武士は食わねど高楊枝  トカゲは食わねば消化器冬眠

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~

アマリールというのみ薬とインスリン注射で糖尿病治療をして来られた 市井 ピイ或子さん 
今回から、インスリンに変わりバイエッタというGLP‐1アナログの注射が出ています

「NHKの『ためしてガッテン』見てからずっと使いたかったけど、やっと念願叶ったわ  えへ5
インスリンと違って、バイエッタは新しいペンをおろした時一回カラ打ちすれば済むのよ」

最初の一カ月は5μずつ一日二回注射するので、300μのペン1本で一カ月もちますが
発売後一周年の今年12月迄は新薬扱いとなりますので、二週間毎に受診なさって下さい

「新薬って大変、バイエッタと同じGLP‐1アナログのビクトーザで亡くなった人がいたので  冷汗4
インスリンからGLP‐1アナログに変える時は、CPRを測らないといけなくなったんだって」

CPRは、自分の膵臓がどれだけインスリンを出せるか調べる内因性インスリン分泌能検査です
GLP‐1はインスリンの分泌を促す作用のあるインクレチンホルモンの一種ですので
自前のインスリンを全く作れない人がGLP‐1受容体を刺激するアナログを打っても効果がなく
ビクトーザに変えて死亡した方は、急激な高血糖によるケトアシドーシスを起こしていたようです

「弾丸を込めてない空のピストルを撃つのと一緒ね~ところでCPRってインスリンの何?」  かおまる  
インスリンの素のプロインスリンが分解されてインスリンが出来る時に出る不要なゴミです
インスリンをキャンデーに例えるなら、CPRはキャンデーを包んであった紙です

「包み紙を見れば食べたキャンデーの数がわかる訳ね~直接インスリンを測ったらダメなの?」  かおまる
インスリン注射している人ですと、注射による外因性のインスリンも含まれてしまいます

「そりゃそうだわ~でも、尿をとってCPRを測ったんだけど、血液中のでなくて良いの?」  かおまる  
CPRは免疫学的測定法なので、血液検査だとプロインスリンも一緒に測ってしまうそうです
プロインスリンは尿中には出て来ず、CPRの尿中排泄量は血液中分泌量を反映するので
正確なインスリン自己分泌能を知るには、尿中CPRの方が向いているそうです

「幸い私は尿中CPRが正常範囲だったので、晴れてバイエッタを打てる事になったの」  スマイル2  
ビクトーザで事故があった人のCPRは正常値の1/10~1/100だったそうですからね

「でも、それってⅠ型糖尿病の人じゃない? 先生は私がⅡ型だって知ってるはずなのに」  驚き1
『緩徐進行Ⅰ型』と言う、進行がゆっくり過ぎて発病時はⅡ型と間違われてしまうⅠ型があり
その場合は、初期は食事や運動や内服薬で治療可能なインスリン非依存状態でも、数年間で
インスリン分泌能が徐々に低下して行き、最終的にはインスリン依存状態になってしまいます

「それじゃ、私みたいにⅡ型が悪化した結果インスリンを打ってる人と紛らわしいじゃない」  ブー1
緩徐進行Ⅰ型は、急性Ⅰ型だと一過性にしか上がらないGAD抗体が持続的に陽性を示します

「先生が念の為にGAD抗体も測っておこうと言ってたのは、それを確かめたかったのね」   かおまる  
Ⅱ型であっても、長年に亘る糖毒性の為にインスリンが枯渇してしまっている場合もございます

「インスリン分泌能は、糖尿病と診断された時点でもう正常の半分に減ってるって言うからね」  かおまる  
分泌量がゼロに近い方が一日に必要とする量は、体重×0.5~0.7単位と言われますが
100単位を越えるような場合は肥満等によりインスリン抵抗性になっている事が疑われます

「私は一日12単位だったから枯渇とか抵抗性は無いと思うけど、何よりインスリンは太るから  うへー
嫌なのよ、バイエッタは副作用の吐き気が心配だけど、そのせいかどうか、痩せるって聞いたわ」

消化を遅らせ食欲を抑えて体重を減らすので、痩せ薬としての実用化も検討されているようです
腸の内分泌細胞から分泌されるインクレチンホルモンは、インスリン分泌を促し、体重を減らす以外に
膵臓のβ細胞を蘇らせ、心臓組織を守り、しかも低血糖は起こさない、と良いことずくめなのです

「食べ物を吸収した時だけ消化器から出るってことは、低血糖にはならないでしょうね」  えへ4  
元来、インクレチンホルモンは、ブドウ糖を経口摂取した方が、同量のブドウ糖を静脈に
注射
した時よりも、インスリン分泌量が3倍以上にも増えることから発見されました
但し、インクレチンそのものを注射してもすぐに分解されてしまうので、分解酵素の影響を
受けにくいインクレチンのそっくりさん(アナログ)のバイエッタが医薬品になりました

「バイエッタはアメリカの毒トカゲの唾液から見つかったホルモンだってね」  かおまる  
バイエッタは、ヒーラモンスターという体長60センチ程の毒トカゲの唾液成分を人工的に合成
した薬で、ヒトGLP‐1とアミノ酸配列が似ていますのでインクレチン受容体にくっつきます
このトカゲは、砂漠の過酷な自然環境にいる為、年に四回位しか獲物にありつけ無いそうです
そこで、何も食べない時は消化器の働きを止めておいて、獲物をつかまえた時に出す唾液に
膵臓などを生き返らせる作用を持たせているそうです

「三カ月に一度しか食べられないの? 私もそのトカゲを見習ったら痩せるんでしょうけどね」  かおまる
今回バイエッタに変わりましたので、その効果で痩せられるかも知れませんよ



(注) 尿中CPRでも腎機能低下で実際より高値に出る場合があり
    一番正確なインスリン自己分泌能検はグルカゴン負荷試験だそうです
    が、面倒な検査なので、大きな病院の入院患者さんでしか行われないようです
    病院でCPR検査をしても、レセプト審査でカットされてしまう地域もあるそうです
    ビクトーザのブルーレター以降は、カットされなくなっていると、良いですね

    GAD抗体膵β細胞に対する自己抗体ですが
    急性のⅠ型糖尿病ではβ細胞を攻撃し終わると段々消失していくのに対し
    緩徐進行Ⅰ型糖尿病(SPIDDM)の場合は持続的に陽性を示すそうです

    ヒトGLP‐1と比べ、ビクトーザはアミノ酸配列の相同性が97%、バイエッタは53%です
    一日一回投与のビクトーザに対し、バイエッタは一日二回投与ですが
    バイエッタの臨床使用に詳しいMatthew医師によると毎食前でも良いという感触だそうです
    消化器症状の発現予防の為、食前一時間以内に投与するそうです
    一方で、週一回投与で済む製剤も開発中だそうです

(参考)糖尿病NETなどのHP





患者さんから頂き物のうどんで今回は肉うどんにしてみました
肉うどん

ナスのカレー  韓国冷麺  生春巻き

このところちょっと涼しいですが、暑いと献立を考えるのも悩んでしまいます
焼きナスのカレーと韓国冷麺(ダシをまだ入れてない)と生春巻き






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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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