うつを治せば糖尿病も治る

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~




西院 波留太(さいいん はるた)さんは糖尿病治療中に、うつ病も併発している事がわかり
糖尿病薬のグラクティブとうつ病薬のサインバルタをのんでいらっしゃいます

「僕が半月でギブアップしたパキシルと言う薬に、ゆっくり効く錠剤が出たそうだね・・・」  うへー
西院さんは吐き気のせいでパキシル服薬を断念せざるを得なかったんでしたね
今度発売されたパキシルCR錠は、胃で溶けずに、十二指腸や小腸に行ってから徐々に溶けるよう
工夫された製剤で、急激に血中濃度が上がらないので副作用が出にくいと言われています

「そんなに良いやり方があるんなら、最初からCR錠にしといてくれりゃ良かったんだ・・・  かおまる
せっかく、売上No1の薬がいいと先生に頼んだのに・・・もっとも世界のSSRI市場では
レクサプロがトップシェアを誇ってるようだから、そのうち追い越されるかも知れないけど・・・」

ご自身がうつ病とは言え、随分お薬にお詳しいですね

「今グラクソの株を売って、持田製薬に乗り換えようか迷って、色々調べてるんだ・・・」  かおまる
選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)と呼ばれるパキシルやレクサプロ
両方共、セロトニンという脳内の伝達物質を増やすことでうつ病を治すお薬です

「昔結核の薬で幸福な気分になる人がいて、それがセロトニンを増やす薬だったんだってね・・・」  スマイル
正確には、その結核薬イプロニアジドモノアミン酸化酵素(MAO)を阻害するので、モノアミン
全般的に増え、セロトニン以外にも、ノルアドレナリンやドーパミンも増やすんですけどね
それで、脳内のモノアミンという伝達物質が不足することでうつ病になるのではないかという
『アミン仮説』が提唱されましたが、MAO阻害薬はうつ病に効くけど血圧が上がってしまう

「初期のうつ病治療薬は、チーズを食べると脳で出血して危なかったと聞いた事がある・・・」  汗5
チーズにも大量に含まれるアミンの一種のチラミンは、血圧を上げる作用があるので
肝臓や腸のMAOによって分解されて、増え過ぎない様に調節されているのですが
MAO阻害薬を使うと、このチラミンが過剰になり、下手すると命に別条がある訳です

「うつ病が治っても命が危ないんじゃ元も子もないものな・・・」  冷汗4  
そこで、登場したのがスイスのガイギー社が出した三環系抗うつ薬と呼ばれるイミプラミン
(トフラニール)
で、MAO阻害作用はなく、シナプス間に一旦放出された神経伝達物質
神経細胞に戻って再び取り込まれる過程を阻害する事で、シナプス間隙にアミンを増やすのです

「ガイギー社は今のノバルティスだね、実はそこの株も買いだなと狙ってるんだ・・・」   かおまる
その後、三環系の副作用を改善した四環系抗うつ薬も開発されますが、それでもまだ
口渇、便秘、眠気、立ちくらみなどの副作用が多かった為、現在は、目的とするアミンだけに
的を絞って増やす
前述のSSRIや、サインバルタのようなノルアドレナリンも増やす、選択的
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
等、が主流になって来ています

「でも、うつ病薬をのみ始めると、うつ病が治るより先に副作用が出るから嫌なんだ・・・  かおまる
今度のサインバルタも、吐き気は何とか我慢出来るが、オシッコ出すのに時間がかかる
痛み止めとか、化膿止めとか、花粉症の薬とかだと、アッという間に楽になるのに・・・」

セロトニンが増えたらすぐにうつ病が治るというような、短絡的な話では無いようですよ
精神的ストレスがかかると、視床下部・下垂体・副腎皮質(HPA)系が活性化されるのですが
それが暴走し過ぎない様に、副腎皮質からコルチゾールが分泌されて、HPA系を鎮めています
うつ病だとこのストレスをなだめる緩和機構が障害されて機能しなくなっていて、セロトニンが
その傷ついた機能を徐々に治して行くんですが、鎮痛薬のように手っ取り早くは効かないようです

「ま、良いけどね、サインバルタをのみ始めて三カ月たってやっとこのごろ効いてきたから」  えへ4
最近、糖尿病も調子良いですね~ずっと7%代だったHbA1cが6%代に落ちついてきて

「うつ病が治ると糖尿病も治るというのは良くある話だそうだよ・・・」  かおまる 
HPA系が活性化するとコルチゾールの分泌が増えて血糖も上がりますし、逆に糖尿病治療が
精神的負担になって
うつ病を発症する場合もあり、又、うつ病の身体的症状の一つとして
糖尿病が現れている事もあります
ので、精神と体は微妙に密接な関係があるようですね

「精神科医が話してくれたけど、うつ症状とHbA1cが同期するような人もいるそうだよ  かおまる 
そんな人は、糖尿病が悪化したらむしろ精神科に相談する方が早いらしい・・・」

私も、糖尿病があと少しで治りきらなかった人に、うつ病の薬を出したら完治したという話を
読んだことありますが、さらにラッキーなのは、サインバルタは糖尿病性神経障害にも効くんです

「それは有り難い  えへ5  僕にはキネダックが効かなくて、頭にきて小野薬品株を売ってしまった事が
ある位だからね、やはりイーライリリー株を買うべきかな? でもレクサプロもそろそろ発売一年で
一カ月処方して貰えるようになると捨て難いんだよね、吐き気が少ないらしいから」

うつ病の薬の有効性と副作用を縦軸と横軸に表した『MANGAスタディ』によると、レクサプロ
有効性では2番、副作用の出にくさでは1番だそうで、脳内移行性が高く、アロステリック部位という
別の所にも結合する為セロトニンに対する親和性が強く
、有効性と受容性を兼ね備えた抗うつ薬です

「流石にそんな専門的分野の話は四季報にも載って無かったな、1番とか言われるとのみたくなるね」
でも、サインバルタは太り易いうつ病薬の中では過食や肥満が少ないので、その点でも糖尿病
と相性が良い
ですし、実はセロトニンとノルアドレナリン以外にもドーパミンも増やすそうです
ドーパミン過剰だと精神分裂病になりますが、若干増える分には楽しい気分になるので良いようです

「僕はネットで株価を見てる時は全くうつ症状出ないので、今はやりの『非定型うつ病』じゃ   かおまる
ないかと言われてんだけど、先生も隠し味程度のドーパミンがちょうど合うかも知れないと言ってた」

『非定型うつ病』にはドーパミンの関与が大きいと言われていますのでね
優良製薬会社の株を買いたくなるお気持ちは分りますが、儲けの少ないお薬でも、社会的貢献度が
高いものは採算度外視して供給してくれている製薬会社
も応援して頂けると有り難いですね



(リーマスの歴史)
1949年、オーストラリアの精神科医ケイドリチウムが躁病に聞く事を発表
しかし、無名の医師で、雑誌も知名度が低かった為、脚光は浴びなかった

1954年、デンマークの精神科医がケイドの説を肯定しリチウム療法を提唱
これによりヨーロッパにこの療法が広まるが、
アメリカの製薬会社は単なるリチウムでは特許も取れず
金にならないということで中々リチウム療法が広まらず、
1960年代半ばまでリチウム薬は本格的に販売されなかったようです

ちなみにリチウムの作用機序に関して現在もまだ解明されていないそうです




(注) MANGAスタディは、急性期の大うつ病性障害患者における新規抗うつ薬の治療効果を
    比較検討した117のRCTを基に、12剤の有効性および受容性を順位づけしたメタ解析です

    アメリカにはドパミン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(DNRI)
    ブプロピオンというお薬もあるそうです

    現在はHPA系に直接作用してうつ病を治す薬を開発中だそうです

    今回はレセルピンの薬理作用も勉強し直して懐かしかった~
    又、ステロイドと精神病の関係も解った気がしました

    アメリカではパキシルも糖尿病性神経障害に適応有るそうです
 
    うつ病に、パーキンソン病薬を投与すると効果があったという文献もありました

    今回は色々なサイトより少しづつ引用したので、参考サイトは特に書きませんでした







長女が独立して家を離れ、その寂しさを紛らわす為と
新品の洋服を「捨てといて」と置いてったのが勿体なかった為
最近ネットオークションでの売り買いを始めました

上手に探せば良い物が安く手に入るので、楽しい~

しかも、消費税が10%になるなんて許せないと憤慨している方におススメな点は
ヤフオクで買えば、ノン消費税、しかもエコ(但しストアは除く)
これって政府も死角なのでは?

いっその事、物々交換の時代に戻れば、消費税論議なんて意味をなさないかもですね



  千葉美術館1  千葉美術館2
  ハンバーグレストラン1  ハンバーグレストラン2
  ハンバーグレストラン3  ハンバーグレストラン4

連休の頃の話になりますが、ボストン美術館展に行って曽我蕭白にはまり、
次女と千葉美術館にまで足をのばしました

美術館なのに何故食べ物の写真なのかは我ながら不明(汗)だけど、
近隣にとても美味しいハンバーガーレストランがありました

長女が初任給で買ってくれた(感涙)デジカメで撮りました




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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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