ポンプはあちこちにある

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~






風炉遁 本芙(ふろとんほんふ)さんはビスホスホネート(BP)系の骨粗鬆症
のお薬をのんでいらっしゃいましたが、今回よりお薬が変わる事になりました

「朝起きてすぐにコップ一杯のお水でのみ、その後30分間水以外は一切摂らず  ブー1
尚且つ上体をまっすぐに起こしておくという生活を、5年間も続けたのよ」
BP系薬はのみ方が面倒ですが、それでも、最初は一週間に一度のお薬だったのが
月に一度のめば良くなってからは、随分楽になったとおっしゃっていましたよ

「でも私生来胃弱なので、空腹な状態で薬をのむのはやっぱり、胃が辛かったのよ」  かおまる  
風炉遁さんは、胃酸の出過ぎを抑えるお薬もずっとのんでいらっしゃいますものね

「けれど骨粗鬆症を放っておくと背骨が曲がり易くなり、逆流性食道炎になる危険性  かおまる
も増すから、胃酸から食道を守る為にも骨粗鬆症治療は続けた方が良いんだって」
今回、エディロールという活性型ビタミンD3のお薬が処方されています

「今度のお薬は、今迄のと違って、食後にのめば良いと言うから助かるわ」   えへ5
骨は、破骨細胞によって古い骨が分解される骨吸収と、骨芽細胞によって新しい骨
が生産される骨形成の繰り返しによって、新陳代謝を行っていますので、骨吸収を
抑制
するか、骨形成を促進すれば骨粗鬆症は改善されますが、BP系薬は強力な骨吸収
抑制剤
で、活性型ビタミンD3は、骨吸収抑制と骨形成促進の両方の作用があります

「今迄の薬は強過ぎるから、5年のんだら他の薬に切り替えるんですってね」  かおまる  
BP系薬剤を長期服用していると、怪我していないのに突然大腿骨骨折が起こる場合
があるそうで、骨吸収抑制が強力過ぎると新しい骨生成も邪魔してしまい、骨の
新陳代謝サイクルが低速となって、骨が古く硬くなり、しなやかさを失うのが原因では
ないかと言われ、BP系薬剤は5年以上継続すべきではないと言う意見もあります
破骨細胞機能不全疾患の大理石病では、骨硬化症になり、骨折し易くなると言います

「顎骨壊死の副作用の事は聞いていたけど、骨粗鬆症の薬で骨折し易くなるなんて!」  驚き1
活性型ビタミンD3製剤は、腸からのカルシウム吸収を促進して骨形成活性化しますが
それ以外にエディロールには、BP系薬程強くないものの骨吸収抑制作用もあります

「骨吸収抑制も程良い感じなら、大腿骨骨折の副作用の心配もないんでしょうね」  かおまる   
骨吸収抑制と形成促進の両方を兼ね備えたエディロールは、破壊と形成のバランスが良く
骨の新陳代謝サイクルを推進しますので、BP系薬の切り替え薬として理想的です

「それは良いんだけど私、貧血の薬や胃薬迄も、見直さなきゃいけないんですって」  冷汗2
鉄欠乏性貧血で鉄剤をのんでいらしたのが、今回ビタミンB12製剤のメチコバールと
葉酸のフォリアミン
に変わっている事から察するに、巨赤芽球性貧血だったんですね

「鉄剤のんでも中々改善されないので、先生がおかしいと思って検査したの」  汗5 
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸等の成分が不足してなる貧血ですが
ビタミンB12は動物性食品にしか含まれないので、ご高齢の方で不足しがちです

「年取ると、肉や魚より、豆腐や野菜の方が美味しくなるからね」   かおまる
それもありますが、ビタミンB12の吸収の際にはまず、肉を徹底的に消化して
中からビタミンB12を分離し、次いで、胃から内因子と言う蛋白質を分泌して
それと結合させる事でやっと、腸からビタミンB12が吸収出来ますので
高齢で胃粘膜が萎縮すると、消化力や内因子分泌能が落ちて吸収が減る様です

「それに加えて、胃酸を抑え過ぎるのも、吸収の妨げになるんですってね」  かおまる
ご高齢の方では、ただでさえ胃酸の分泌が減っていますが、風炉遁さんの様に
胃酸を抑える胃薬を服用している方
ですと、胃酸減少にさらに拍車がかかります

「それで、胃薬も以前にのんで居た弱いのに戻す事になったの」  うへー 
今迄はプロトンポンプ阻害剤(PPI)と呼ばれるネキシウムカプセルをのんで
いらっしゃいましたが、今回H2ブロッカーと呼ばれるガスターになりましたね
H2ブロッカーは、胃酸分泌作用のあるヒスタミン2(H2)という受容体を阻害
して胃酸の分泌を抑えますが、PPIは胃酸分泌を行う最終段階であるプロトンポンプ
を特異的に非可逆的に阻害するお薬ですので、作用はPPIの方が持続的で強力です
但し、H2ブロッカーの方が即効性に優れ、夜間の胃酸過多には効果的だそうですが

「実は、鉄欠乏性だと言われていた時も、胃薬を弱くする様に勧められていたの」  かおまる 
鉄も、3価鉄が胃酸により2価鉄となって吸収されますので、胃酸が減少すると
鉄吸収能への悪影響
があり、胃酸分泌阻害薬は鉄欠乏性貧血の原因にもなり得ます

「胃酸にはビタミンB12や鉄等の栄養素の吸収を良くする重要な働きがあるのね」  スマイル  
鉄はある程度体内に貯蔵鉄として貯められますが、ビタミンB12も元来は
肝臓や筋肉に大量に貯蔵出来る為、吸収不足が年単位の長期に亘って持続しない限り
短期間の摂取不良ごときでは
、欠乏症による巨赤芽球性貧血を発症したりしません

「だから先生も業を煮やして、胃酸を抑える薬にメスを入れる事にしたんだわ」  かおまる  
実際に、ビタミンB12欠乏症になるリスクは、PPIを2年以上使用している人で
1.65倍、
H2ブロッカーを同じ期間使用している人で1.25倍増加するそうです

「でも、ガスターはOTCで売られているし、PPIもアメリカではドラッグストア  かおまる  
で買えるそうだから、胃酸を抑えるだけであって安全な薬と言うイメージだったけど」
強力に胃酸を抑えるPPIについては、胃の低酸状態から消化管の感染症を増やしたり
ミネラル等の吸収を阻害したりする栄養上の影響を、危惧する意見が当初からありました
実際にPPIにより、クロストリジウム・ディフィシルと言う菌に感染して偽膜性腸炎
になったり、市中肺炎になったりする感染症のリスクが増大すると言う報告があります

「成程、胃酸には細菌の侵入や繁殖を防いでいる面もあるのね」  かおまる  
又、PPIは血液中のマグネシウムが減ってしまう低マグネシウム血症を起こす事もあり
アメリカ食品医薬品局(FDA)では、PPI使用を止めない限り、マグネシウムの補充
だけでは改善されないと警告
しましたし、さらにPPI使用期間に比例して腎障害を起こす
頻度も増える
そうで、胃酸分泌阻害剤の中でもH2ブロッカー使用群に比べてPPI群
の方が腎機能低下、慢性腎臓病発症、末期腎不全進展のリスクが全て高かったそうです

「胃薬で腎臓が悪くなって、人工透析になったりするのは困るわね」  冷汗4
さらに、PPI長期連用により骨折を起こすリスクも高くなると言われています

「やっぱり、胃酸が抑えられるとカルシウムの吸収を妨げるからかしら?」  かおまる  
プロトンポンプとは、水素イオン(プロトン)を汲み出して、生体膜の内外に
プロトン勾配を作り出し、様々なエネルギー活動を行っているものですので
プロトンポンプが働いている部位は、胃酸を分泌する胃の壁細胞だけとは限らず
破骨細胞もプロトンポンプにより骨表面に酸を分泌して骨を溶かしています
つまり、PPIはプロトンポンプを抑え込む事で破骨細胞の働きを止めてしまい
骨吸収抑制というBP系薬と同じ形で、骨を硬化させ、骨折し易くするのです

「朝起きてすぐにのむ骨の薬と同じ副作用が、胃酸を抑える薬にもあったなんて!」  驚き1  
PPIはとても有用なお薬ですが、ご高齢の方が長期使用される場合は、副作用が
出現する可能性を考慮の上、症状をみながら、H2ブロッカーへの変更や胃酸分泌
阻害薬そのものの中止を目標
として、漫然と使わない様に努力すべきお薬なのです

「本当は胃潰瘍だと8週間迄しかのんじゃいけない薬なんだもんね」  かおまる








(1)
2012年の医学誌に掲載されたメタ解析の論文では39のデータを解析した結果
PPI使用により、偽膜性腸炎という難治性の細菌性腸炎の原因菌である
クロストリジウム・デフィシル菌の感染症のリスクが1.74倍に
その再発リスクに至っては2.5倍有意に増加した、という結果が報告

(2)
低マグネシウム血症は複数の重症事例の報告があり、そのためアメリカのFDAは
2011年に警告を出しており、2015年の医学誌に掲載されたメタ解析の論文では
PPI使用により、低マグネシウム血症の発症リスクは1.43倍増加するという結果に

(3)
PPIの使用が慢性腎疾患(CKD)発症リスクを有意に上昇させるという研究報告
米Johns Hopkins大学のBenjamin Lazarus氏らが
大規模多施設前向きコホート研究のデータを解析したものが
JAMA Internal Medicine誌電子版に2016年1月11日に掲載

(4)
アメリカで、退役軍人データベースを用いて、調査した
J Am Soc Nephrol(2016年4月14日オンライン版)の報告によると

PPI曝露期間と腎リスク上昇との間に段階的な関連が認められ、そのリスクは
慢性腎臓病(CKD)発症率の上昇だけでなく、末期腎不全(ESRD)進展率の
上昇にも
関係しており、又、H2ブロッカー群に比べてPPI群で
腎機能低下リスク、CKD発症リスク、ESRD進展リスクが、有意に高かった

この研究者によると、長期のPPI使用は腎臓に有害であり
出来うる限り、医療上必要な場合の短期間の使用のみに制限
H2ブロッカー等への変更か中止を考慮するべきであると結論づけています

又、アメリカではPPIはOTCとしても販売されており、PPIを必要以上に
継続する人が多いそうなので、それにも注意喚起しています

(5)
2015年の医学誌に掲載されたメタ解析によると、244109件の骨折を解析した結果
PPI使用により、トータルな骨折リスクが1.33倍、背骨の骨折リスクが1.58倍
大腿骨頸部骨折のリスクが1.26倍
、それぞれ有意に増加した
この骨折リスク増加は、1年以内のPPI短期使用においても認められたそうです

又、PPIにより骨吸収マーカーのNTXは低下し、骨吸収抑制作用があるそうです
(太田哲生ら新薬と臨床57:1341:2008)

・・・その他にもググると、類似の報告多数あります







 多肉植物の紅葉が少しづつ始まり、これからが楽しみな季節です♪

 多肉16105  多肉16102

 多肉16103  多肉16104

 多肉16107  多肉16108
 
 乙女心も色づいて来ました

 多肉16101  
 


 
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胃薬でザルという人は困る

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参賀加 多希(酸がカタキ)さんは、長年しつこい胸焼けに悩まされているそうです

「普通は年とると胃腸の機能が弱まるから、胃酸も出せなくなって胸焼けも治るだろうと  うへー
期待してたのに、一向に軽くなる気配が無く、さらに酷くなってる気さえするわ」

以前は、胃酸分泌は年齢と共に低下して行くと言われていましたが、最近の研究で、それは
ピロリ菌陽性者に限った現象で、ピロリ菌により胃粘膜が委縮する為だと言う事が分りました
ピロリ菌陰性だと、高齢になっても酸分泌は低下せずむしろ上昇傾向にあるようです

「私はピロリ菌調べたら陰性だったから、胃酸分泌が増えても仕方ないのか~」  かおまる
胸焼けは、胃酸や酸性の強い胃の内容物が食道へ逆流して酸に耐性を持たない食道の粘膜
傷つけ、焼け爛れた様な灼熱感を感じる現象なので、逆流性食道炎(GERD)と呼ばれます

「でも不思議な事に、胃の内視鏡検査やったけど、食道は傷ついていないと言われたわ」  汗5
自覚症状のみで、内視鏡的に潰瘍等が見当たらない場合は、非びらん性GERD、別名
NERD
と呼ばれ、胸やけ以外に胸痛、喘息様症状、咽喉違和感等の特徴的症状があります

「そう言えば、問診だけで狭心症と間違われた時が有って、その時はニトロを出されたわ」  かおまる
とある疾患の特効薬をのんで、効いたらその疾患である事が証明される、というやり方を
診断的投薬と言いますが、参賀加さんはニトロのんでも胸痛が治らなかったんでしたね

「その後、オメプラールという胃酸を抑えるお薬に変えたら、胸焼けも胸痛も嘘の様に治ったの」  えへ4
オメプラールは、プロトンポンプ阻害剤(PPI)と呼ばれる、胃壁細胞にある酸のポンプ(PP)
を止めて胃酸が出ない様にする胃酸分泌抑制剤で、GERDの診断的投薬にも使われます

「私には良く効いたけど、オメプラールってたまに効きの悪い人がいるんですってね」  かおまる
日本人の1/3遺伝的にオメプラールを代謝する酵素が強く、効きがイマイチなのです

「お酒に強い人をザルって言うけど、胃薬がザルの人は効き目が薄くなるから損ね~」  かおまる
オメプラールの効力個人差が無くなるように改良されたのが、現在参賀加さんがのんで
いらっしゃるネキシウムカプセルと言うPPIで、成分はオメプラールと同じですが
R体とS体とある光学異性体の中で、代謝酵素の影響を受け難いS体のみで作られています

「オメプラールよりかはネキシウムの方がまだしも効くって人が、胃薬がザルな人なのね」  かおまる 
PPIは不思議なお薬で、自身は酸と接触すると失活してしまうので、胃を無事に通り抜ける
必要があり、全てのPPIは小腸迄行ってから溶ける腸溶製剤となっております

「酸を抑える薬のくせして、自分は酸に弱いんだ!」  驚き1
しかも、小腸で吸収された後は血流に乗って胃の壁細胞に辿り着いてやっと効くのですが
その際は高濃度の酸に接して活性体となりますので、PPIが効くには酸が必要なのです

「酸を抑える薬のくせして、酸のお世話になるんだ!! カタキなのにね~」  驚き1  
ですが、PPIは胃酸を抑える効果は優れており、PPIが発売される前広く使われていた
ヒスタミン2阻害薬(H2ブロッカー)と呼ばれる胃酸分泌抑制剤よりも強力です
最終的に胃酸を分泌するのはPPですが、PPを刺激する三種類の受容体の中で一番強い
ヒスタミン2受容体を抑える事で、間接的に胃酸分泌を抑えるのがH2ブロッカーなのです

「私も、オメプラールが出る前はガスターと言うH2ブロッカーをのんでたわ」  かおまる 
PPIの方がPPそのものを抑える直接阻害なのに加え、H2ブロッカーの受容体への結合は
可逆的で濃度依存的なのに対し、PPIのPPに対する結合は、一旦くっついたら離れない
不可逆的結合
で、PP新生は1日20%程度ですので、数日間はPPIの効果が続くのです

「確かに、オメプラールやネキシウムをのむようになってからは、ガスターに戻ろうと言う気 かおまる
はサラサラ起きないわね~でも、それなのに今回又、寝る前にガスターをのむ事になったの」

そう言えば参賀加さんは、夜中にも胸焼けする時が有るとおっしゃっていましたね

「そう訴えたら前回は、ネキシウムを朝食前と夕食前の1日2回のむように言われたの  かおまる
それ迄は1日1回朝食後にのんでたのに、なんで急に食前にしたのか不思議だったけど」

PPIは食事によって活性化されたPPに結合して阻害しますが、PPIが吸収されて
血液中濃度がピークに達するのに2時間かかりますので、この頃に壁細胞にPPが沢山
並んでいるようにする為
には、PPIは本来食前1時間に服用する方が理想的だそうです

「先生も、厳密に言うと食前の方が効きが良い薬だから変えたと言ってたけど」  かおまる
PPIは胃で直接溶けて効くのでは無く、腸で吸収されてから血管を通り胃に達して効く
お薬ですので、その辺のタイムラグを考えると、食前服用の方が効果的なのです
又、錠剤よりも顆粒剤の方が胃から腸への移行が迅速だという点に着目して、ネキシウムは
カプセルの中に腸溶顆粒を封入して血中濃度の上昇が早くなるように改良されたお薬です

「1日2回のむようにしたら、流石に夜の胸焼けは無くなったんだけど、でも実は  かおまる
ネキシウムはまだ1日1回しか保険が効かないらしく、先生が困っちゃったみたいで」

今回の処方箋では、ネキシウムを朝食前、ガスターを就寝前服用となっていますね
PPIを服用しているのに、夜間胃内pHが4.0以下になる事が1時間以上続く現象を
夜間胃酸急増(NAB)と呼び、ピロリ菌陰性のNERDの方に多い症状だそうです

「先生も内視鏡で診ても何ともない人の胸焼けの方がむしろ難渋する、と言ってたわ」  かおまる
NAB対策としては、前回の様なPPIの1日2回朝夕食前服用でも良いのですが
深夜の内因性ヒスタミン刺激が夜間の酸逆流を引き起こしているとも言われていますので
就寝前のH2ブロッカー服用をPPI治療に追加しても良いとされています

「但し、ガスターはずっとのんでると効かなくなるかもね、とは言われたけど・・・」  かおまる 
NABに対する眠前H2ブロッカーの効果は連続投与で減弱すると言う説もあるようですね
ですが、朗報として、近々、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)
呼ばれる新しい効き目の胃酸抑制薬、ボノプラザン(タケキャブ)が発売されるそうです
それはPPに対して、カリウムイオンと競合することで胃酸の分泌を抑制するお薬で
やはり小腸で吸収された後に胃に到達して効くのですが、酸にも強く、壁細胞への蓄積が良く
酸による活性を受けなくて済むので、初回投与時から最大効果が得られると言われています
何よりも薬物代謝酵素能力の違いによる効き目の個人差が無いお薬なのが良いですね~

「胃薬がザルの人はホント気の毒だもんね~」  スマイル2





(参考)  医薬品メーカーHP 等



ピロリ菌感染はGERDに関して防御的に働くと考えられていますが
両者の関係は単純なものではなく、とくに難治性GERDとピロリ菌感染
に関しては、十分に解明されていないのが現状
だそうです
ピロリ菌陰性者ではPPIの効果が弱く、又、NABが有意に多く認められるそうです


薬物代謝酵素CYP2C19の遺伝子多型は以下の通り
rapid metabolizer(RM)が35%(PPI効き難い人)
intermediate metabolizer(IM)が49%
poor metabolizer(PM)が16%(PPI効き易い人)
パリエットは、主要な代謝経路が非酵素的でCYP2C19の遺伝子多型の
影響を受けにくいので、効き目に個人差が少ないそうです


2014年10月31日、ネキシウムカプセルについて
標準量のPPI治療で効果が不十分な成人の難治性逆流性食道炎に対して
『1回20mgを1日2回、さらに8週間経口投与』
用法・用量の追加に関する承認事項一部変更承認申請を行ったそうです
が、2015年1月28日現在でまだ添付文書は1日1回となってますね



PPIは可能なら食事1時間前に服用して、血中濃度が上昇したところで
食事を摂る
のが理想的なのだそうです

錠剤タイプのPPIでは、胃の食物が腸に移行した後、薬剤が腸に移行し吸収されるので
血中濃度が上昇する頃には、胃にはもう食物は無くて、胃酸分泌も低下しているそうです

1970年の前川らの実験では、軽食後に錠剤と顆粒製剤をのんで2時間後
錠剤は全く胃内から排泄されておらず顆粒では2/3が胃から排泄されていたそうです

ネキシウムの腸溶顆粒であれば、食物と一緒に腸に移行するために血中濃度の上昇が早く
より強い薬理作用が期待されるそうです

又、空腹時の方が消化管強収縮により胃より小腸にすみやかに薬剤が移行し易いという
効果も期待出来るそうです




今回実は、新薬のボノプラザンに興味を持ち、勉強してみようと思いましたら
現行のPPIに関しても、知らない事が多過ぎる自分に気付いたのでした
はぁ~ 人生、死ぬまで勉強ですね~







多肉植物の寄せ植えも紅葉して来ました

 多肉寄せ植え1-1   多肉寄せ植え1-2
 多肉寄せ植え1-3  多肉寄せ植え1-4
  多肉寄せ植え1-5  多肉寄せ植え1-6


窓越しの日差しの中でまどろむノンちゃん

  ノン129  ノン1292



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プロスタグランジン対セロトニン受容体でサッカーが出来る

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阿古知 亜美(あこちあみ)さんは、時々胃がシクシク痛むそうです

「胃が痛くてみぞおち辺りをさすってたら、主人が『良く効く痛み止めが  かおまる
あるよ』と言ってくれたのが、整形で貰ったペオンという鎮痛剤だったの」

整形外科で出される鎮痛剤は、胃に障るので、胃痛には逆効果ですね

「やっぱりそうよね~以前この薬局でそう教わったから、のまなかったけど・・・」  汗5  
炎症による痛みは、プロスタグランジン(PG)という物質によって引き起こされ
鎮痛剤はこのPGの合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害して
痛みを和らげますが、PGは胃では粘膜を保護している物質でもあるのです

「だから私は、鎮痛剤のむ時は必ず胃薬も一緒に出して貰う事にしてるわ」  かおまる
最近では、COXの中でも、胃粘膜保護に関係するCOX-1には影響が少ない
COX-2選択的阻害剤セレコックスが、鎮痛剤の主流になっていますけどね

「胃に障りにくい、安全性の高い痛み止めの時でも、私には胃薬が欠かせないの」  かおまる
でも、阿古知さんは、X線や内視鏡で検査しても、胃に異常は無いんですよね

「私のような人を最近では、機能性ディスペプシア(FD)と呼ぶらしいわね」  かおまる
FDには、食後すぐに満腹になる早期膨満感や胃もたれがひどい食後愁訴症候群
みぞおち付近の痛みや胸やけを主訴とする心窩部痛症候群とがあり
食後愁訴には消化機能改善薬が、心窩部痛には胃酸分泌抑制剤が使われます

「私は胃下垂のせいで胃もたれがひどいんだけど、時々みぞおちも痛むのよ」  冷汗1
胃酸の出過ぎを抑えるH2ブロッカーの、ガスターというお薬が出ていますね

「最近バイアスピリンをのむ事になって、それも胃に障り易いんだもの」  冷汗4
頭痛が心配で撮って貰った脳CTで、アテローム血栓性梗塞が見つかったんでしたね
バイアスピリンの成分アスピリンCOX阻害作用が有る鎮痛剤なので、胃に障ります

「痛み止めの薬の癖に、血液をサラサラにする作用もあるなんて、面白い現象だわ」  スマイル2
血小板トロンボキサンA2という物質を放出する事で、血小板が凝集し血管も収縮して
血栓が生成されるのですが、トロンボキサンA2の生成にはCOXが不可欠なのです

「でも血液サラサラ効果は少量のんだ時だけで、大量にのむと逆効果になるらしいわね」  かおまる  
アスピリンも鎮痛効果のある量ですと、血小板のみならず血管のCOXも阻害されて
血栓形成を予防する善玉PGも抑えられるので、血栓予防効果は相殺されてしまうのです

「COXって、胃や血管の善玉PGも、トロンボキサンみたいな悪玉も作ってるのね」  かおまる
公平に言うと、トロンボキサンA2は出血を止める為には重要な要素なのですけどね

「確かに私も、十年前に大腸癌の手術した時は、手術後に止血剤のお世話になったわ  かおまる
一度でも癌になった事があると、どこか痛いとつい癌の再発じゃないかと不安になるのよ」

十年も経ったのでしたら、癌は完治したと言えると思いますが、不安を和らげる為に
セロトニン神経を活発にして気持ちを落ち着かせる、セディールというお薬が出ていますね

「セディールはFDにも効くと聞いたけど、FDの原因はやっぱりストレスって事?」  かおまる  
それもありますが、セロトニン消化機能を活発にするアセチルコリン(ACh)という
神経伝達物質を増やしますので、セロトニン刺激薬には消化機能改善作用があるのです

「消化機能改善薬は色々なお薬を試してきたわ、昔はプリンペランをのんでたの」  えへ3  
プリンペランドパミン受容体遮断薬で、AChはドパミン神経を抑えても増えるのです

「でも、長くのんでるとパーキンソンみたいな症状になる恐れがあるから切られたの」  かおまる  
プリンペランは血液-脳関門を通過しますので、脳での錐体外路障害が出易いのです
次には、血液-脳関門を通過しないドパミン遮断薬のナウゼリンに変わりましたね

「私には、プリンペランの方がナウゼリンより良く効く気がしたわ」  かおまる  
プリンペランはドパミンD2遮断作用以外に、セロトニン5HT4の刺激作用を持ち
さらに、吐き気を起こすセロトニン5HT3の遮断作用迄も併せ持つので、強力です
ナウゼリンは中枢での錐体外路症状は心配ないのですが、不整脈に注意が必要です

「そういえば十年以上前に、不整脈のせいで消えた胃薬があったわ」  かおまる  
それは、アセナリンという消化機能改善薬で、セロトニン神経に作用してAChを
増やすお薬
でしたが、QT延長などの重篤な不整脈が問題となり、特にアレルギー薬の
トリルダンと併用した時に危険でしたので、現在は両方とも製造中止になっています

「アセナリンは良く効いたので、製造中止になってガッカリしたわ  うへー  
代わりにガスモチンというお薬が出たけど、どうもキレが弱くて頼りなかったし」

ガスモチンセロトニン5HT4作動薬ですが、アセナリンの後継薬としては弱いと
感じる医師も多かったので、アセナリンに勝るとも劣らない新薬が開発されました

「先生にもその新薬の話聞いたわ、アコファイドと言うんですってね」  かおまる
アコファイドは、AChの分解酵素アセチルコリンエステラーゼ(AChE)を阻害
してAChの量を増やす、AChE阻害薬と呼ばれる新しいタイプのFD改善薬です
心窩部痛症候群には適応がありませんが、食後愁訴症候群にはよく効くそうですよ

「アセナリン並みに効くのなら、一度のんでみる価値があるかしら」  かおまる  
因みに、癌の再発が心配とおっしゃいましたが、癌が血液中を転移する時に、血小板が
重要な役割を果たし
ているので、バイアスピリンには癌再発抑制効果があるそうですよ

「脳梗塞の予防でのんでるバイアスピリンに、癌転移予防効果までも望めるの?」  驚き1
バイアスピリンによる癌転移抑制効果は、腺癌でのみの話ですが、権威ある医学誌に発表
されましたし、セレコックスにも大腸癌抑制作用があるらしいですよ

「胃弱の私には天敵みたいな鎮痛剤が、逆に、救世主になるなんて!」  えへ5




(注1) ウィキペディアによると、セロトニン受容体とプロスタグランジンの
     数は現在知られているもので、どちらも11種類あるようです

(注2) とあるHPによると、低濃度のシサプリド
     (5HT)1受容体のブロックによりアセチルコリン遊離を増加させ
     中濃度になると(5HT)3受容体をブロックするが
     同時に(5HT)4受容体を刺激する事によりアセチルコリン遊離を増加させ
     高濃度では(5HT)4受容体の刺激によりアセチルコリン遊離を増加させる
     ・・・とありました (ふぅ~)

(注3) プリンペランのドパミンD2遮断作用 → ナウゼリン(中枢移行無し)
     プリンペランのセロトニン5HT4刺激作用 → ガスモチン
     プリンペランのセロトニン5HT3遮断作用 → カイトリル、シンセロン

(注4) アセナリン(リサモール)が製造中止になったのは2002年の事
     トリルダン(テルフェナジン)が製造中止になったのは2001年で
     後継品のアレグラが発売された後です
     アレグラには既にジェネリックも出ていますね

(注5) セレコックスによる癌抑制効果は、癌細胞でCOX-2が高度に発現されて
     いるからと言われ、特に、癌化リスクの高い大腸ポリープを切除した後
     セレコキシブをのむと効果が大きいようですが、心筋梗塞のリスクがあるので
     癌再発予防に推奨される迄は至っていないようです






娘がデジタル一眼レフとマクロレンズを買いましたら
急に写真が上手くなりました
『弘法、筆を選ぶ』 という時代なんですね・・・

 ガンレフノン1 ガンレフノン3


 ガンレフノン4 ガンレフノン5


          ガンレフオマケ

キャラメルについてたオモチャですら ↑ こんな感じで撮れます
 


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胃痛の種

細井胃痛郎さん(架空の人物)は今回、娘さんの分と二枚処方箋を持ってこられました

「娘のエリカは診察を済ませると、さっさとどこかに行ってしまいました」  汗1  
娘さんにはビタミンEのユベラが出ていまして、お父さんには娘さんと同じユベラと
フオイパンという、蛋白質消化酵素のトリプシンを邪魔するお薬が出ていますね

「逆流性食道炎なんですが、准教も同じ病気でパリエットという薬のんでいます  スマイル  
しかし、彼は薬を切らすと又ぶり返すので、パリエットが手放せないと嘆いていました」

一般的な逆流性食道炎では、胃酸の逆流が原因なので、胃酸を抑えるパリエット
効くのですが、胃を摘出した方では、十二指腸内からのアルカリ性の消化液の
胆汁や膵液の逆流が原因なので、膵液の働きを抑えるフオイパンが使われます

「ドクターにも、症状が一緒でも逆流している消化液が人と違うからと言われました
僕はついうっかり、自分が胃を切除したのを忘れてしまうんですよ」
  えへ3  
胃液は強酸性、十二指腸内は強アルカリ性の消化液を出して、食べ物を粉々に
分解していますので、どちらの消化液が逆流しても食道はただれてしまいます

「寝る前に物を食べるのも良くないと、ドクターにご注意を受けていたんですが  かおまる  
夜書斎にこもって仕事していて小腹がすくと、つい甘いものを食べてしまうんですね」

寝る前3時間位は食事を控え枕を高くして上半身を上げて寝るなどの工夫も重要です

「でも夕べは、ジャムパンを食べて寝たら、夜中突然、焼けるような消化液が
上がってきて、それでむせて目が覚めたので、流石にもう懲り懲りしました」
  冷汗4
誤嚥性肺炎になる恐れもありますし、寝る前に食べるのは血糖値も上がりますしね
そう言えば漱石も無類の甘いもの好きで、糖尿病だったと聞いたことがあります

「良くご存知ですね、リウマチだと思ったら糖尿病による痛みだったんです  かおまる
僕も実は、後期ダンピング症候群だと思ったら、ビタミンE不足だったんですけどね」

血行を良くしたり運動能力を正常に保ったりするビタミンEのユベラも出ていますね 

「後期ダンピング症候群の低血糖症状の方は、グルコバイのおかげで無くなりましたが
しびれやめまいの方が中々治らないと思っていたら、ビタミンE不足と判明したのです」

胃切除後のしびれやめまいは今迄、ダンピング症候群が原因と思われてきましたが
そういう方の血液を調べると、脂溶性ビタミンであるビタミンEが不足しているそうです
脂溶性ビタミンは膵臓のリパーゼ胆汁酸の助けにより脂肪摂取と共に吸収されますが
胃を切除すると、食物と胆汁酸が混ざりにくくなり、脂肪や脂溶性ビタミンの吸収が
不足がちになります
  ところで、娘さんにも同じユベラが出ていますね?

「エリカも訳あって血液検査をして頂いたところ、ビタミンE不足とわかりましてね
どうやらお上が禁じている痩せ薬を、並行輸入してのんでいたようなのですよ」
  冷汗2
それは、脂肪吸収しにくくするオルリスタットという肥満治療薬の事でしょうか?

「それです、一体うちの娘ときたら何を考えているものやら! 泣き1   若い娘なんて
ぽっちゃりしている位が可愛いのに、太れない僕からしたら羨ましい話なんですがね」

オルリスタットは、脂肪を分解する消化酵素のリパーゼの働きを邪魔して脂肪吸収を妨げます
ので、中枢神経系に作用して食欲を抑えるお薬のような危険性はないと言われています

「エリカも、アメリカ帰りの友達が普通にのんでいる薬だって言い張るんですよ!」  かおまる 
米国では認可され、わが国でも一時は中外製薬から医療用薬品として販売される動きもあり
去年は大正製薬から、一般用医薬品として売り出される計画もあったようです

「海外事情に詳しい准教が、日本は外国より新薬承認で遅れているとは言っていましたがね」
但し、その後、米国FDAがオルリスタットによる肝障害を32例報告したことを踏まえて
8月に、厚生労働省から個人輸入について注意喚起されたようですね

「薬の箱には、脂溶性ビタミンのサプリメントも一緒に摂るようにちゃんと書いてあったそう
ですが、うちの娘はいいかげんですからね~そんな注意書きは守っていなかったのでしょう」
  かおまる 
確かに、オルリスタットをのめば、脂溶性ビタミンの吸収も阻害されてしまうでしょうね

「娘は僕が堅物過ぎると言うんですが、自分でトイレも掃除出来ない人には言われたくない
ですよ、尾籠な話で恐縮ですが、妻がトイレ掃除するのが大変だったようなんです」
  かおまる
オルリスタット服用した方から『トイレにラー油が浮く』と聞いたことがあります

「エリカは末っ子なのでつい甘やかし過ぎたのか、自由奔放に育ててしまったようで
昔から僕の胃痛の種なんです  かおまる  でも胃はもう無かったんだっけ・・・」
 
足を切断した人の足が痛む事を『幻肢痛』といいますが、細井さんのは『幻胃痛』ですね

「全くね~『親の心子知らず』とはこのことですよ、あっエリカからメールだ
『パパお薬ゲットした? 雨降って来ちゃったんで、アッシー君よろしく~』 だって
ほらね、こう言われて迎えに行ってやるからよくないと、分ってはいるんですけどね」
  かおまる   



(注) この二回は、炭水化物と蛋白質と脂質について、
    消化酵素とその阻害薬を私なりに整理してみました

(注) 前回インクレチンの話が出ましたが、今年はインクレチン元年で、
    DPP‐Ⅳ阻害剤に加え、GLP‐1アナログも発売されます 
    
    ノボ社のビクトーザの薬価は9960円(一日薬価498円)もするそうですね 
    そんなのを在庫して、もしデッドストックになったらと想像すると、まさに胃痛の種です 
    尚、ビクトーザ注射の方に血糖自己測定を保険適応にするかどうかはまだ検討中だそうです

(参考) 「がんサポート情報センター」HPの「副作用対策、その他」の
     「胃がんの術後後遺症とそのQOL改善策」 他
 



うちの娘は   やせ願望 < 食い意地
下の娘は食材を見て頭の中でモグモグするとメニューがわかるそうです

でも、新しいメニューの時はどうかな?
豆腐とすり身とつぶしたジャガイモをまとめてアオジソ入れて揚げた新メニュー(名前はまだ無い)
ハンバーグにはレンコン入り
酢豚は普通だったけどさ・・・

豆腐とすり身とジャガイモ レンコン入りハンバーグ 酢豚




     顔に見えるかな?     コレはちゃんと顔に見えるよ~でもブサイク・・・
顔に見える電話    顔に見えるかな・キャロ






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急速落下を防止するパラシュート

大学で漱石文学を教えている 細井胃痛郎さん(架空の人物) は
学生達のつけた『鶏ガラ』というあだ名に納得がいかないそうです

「いやしくも文学部の学生なんですから、外見なんかであだ名をつけないで
生真面目で融通がきかない僕の性格を、適切に表すようなものをつけてほしいですね」
  うへー 
細井さんは5年前に胃潰瘍の手術をなさって以来、太れないんですよね

「生来の神経質が災いしたものか若い頃から胃弱で、胃薬が手放せませんでした  かおまる 
古典的消化剤ですが、高峰譲吉の作ったタカヂアスターゼが僕には一番いいんです」

今でも、タカヂアスターゼが配合されているSM散を常備薬となさっていますものね
『吾輩は猫である』にも出てきますし、胃潰瘍だった漱石ものんでいたようですね

「そのあたりも僕が漱石にシンパシーを感じて傾倒した理由なんです  えへ5  
SM散は胃が重苦しい時だけのんでいますが、手元に全く無いと不安になります」

他には、鉄欠乏性貧血の為にフェロミアを毎日のんでいらっしゃいましたよね

「フェロミアは、僕のような胃を摘出した者にはぴったりの鉄剤だそうですね」  かおまる
鉄は胃酸により分解されて遊離イオンになって吸収されますので、胃切除後
どうしても鉄分吸収が減りますが、クエン酸第一鉄ナトリウムのフェロミアは
低分子キレートで吸収される非イオン型鉄剤なので、酸性でなくても吸収され易く
胃粘膜への刺激も少なくて、胃の弱い方や胃を切除した方には最適な鉄剤です

「胃が無いと、ビタミン吸収不足の貧血にもなり易いそうですしね」  汗 
血液産生に不可欠なビタミンB12は、胃粘膜から分泌される内因子と結合して
吸収されますので、胃の全摘後5~6年たって、体内のビタミンB12の
備蓄分が枯渇してくると、巨赤芽球性貧血にもなり易いのです

「それを防ぐ為、今迄はビタミンB12の筋肉注射をして頂いていたのですが
ドクターが『ビタミンB12は内服しても効くそうだから』とおっしゃいましてね」
  かおまる
内因子が無くても、ビタミンB12単体でもある程度は受動的に吸収されるそうで
ビタミンB12の注射と内服で貧血治癒に差が無いという文献もあるようです
今回は新しく、ビタミンB12のメチコバール糖尿病薬のグルコバイが出ています

「僕が長年苦しんできた後期ダンピング症候群に、糖尿病の薬が効くそうなんです」  かおまる  
後期ダンピング症候群は、胃摘出後に食物が腸へ直接流入するようになる事で、血糖が
急激に上がり、その反動で膵臓からインスリンが大量に分泌されて低血糖になる現象
ですが、今迄はエンシュアリキッドを少しずつ飲んでしのいでいらっしゃいましたよね

「いかに健康上の理由があるとはいえ、学生に講義中の飲食を禁じている教授自らが
栄養ドリンクを飲みながら講義するというのは、どうもアンフェアに思えましてね」
  かおまる
グルコバイは消化酵素の働きを抑えるお薬で、食前にのんで頂くと食物の吸収を遅らせて
血糖の上がり方を緩やかにし、インスリンの過剰分泌による低血糖を防ぐことが出来ます

「食後の血糖の上がりを緩やかにするので、本来は糖尿病に使われるお薬なんですね」  かおまる  
エンシュアリキッドは低血糖対策でのんで頂いていましたが、グルコバイは低血糖を事前に
防ぐ
ので、膵臓に負担をかけないで済みます  高インスリン血症は体に良くないですしね 

「火事が起きてから消すのではなく、最初から火事が起きないようにするんですね」  スマイル  
しかし、グルコバイはαアミラーゼやマルターゼ等の炭水化物の消化酵素を抑えますので
タカヂアスターゼとは相反するお薬です  タカヂアスターゼはαアミラーゼなのです

「グルコバイとタカヂアスターゼを一緒にのむと互いの力が充分発揮できないのですね」  かおまる  
消化薬をのまないと不安でしょうが、消化器は消化酵素を外分泌しているだけの器官
ではないのです  消化管には、食物が流入した信号を感知して、消化を促進したり
上昇した血糖を処理したりする消化管ホルモンを、体内血液中に内分泌する機能もあるのです
十二指腸からは、消化酵素が働き易いpHにするセクレチンやコレシストキニンが
放出され、小腸からはインスリンの分泌を促すインクレチンが血中に出てきます

「成程ね~実に興味深い かおまる   ところで、セクレチンとインクレチンは名前が似ていますね?」
外分泌を促すセクレチンに対し、内分泌を促すのでインクレチンと名付けられたそうです

「やはり名前にはしかるべき由来があるんですね、高峰譲吉のタカヂアスターゼのように」  かおまる  
細井さん自身が考えた自分にぴったりのあだ名は『かたぐる四角』だそうです
(次回に続く) 
 

(注) 今回気付いたんですが、タカヂアスターゼは『ヂ』、ジアスターゼは『ジ』なんですね

(注) 胃切除後、摂取した食物が充分に消化されないまま小腸内に急速落下(ダンピング)
    する為に起こる体調不良をダンピング症候群と言い、
    食後30分程度で起こる早期ダンピング症候群と、食後2~3時間程度で起こる
    低血糖を主症状とする後期ダンピング症候群とがあります

(注) 後期ダンピング症候群では、ブドウ糖をのむと低血糖が誘発されるのに、
    ブドウ糖を静脈に注射しても低血糖にはならないので、ブドウ糖が消化管を通って吸収される
    こと、つまりインクレチンの過剰分泌のせいで高インスリン血症になると言われています

(参考) 「消化器疾患における耐糖能異常」 伊藤博史 PDFファイル4ページ
     エーザイのパリエットのHPの「他科医に聞きたいちょっとしたこと」の
     「胃全摘後のいわゆる悪性貧血の治療について」他、消化器科医院等のHP

「他科医に聞きたいちょっとしたこと」
「変形性膝関節症などに市販の飲むヒアルロン酸は効果があるのでしょうか」という質問で
「ヒアルロン酸を経口摂取しても、分解され吸収されれると思われますし、
それが軟骨部で再構築されるとはいえないように思いますが、
効果は期待できるのでしょうか?」
と、長年の疑問を代弁して下さった方がいて嬉しくなりました





当薬局の玄関先に咲くアマリリスの進化系三段活用
咲いたね → 増えたね → すごく増えたね
まだまだ増殖中!

アマリリス5.22 アマリリス5.29 アマリリス6.5



家族でたまに行く天王洲アイルのカリフォルニア料理の店
ブルワリーも併設されてるので、各種ビールを堪能できます
写真撮り忘れましたが、良心的なお値段で、料理は美味しいです
ケーキだけはしっかり撮っていますね(汗)
この日は甥っ子も招待して楽しい宵でした

天王洲アイル・船 天王洲アイル・夜景
天王洲アイル・ビール 天王洲アイル・ケーキ



うちの犬は高所恐怖症    猫ちゃんだったらこれくらいの高さ楽勝なんでしょうけどね~
キャロ高所1  キャロ高所2






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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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エコライフ

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