命の連絡帳 お薬手帳

「がっかりだわ~検診で便潜血が出て、今度精密検査することになったの私」  泣き1  
とおっしゃる 木六奥須理さん(架空の人)は、以前お薬手帳をお勧めした時
いらないとおっしゃいましたが、ご主人用のお薬手帳はすぐに作られました

「だってね~主人は脳梗塞を起こしてから、お薬沢山のんでますから」  かおまる 
脳梗塞は再発率が高いので、二度と起こさないように二次予防する事が大切です
再発予防には、血液をサラサラにして固まりにくくするお薬などがよく使われます
ご主人は血液の凝固を防ぐワーファリンというお薬と、血小板同志をくっつきにくく
するバイアスピリンとパナルジン
というお薬ものんでいらっしゃいますね

「私は主人みたいな大病したんじゃないから、お薬手帳はいらないと思ったけど
やっぱり、私にもお薬手帳作って頂けるかしら? 今からでも大丈夫?」

いいですよ、現在のんでいらっしゃるお薬を手帳に記録しますので少々お待ち下さい

「大腸バリウムか内視鏡かどちらか選ぶよう言われたんだけど、万一ポリープがあっても
内視鏡なら見つけたその場ですぐチョン切ってあげられるよ、と言われて内視鏡にしたの」
  スマイル2  
ポリープにはキノコ型と平坦型とあり、後者の方が癌化し易くたちが悪いとの説もあります
内視鏡の方がバリウムより、平坦なものでも見逃さないですし、その場で切除も可能です

キノコ型ポリープは、スネアという投げ輪を根元にひっかけて電気で焼き切って切除し
平坦なものでも、腫瘍の下に液体を注入して膨らませてから、スネアで切除出来ます

「でも先生が、お薬手帳を確認しない事には、恐くてポリープを切れないって言い出して」  かおまる
内視鏡でポリープを切除すると、数パーセントの割合で出血する危険性がありますが
血液の流れを良くするお薬をのんでいらっしゃると、出血した際長引きます

「主人が去年、前立腺肥大の手術した時大変だったから、よ~く解ってるわ  汗  
手術中血が止まらなくなったら困るので、ワーファリンとバイアスピリンとパナルジンは
手術前から休み、すると今度は、脳梗塞が再発するかもしれないので、代わりに
血液をサラサラにするお注射を打ちながら、何とか手術を無事乗り切ったのよね」

それはおそらくヘパリンという注射剤ですね、脳梗塞の危険性が高い高リスクの人が
前立腺肥大などの出血リスクの高い手術をする時は、ヘパリン置換を行うそうです

「私は血流を良くするお薬こそ無いけど、のんでるお薬が多いから  かおまる  
一応先生の責任上、すべてのお薬を正確に把握しておきたいんですって」

お薬手帳出来ました。 あれっ、血が固まりにくくなるお薬が結構ありますね~

「まさか~私整形と内科に通っているけど、血液サラサラのお薬は無いはずだけど?」
  かおまる
腰部脊柱管狭窄症により圧迫された血管を広げるオパルモンというお薬は
血小板が凝集してくっつくのを抑えて出血を長引かせる作用もあります

「でも内科のコレステロールのお薬は、魚からとったものだから安全と聞いたわ?」  かおまる
確かにエパデールというお薬はエイコサペンタ塩酸という魚油から抽出した成分ですが
やはり、血小板凝集抑制作用があります。 他にもこの、尿蛋白を減らすペルサンチン
脳循環を良くしてめまいに効くセロクラール、喘息薬のケタスにも、同じ作用があります

「驚いた~私もそんなに出血を長引かせる危険のあるお薬をのんでいたとはね!  驚き1  
じゃ、私もお薬休まなくちゃいけないじゃない、それでもってヘパリンを打つ訳よね?」

ヘパリン置換は、お薬を休むと血管が詰まってしまう危険性の高い人に行われます

ご主人のような脳梗塞の二次予防の場合は休薬のリスクが高いと言われ
奥様のような、将来梗塞を起こさないように、前もってコレステロールや脳循環の
お薬をのんでおられる一次予防の場合は、休薬してもリスクは低いとされます

「セロクラールはめまいがするのでのんでいるだけで、脳梗塞になったことはないのよ」  かおまる  
手術の方の出血し易さも、安全性により、リスクの高いものも低いものもあります

手術法の進歩により出血リスクが激減したことで、血流を良くするお薬を休む必要が無い
低リスク手術が増えてきていますが
、残念ながら、内視鏡的ポリープ切除術は高リスク
手術
であり、出血するとクリップで止めたり、輸血したりしなければならず
血流を良くするお薬は事前に休むべきと考える消化器内視鏡医が多いようです

「お薬手帳作って命拾いしたわね、今度から私もちゃんと手帳を持って来ます  かおまる  
お金もかかるけど、僅かなお金をケチったばかりに大変なことになったら損だしね」

お薬手帳記載時には、相互作用などをお調べするテクニカル・フィーとして
3割負担の方で40~50円、1割負担の方で10~20円かかりますが
重要な健康問題に関わることですので、金額には変えられない価値があると思います

(注) 今回はバイエルさんのHPを参考にさせていただきました
   それによりますと血小板が単独で作る一次血栓は脆くてこれを強固な二次血栓にするのは凝固
   なので抗血小板薬をヘパリンで代用することも理にかなっているそうです



大好物の中華まんを頂いて大喜びです  湯気まで美味しそう
ある年のクリスマスイブ、同僚がひとりぼっちだと嘆くので 「うちなんて今日の夕飯
豚キムチだよ~」 と言ったら笑われました  その彼女も今や一児の母です
頂き物のクッキーをとても美味しく感じる私は、トコトン小麦粉フェチですね
    
  中華まん   豚キムチ   クッキー




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体内事業仕分け

「一升一万円もする焼酎を買って飲んでた兄貴が、家庭内事業仕分けで、全面
酒代カットを言い渡されたんだって~今となっちゃ、俺は下戸で良かったよ」

粋津談志さん(架空の人)の若い頃は、甘党の男性は肩身が狭かったそうです

「甘い物はそんなに金かかんないから、うちの奥方は見逃してくれてるんだと思うよ」  かおまる
でも、HbA1cが安定しているとはいえ、糖尿病なんですから食べ過ぎは禁物です

「甘い物さえやめられれば痩せられるんだろうな~ かおまる  俺のBMWは28もあるんだ」
それは肥満度の指数BMIのことですね、標準体重だと22程度ですものね

「俺は、内臓を脂肪が取り巻いてて、肝臓もフォアグラ状態になってるんだとさ」  泣き1  
肝臓はエネルギー源として脂肪を作り貯めていますが、必要よりも多く作り過ぎると
肝内に中性脂肪が蓄積していき、全体の30%以上が脂肪化した段階で
脂肪肝と呼ばれる状態になり、血液中に流れ出る中性脂肪の量も多くなります

「だから、中性脂肪を下げる薬ものんでるのか~血圧の薬ものんでるけどさ」  かおまる  
糖尿病や肥満があると、インスリンが標準より沢山出ているのに有効活用出来ない
高インスリン血症インスリン抵抗性になっていて、そのせいで血圧も上がります

「先日の検査結果で肝臓の数値も高くなってて、熊の胆の薬ものめと言われたよ」  かおまる 
ウルソという肝臓のお薬が今回加わっています。これは肝臓で作られる胆汁酸の一成分
ウルソデオキシコール酸(UDCA)で、熊の胆嚢から作られた昔からある生薬です
胆汁は胆嚢から十二指腸に分泌され、脂質をとかして消化吸収し易くする仕事をした後
90%は再び腸で吸収されて、門脈を経て肝臓に戻るという腸肝循環をしています

「胆汁は、肝臓と腸の間をグルグル循環して、使い回しされるんだ、エコだね~」  かおまる  
脂肪肝などにより肝臓の流れが悪くなると、肝細胞が胆汁酸に曝される時間が長引き
脂質で出来た肝細胞の膜が壊され、傷ついてしまいます。 UDCAは他の成分
よりも界面活性作用が弱いので、ウルソをのんで胆汁酸中のUDCAの割合を
増やしていけば、段々、肝臓に優しい胆汁酸に置き換わっていくのです

「兄も肝臓いためて薬のんでるよ! 義姉さんが酒代カットするのも無理ないよ  かおまる
でも、一滴も飲めない俺が、肝臓の数値が高いなんて何かの検査ミスだと思う」

ウイルスの関係しない肝炎の多くは、脂肪肝が原因です。 アルコール性肝炎も
元をただせば、お酒の飲み過ぎで脂肪肝になってるせいで起きているのです

「酒が肝臓に良くないのは知ってたけど、甘い物もダメだったなんて・・・」  驚き1
甘い物は悪くないんですが、栄養の摂り過ぎが良くないんです
栄養摂取過多による脂肪肝は、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)と呼ばれます
以前まで、NAFLDは進行しない可逆的で無害な状態だと、思われてきましたが
最近の研究で、NAFLDの一部では炎症や線維化が進み、運が悪いと、肝硬変や
肝癌にまで至る
事がわかり、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と名付けられました

「医者がナッシューと呼んでたから、新発売のシュークリームかと期待しちゃったよ」  えへ5 
ナッシュと短く発音します。NAFLDからもNASHになる人とならない人があり
それは、アルコール性脂肪肝の人全てが肝硬変になるとは限らないのと同じで
腸管由来のエンドトキシンや、遺伝的体質などが関連しているのではと言われます

「じゃ、俺は脂肪肝にはなってるけど、まだナッシュではないんだよね?」  かおまる
NASHの確定診断には、体外から針を刺して肝臓の一部を採取する肝生検が必要です 

「うへぇ~俺はそんなおっかない検査やってないよ~」  冷汗1
この疾患が多いのは欧米ですが、食生活が欧米化した日本でも増加傾向にあり
医師は大事をとって早めに肝臓のお薬を出されたんじゃないでしょうか

「ナッシュの治療薬を予防的に出して貰う訳にはいかないのかな?」  かおまる  
NASHの治療薬はなく、強いて言うなら、食事制限と運動が唯一の治療法です
ただ、高インスリン血症とインスリン抵抗性がNAFLDの素因とされるので
今回、中性脂肪のお薬が今迄のトライコアからベザトールに、血圧のお薬も
テノーミンからミカルディスにと、インスリン抵抗性改善傾向のお薬になりました
テノーミンは抵抗性を悪化させ易いβ遮断薬と呼ばれるグループの血圧薬でしたし

「肝臓は沈黙の臓器っていう位我慢強い臓器らしいけど、俺の食べる甘い物も
肝臓にとっちゃ、不必要でカットしたい、事業仕分け対象案件かもな~」





先頃世間を騒がせた、行政刷新会議の事業仕分け作業
漢方薬を保険適用から除外する、という意見が出されたようですが

サイレント・マジョリティーであっても、サイレントなままであってはいけない!

という事で、署名27万人分を集めて、厚労省大臣に陳情に行かれたそうです
次の署名締め切りは12月7日だそうで、ネットでも署名出来るようになってます

http://kampo.umin.jp/

ウルソも、古く奈良時代に遣唐使によって日本にもたらされた
熊胆(ゆうたん)という生薬の研究から生まれたお薬です

上述した内因性胆汁酸との置換作用以外にも
細胞障害性胆汁酸の排泄を促進する利胆作用や、肝細胞保護作用
又、行き過ぎた免疫応答を調節する作用もあり
C型肝炎にも有効性が証明されています





    我が家では夕飯を作る時に家族の人数を数えるのに「一胃袋、二胃袋・・・」と数えます
  カレー味のひき肉とチーズ入りポテトを入れた春巻きと、ナスをオリーブオイルで炒めたミートソース


 カレーとポテトの春巻き1  カレーとポテトの春巻き2 炒めたナスのミートソース





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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

カテゴリ
エコライフ

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