれていて、インスリンの自己分泌能力も基準以上  かおまる   
残っていて、必要単位が1日20単位以下で済んでいる人なら可能性があると言われました」

今回は、今迄のトラゼンタ以外に、インスリン分泌を促すアマリール1mgというお薬が
一日二回と、セイブルという炭水化物の消化を遅らせるお薬が毎食前に出ています

「インスリンを無くす代わりに、自前のインスリンに少し頑張って貰い、食後高血糖も抑えて  かおまる  
対処するそうで、当分は血糖測定を続けますので、この薬局でセンサーを買って行きます」

成程、のみ薬になったらもう、血糖測定チップは保険が効きませんものね
これからは、センサーや穿刺針は、自費で購入して頂かなくてはなりませんね

「市形君には申し訳ないけど、血糖測定だけは今後も一緒にするので勘弁して貰うわ  かおまる   
その後は食事に備えて、市形君は注射をし、私はのみ薬をのむという事になるけど・・・」

因みに、Ⅰ型糖尿病の人がアマリールをのむと血糖は上がるそうですよ

「血糖を下げるお薬で、逆に血糖が上がるなんて事があるんですか?」  驚き1  
アマリールは膵臓のβ細胞に働きかけて、インスリン分泌を促すお薬ですが
Ⅰ型の人は、インスリン分泌能力が残っていませんので、その作用が現れません

「Ⅰ型の人がアマリールのんでも効かないのは分かりますが、高血糖になるって?」  驚き1
健康な人が、食事して血糖が上がると、当然、グルカゴンの分泌は減りますが
実は、ブドウ糖はα細胞を刺激して、グルカゴン分泌を促すのです
但し、β細胞も刺激してインスリンも分泌させるので、そのインスリンがα細胞の
グルカゴン分泌を抑えて、トータルとしてグルカゴンの分泌は減るのです

「Ⅱ型糖尿病の人は、そのグルカゴンを抑える力が弱いと聞いたことがあります」  かおまる  
そうなんです、Ⅱ型糖尿病の人が食後高血糖になる原因は、食事中のブドウ糖の
せいもありますが、グルカゴンの暴走を制御出来ないせいも大きいのです

「それと、市形君がアマリールで高血糖になるのと、関係あるんですか?」  かおまる  
アマリールなどのSU剤と呼ばれる糖尿病薬は、ブドウ糖と同じ様に作用するのです
つまり、β細胞が破壊されているⅠ型の人は、α細胞刺激作用だけが現れるのです

「市形君のα細胞が元気な事が逆に、災いするってことね」  かおまる
Ⅰ型の人にはSU剤の保険適用が無いので、のむ事はありませんけどね~
α細胞が元気にグルカゴンを分泌してくれるのは、低血糖からの立ち直りには有利
ですが、糖尿病特有の食後でもないのに血糖が上がってしまう原因にもなるのです

「確かに、食べてもいないのに高血糖になる時があって、謎だと思ってましたわ~」  かおまる
最近解ってきた事なのですが、久留さんののんでいらっしゃるトラゼンタのような
DPPⅣ阻害剤により寿命が伸びる、インクレチンというホルモンは
インスリン分泌を促す以外に、グルカゴンを抑える作用もあり、後者の作用の方が
むしろ、血糖を下げるのに寄与しているのではないかと
言われています

「グルカゴンを抑えるって事は、もしかして市形君にも効くってこと?」  かおまる
Ⅰ型でもα細胞の残存している方ならば、DPPⅣ阻害剤も、ビクトーザやバイエッタ
の様なインクレチンアナログも、効果があると報告されています
但し、保険適用はありませんし、又、インスリンと併用する事が絶対条件です

「以前、Ⅰ型と知らずに、インスリンを止めて、ビクトーザに切り替えた人は  かおまる  
ケトアシドーシスを起こしてしまったけど、インスリンと併用すれば良かったのね」

Ⅰ型の人が、血糖が上がり過ぎてケトアシドーシスを起こしてしまうのも
インスリン不足だけでなく、グルカゴンの制御不能による要素も大きいそうです

「本当に、糖尿病の人にとって、グルカゴンを抑える事が大切なのね  えへ5  
考えてみれば、糖尿病は血糖が上がる病気なのに、何故今迄、血糖を下げるインスリン
にばかり目がいって、グルカゴンの事を気に掛けて来なかったのかが不思議な位だわ」

これもⅠ型の人の話になりますが、1921年に世界で初めてインスリンが精製されて
瀕死状態だったⅠ型患者さんが、奇跡的に回復したという医学史上の大成功があったので
『糖尿病=インスリンもしくはその作用が不足する病気』という概念が根強く染み付いて
しまったんでしょうね・・・最近は、グルカゴンに着眼した治療法が脚光を浴びてきて
専門医の間では『グルカゴン・ルネッサンス』と呼ばれているようです




(注1) 今回は、河盛隆造先生の提唱される『グルカゴン・ルネッサンス』を題にしました

河盛先生によれば、門脈内のインスリン/グルカゴン/ブドウ糖の濃度比率
を是正することが、糖尿病治療にとって重要な事だそうです

健常者と糖尿病患者のいずれにおいても、高蛋白食では、アミノ酸がグルカゴン分泌を
直接刺激
するので、血漿グルカゴン濃度は上昇するそうです

糖尿病患者では、グルカゴン産生α細胞の過形成が見られ
これも高インスリン血症の原因となり、悪循環をもたらしているそうです


(注2) インスリンの自己分泌を調べる時、HOMA‐βの測定には
一時的にインスリン注射を中断しないと測れないそうです


(注3)血糖値が90mg/dl以下では、血糖が上がると直接作用でグルカゴン分泌が
抑制
されるようですが、90mg/dl以上だと、ブドウ糖はグルカゴンを増加させ
同時に活性化されるβ細胞の間接的刺激によって、総量としてグルカゴン分泌を
減少させるというパラクライン機構が働いているそうです


(注4)ブドウ糖やSU剤が、間接的刺激によりグルカゴン分泌を抑える作用機序には
β細胞以外にもδ細胞に作用して、インスリン以外にも、ソマトスタチンやGABAや
亜鉛イオンなどのグルカゴン分泌抑制因子
を分泌して抑制するそうです


(注5)MRさんによると、メトフォルミンの作用機序にも、グルカゴンの分泌抑制も
あるようで、作用機序が判明するのに百年以上かかったと言ってました






新緑の京都に行ってきました
まずは、様変わりした東京駅ですっかりお上りさんして

 東京駅1  東京駅2  
 
京都、堀川通りあたりの新緑

 堀川通り5月

京都では、元お公家さんのおうちを改装した料理店に行き
ひさご弁当というお重に入った京懐石料理を頂いたところ
最後に、お抹茶が出てきました

このお抹茶の美味しさに感激~
最近、抹茶ラテとか流行っていますが、そのルーツはやはりコレですね

        京四季1  京四季2
 京四季3  京四季4
 
その後カフェにも寄り、これまた美味しいコーヒーと共にスイーツを頂きました
このコーヒーは家では真似できないと思いました
(コーヒーの画像撮り忘れました)

抹茶ではなく、京番茶ロールケーキというのがあって珍しいと思いました

京都のカフェ1  京都のカフェ2





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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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エコライフ

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