スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

多勢に無勢で決まったデファクトスタンダード

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~




糖尿病で通院中の 日米 太公(にちべい たいこう)さんは、毎月、糖尿病専門医院で
血糖の一か月の推移を診るHbA1cを測っては、その値に一喜一憂していらっしゃいます

「甘いものも我慢して随分頑張ったつもりだったのに、今月また0.2%上がっちゃったよ~  かおまる
努力が報われないと落ち込むよなぁ、それにしても他の人はどの位の数字なのか気になるなぁ」

そりゃ、正常値と言われる4%代の人から、悪くすると、医院にある測定器で測れる最高限度
の13%を振り切って
『測定不能』の表示が出る人まで、人それぞれ千差万別ですよ

「二桁代の人までいるのか! すごいね、僕なんか7%になっちゃうとドキドキするよ」  かおまる
日米さんみたいに、大体6%代が続いている人たまに7%代になる分には心配ないですよ
学生さんがたまに50点とっても、平均して80点なら優秀じゃないですか、それと同じですよ

「でもさー、今月から世界標準に合わせて、0.4%もアップするっていうじゃない?  ブー1
僕は0.1%でも低くしたいと必死なのに、突然0.4%も嵩上げされちゃうなんて理不尽だよ」

HbA1cの測定法には、日本式のJDS値と、南北アメリカやヨーロッパ、オーストラリア
アジアで採用されているNGSP値とがあり、JDSはNGSPより0.4%低いのです

「多勢に無勢って事なんだ、βがVHSに負けたように、マックがウィンドウズに負けたように  かおまる 
でも、あっちに合せるって事は、外国の測定法の方が優れてるからだろうけどさ・・・」

本当に正確なHbA1cは、国際臨床化学連合(IFCC)が開発した基準測定法による
IFCC値ですが、JDSの方がNGSPよりもむしろ、IFCC値には近いんですよ

「えっ? じゃ、正確に測れる日本の方が、下手くそな測り方の外国方式に合せるって事?」  かおまる
本来、どこで測ろうと一つの検体の値は同じになるべきなのですが、HbA1cに関しては
ヘモグロビンと糖がまだ完全にくっ付いていない不安定な夾雑物も測ってしまう場合があり
特に初期の頃の測定器だと、本来のHbA1cよりも高めに表示される傾向があるのです

「医者も、機械が古いと関係ない物まで間違って測っちゃうから高く出ると言ってたな」  かおまる
そこでわが国では、HbA1cの標準物質を全国の主要医療機関に配布して、それを測って
測定器を調節して貰うことで、HbA1cの測定器格差を無くす標準化が進められてきました
1993年に第一回目の標準物質が配布され、その後四回にわたって標準物質の改良を重ねながら
20年以上かけて
再現性の高い測定精度に仕上げてきたものが、現在の日本のJDS値なのです

「流石、米に字を書く国民性だけあって繊細だね  えへ4  外国人なんて見るからに不器用そうだもん」
NGSPも同様に標準化されてきたんですよ、ただ日本より早く1980年代に開始された為
歴史が古い分、初期の頃の不正確な測り方に足並みを揃えざるを得なかっただけなのです

「古くて稚拙なやり方に足並み揃えるとは、どういう意味なんだ?」  驚き1
それは、多くの糖尿病患者さんを対象として、HbA1cがどの程度なら合併症を起こさない
で済むかを調べた研究
が、NGSPの古い時期の測定法を規準としているので仕方ないんですよ

「確かに、どの程度のHbA1cなら合併症を起こさないかは凄く知りたい事だよね」  スマイル 
かの有名な、アメリカでⅠ型糖尿病患者さんを対象にした大規模臨床研究のDCCTでは
食事の度にインスリン注射しても、HbA1cをせいぜい7.2%にするのが精一杯でした

「そうそう、それを聞いて、アメリカ人はやっぱり大雑把なんだと思ったっけ・・・」  かおまる
でも、NGSPとJDSが0.4%違う事を考慮すればそれは6.8%だった訳ですよ

「そうか~Ⅰ型の人の平均HbA1cが6.8%なら、まずまずのコントロールだよな」  かおまる
他にこれ又有名な、イギリスでⅡ型糖尿病患者さんを対象として行われたUKPDSでは
HbA1c7%以下で合併症を防げるとされましたが、これもJDS基準では6.6%となり
日本の熊本スタディで合併症を起こさない規準とされた6.5%という数字とほぼ合致します

「そうすると今迄、外国人はBMIが高く腹周りも太く大食漢だから、自己管理能力にたけた  かおまる
日本人のようにHbA1cを下げられないんだ、と思ってたのはとても失礼な勘違いだったんだ」

その通りなんです、しかも外国の大規模臨床研究の方が圧倒的に数が多いですし、症例数も
DCCTで1441人、UKPDSで4209人に対して、熊本スタディは110人ですからね

「やっぱり、あっちは金の掛け方が違うんだな、宇宙開発だって日本はアメリカに負けてるもん」  汗
そこで、測定精度が悪い方に揃えられるのは不本意ですが、豊富にある海外の研究データを
そのまま利用する為
には、日本でもHbA1cの表記をNGSP方式にする必要が出てきたのです

「医者も、何も気にする事ないよ、今迄通りでただ目盛りがずれるだけだから、と言ってた」  スマイル2
従来のJDS表記では、HbA1c6.1%以上が糖尿病型5.8%未満が血糖コントロール優
でしたが、NGSPではそれぞれ、6.5%以上で糖尿病型6.2%未満が優となるだけなのです
但し、HbA1cの表記がNGSP方式に変わるのは、医療機関では今年4月からですが
特定健診では来年の4月からとなり、移行時期に一年のズレが生じますのでご注意下さい

「つまり、同時期にHbA1cを測っても、医者のより健診の方が0.4%低く書かれるんだね
了解した~長いものには巻かれろで、アメリカ方式に変わるのは悔しいけど、ダルビッシュが
アメリカ人バッターを抑えてるのを見るとチョット溜飲が下がるから、まぁ良いか~」
  えへ5 
ダルビッシュもハーフですけどね・・・


(注1) DCCTは1983年から10年間行われ
     UKPDSは1977年から登録開始で1997年まで追跡され
     熊本スタディは1987年登録開始で6年間追跡されました

     我が国は糖尿病の指標としてHbA1cを採用したのが海外より遅かった分
     導入当初から精度の高い機器だったと言われています

(注2) IFCC値は mmol/molで表され、NGSP値やJDS値との関係は以下の式で表されます
     IFCC値はJDS法と比べると約1.5ポイント低い値を示し
     NGSP法と比べる約1.9ポイント低い値を示すそうです 

     NGSP値[%] = 0.0915 × IFCC値[mmol/mol] + 2.15
    
     JDS値(%) = 0.0963 × IFCC値(mmol/mol) + 1.62  

(注3)  スウェーデンだけは独自の測定系Mono-S値を使っているそうです





シンガポールで感じた事

シンガポールは多民族国家で、中国系75%、マレー系13%、インド系8%で構成され、
その他にも、全人口の1割以上を占める外国人が41万人で、歩いているとまさに人種のるつぼでした

中でもインド系の人でたまにこれでも同じ人間なのかと思うほど、顔のちっちゃい方がありました
そういう方は手足も細くて、小顔の分八頭身に近いのです

こんなに体型が違っていても、同じHbA1cで比べて良いのかと
素朴な疑問が湧きあがってきましたが
犬だって、セントバーナードもチワワもいるんだから良いんだよ
と自分をムリヤリ納得させたのでした


シンガポールで行った蘭園です  香りもよく、美しく、天国にいる気分でした 

 蘭4  蘭5

 蘭9  蘭27

 蘭31  蘭28

 蘭12  蘭23

 蘭15  蘭6



福助 このブログが面白かったらクリックお願いします  →  人気ブログランキングバナー 



薬剤師ブログタイムズ ブログランキング参加中!

by 薬剤師ブログタイムズ
スポンサーサイト
プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

カテゴリ
エコライフ

powered by ブログパーツファクトリー
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。