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介護者ファースト


~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~






認知症のお父さんの付き添いで通院しておられる 地阿 布里土(ちあふりど)
さんは、認知症は本来、何科を受診させたら良いのか、悩んでいるそうです
確かに認知症の診療に当たるのは、内科医でもなさいますし、神経科、精神科、
脳神経外科、物忘れ外来、老年病内科、等多岐に亘っていますね

「オヤジは、足腰も弱って通院も難しくなって来たので、ケアマネさんから  かおまる
自宅まで診察に来てくれる医師に切り替える様に、勧められているんですが」
お父さんの様に90代半ばともなられると、訪問診療になさる方も多いですね

「オヤジは高血圧の薬ものんでいるし、内科医に訪問診療をお願いする事に  かおまる
なると思うんですが、認知症の事もちゃんと診て頂けるのか心配で」
訪問診療でも、癌の終末緩和医療ですと、医師に専門知識が有るのが当然ですが
超高齢化社会を反映して、最近では高齢故の訪問診療も、専門性が高まっています
中には、日本在宅医学会の研修会に参加している、熱血診療医もいらっしゃいますよ

「内科とか外科とかではなく、訪問診療科と言う科を極めた医師という事ですね」  かおまる
高齢者特有の、誤嚥、褥瘡、経管栄養、在宅酸素等の知識が豊富な医師が多いです

「では、訪問診療医は、認知症にも詳しいのでしょうか」   かおまる
認知症に関しても、現実のご自宅での患者さんの様子や、家族の関係性等を目撃する
機会もあり、寧ろ、通院だけでは分からない問題点を発見して頂ける場合もあります

「オヤジは、高血圧で内科に通院していて、数年前、物忘れがひどくなったと訴えたら  うへー 
認知症の基本の薬を処方されて、ドネペジルと言う薬をのみ始めたんです」
ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬というアルツハイマー治療薬です
アルツハイマー型認知症は、脳の記憶や思考に関わるアセチルコリン(ACh)による
神経伝達の働きが低下する事が原因で、記憶力、判断力、思考力が悪化して行きます
ドネペジルは、AChを分解するAChエステラーゼと言う酵素を阻害する事で
脳内のAChを増やし、アルツハイマーが進行するのを食い止める働きがあります

「ですが、ドネペジルを開始して怒りっぽくなり、逆に手に負えなくなりました」  冷汗2
AChの伝達を高めると興奮性が高まるので、怒り易くなったり、暴力的になったり
徘徊したりと、皮肉な事に、介護者を困らせてしまう行動が増える場合があります

「そこで、やはり認知症の専門医を受診するべきだと思い、精神科に転医した所 かおまる
ドネペジルが合わない人も居ると言われ、チアプリドと言う薬に変えられました」
チアプリドは、ベンザミド系抗精神病薬と呼ばれ、脳内の興奮系神経伝達物質の
ドパミン受容体をブロックして、幻覚、幻聴、妄想等の症状を抑えるお薬
です

「チアプリドって精神病の薬だったんですか!」  驚き1
一般的に抗精神病薬の様なドパミンを抑えるお薬では、長期服用すると、薬剤性
パーキンソニズム
と言って、パーキンソン病に似た症状が、出る事が有ります

「パーキンソン病は、ドパミンの働きが落ちてなる病気ですものね」   かおまる 
チアプリドは精神病薬の仲間ですが、鎮静作用が弱過ぎるので、薬剤性
パーキンソニズムを起こさず、寧ろその症状のジスキネジアに処方されます

「チアプリドは、精神病薬としては弱い部類の薬なんですね」  かおまる
ジスキネジアは、ドパミン長期間抑制により、ドパミン受容体が過敏になり
僅かなドパミンでも反応する様になる、ドパミン系異常が原因だとされています
が、チアプリドも弱いとはいえドパミンを抑制するので、ジスキネジア改善
効果は一時的で、長期服用するとジスキネジアが悪化
してしまいます

「神経をブロックすると、逆にその神経が過敏に反応する様になるんですね」  汗5  
そこで最近は専ら、脳梗塞後の攻撃的行為や徘徊に処方されるお薬になっており
さらに、脳梗塞に限らず、認知症等の興奮状態にも効果が認められています

「医師は、もっと怒り易くなったら、チアプリドじゃ力不足だと言ってました」 冷汗4
チアプリドの最大のデメリットは、鎮静作用の弱さなのですが、それ故穏やかに
効き、即効性がある一方で、作用時間は短くて、体に蓄積せず

眠気やふらつき等の副作用も少なく、ご高齢の方には安心なお薬です

「チアプリドで何とかなっているオヤジは、まだ症状が軽いのかな」  かおまる 
認知症の症状は患者さんにより違い、全般に共通する記憶障害を中核症状
幻覚、妄想、不眠、抑うつ、無関心等個人差の出る症状を周辺症状と呼び
周辺症状はさらに興奮性の陽性症状と、気分が落ち込む陰性症状に分かれます

「医師は、認知症で家族が本当に困るのは、陽性症状だと言っていました」   かおまる
患者さんも介護者も両方救うのがベストですが、どちらかしか救えない場合は
止むを得ず、介護者ファーストの治療を選択せざるを得ません

「認知症老人からしても、家族に介護疲れで見放されたら、終わりですからね」   かおまる
中核症状治療薬は、ドネペジルの様にACh伝達系を強める作用のお薬ですが
その系統のお薬は、陽性症状を悪化させて介護を困難にしてしまう事が有ります
その為、チアプリドの様な陽性症状治療薬の方が良い場合もあるのです

「オヤジは家具やドアに当たり散らす事も無くなり、穏やかになりましたが   泣き1
テレビにかじりついて観ていた大相撲に、興味を示さなくなってしまいました」
認知症で無気力になってしまう原因として、うつかアパシーが考えられますが
アパシーでは希死念慮が無いと言われ、治療薬が微妙に違うので鑑別が重要です

「うつだったら、うつ病の薬が効きますよね」  かおまる 
アパシーの薬物治療については、まだ十分な研究がされていないそうですが
脳梗塞後アパシーには、アマンタジン等のドパミンを刺激するパーキンソン薬が
効くそうで、ドパミン経路の活性化が有効なのではないかと言われています

「チアプリドでドパミン過敏になってるかも知れないのに、活性化するのは恐いな」  冷汗1
アルツハイマーのアパシーには、AChエステラーゼ阻害剤が効くそうです

「やっぱりその手の薬になりますか、それだと又興奮状態に逆戻りしそうだな」   かおまる 
中核症状治療薬はドネペジル以外にも数種類あり、それぞれ特徴があります
レミニールというお薬は、ドパミン刺激効果も少しあり、アパシーの人向きですし
他にリバスタッチパッチという貼り薬もあり、それですと、効き過ぎたり
副作用が出たりした場合は、剥がせば直ちに効果が中断出来るので安全です

「基本的治療薬の選択肢は、ドネペジル以外にも色々あるんですね」   かおまる
うつ病薬はセロトニンを増やしますが、ドパミンも若干増やすものがあり
それだとうつにもアパシーにも有効ですが、いずれにせよ周辺症状治療は
有望な薬を試して効果を判定し、よりよい治療薬を探し当てるしか無いのです

「精神科医も、認知症の薬はのんでみないと分からない、と言っています」  かおまる
認知症進展予防には、多剤併用(ポリファーマシー)を見直す事も重要
短期の服用なら良くても、長期連用すると認知症が悪化するお薬があるのです

「睡眠薬や安定剤は、ボケ易くなると聞いたので、即刻止めさました」  かおまる 
そういったベンゾジアゼピン系薬以外にも、抗コリン作用、つまりAChを
抑える作用
を持つ物は、普段何気なく処方されているお薬の中にも多いのです

「つまり、ドネペジルの様な認知症の基本的治療薬に逆行する薬って事ですね」  かおまる
例えば、頻尿治療薬や、鼻水や痒みを止める抗ヒスタミン薬等が該当します
これらの抗コリン剤は海馬の活動を低下させる為、若者が服用しても一時的に
認知機能が低下しますが、高齢者では、薬物を代謝する能力や、血液脳関門
という脳の関所の機能が弱くなっているので脳への薬物流入率も高くなります

「オヤジも以前頻尿で、ポラキスという薬をのんで居ました」  かおまる
頻尿治療薬でもポラキスは、脂溶性が高いので血液脳関門を通過し易い為
認知機能低下リスクが高いのですが、プロピベリンというお薬でしたら
ドネペジルと併用しても、双方共効果を減弱しなかったというデータが有ります

「オヤジは、今じゃ紙パンツにしているので、頻尿の薬はもうのんでいませんが   かおまる
皮膚が乾燥して痒がるので、クロルフェニラミンと言う痒み止めをのんでいます」
クロルフェニラミンは、第一世代抗ヒスタミン剤に属する古いお薬で安価ですが
血液脳関門を通過し易く、抗コリン作用も強く、高齢者には不向きな鎮痒剤です
脳内移行率の少ない抗アレルギー剤に変更して頂くか、老人性乾皮症でしたら
保湿剤による外用療法を強化すれば、内服はしなくても済むかも知れません

「認知症以外でのんでいる薬にも、気を配らないといけないんですね」  スマイル2
ご高齢になると、沢山のお薬を併用する様になりがちですが、時々は見直して
不用な薬は減らす努力をして頂いた方が良いですね






(参考)
コウノメソッド2016  (←相変わらず、戦闘的な文章です)
『脳卒中後アパシーと血管性認知症』 小林 祥奏
『リハビリテーション医療におけるアパシーとその対策』 蜂須賀 研二
『BPSDの薬物治療』 水上 勝義
『認知症高齢者と薬剤師』 寺田 智祐        他








仕事と私事で忙しかったので多肉の世話が出来ずにいます
春めいて来て、花芽も上がって来ています

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 結婚式で両親が頂ける花束が、私だけ多肉の寄せ植えでした

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可愛い子には服薬をさせろ

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~






注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断された 後藻 喜瀬 ちゃん
(あともきせちゃん)
のお母さんは、いつも娘さんの処方箋を持って見えます

「今日は母に頼まれて、おじいちゃんの処方箋を持って来たんですけどね・・・」  かおまる
そう言えば、先日娘さんのお薬がストラテラに変わりましたが、その後どうですか?

「コンサータと一緒にのんでいますが、お陰様で食欲は落ちていません」  かおまる
ストラテラは、投与開始から2週間経たないと効いて来ない為、コンサータから
ストラテラに切り替える場合は、暫らく両方併用する方が、効果を維持出来ます

「ストラテラは効き目が安定するのに、6~8週間かかると聞きました」  かおまる
その代わり、コンサータと違い、効果が一日中途切れず、夜間も効いています

「コンサータはのみ始めてすぐに効きましたが、12時間で作用が切れます」 汗5  
コンサータは即効性がありますが、効果消失も早く、夜間は作用が途切れます
ストラテラは即効性が無い代わりに、緩やかに効いて効果の切れもありません

「それに、コンサータは覚醒剤の一種なので、依存性が心配でした」  汗 
コンサータの成分はメチルフェニデートといい、覚醒剤と同じ中枢神経興奮作用
があって、効果はメタンフェタミンとカフェインの中間であるとされています
メチルフェニデートは、中枢神経で神経伝達物質のドパミンやノルアドレナリンの
再取り込み口を阻害
して、回収され難くして、神経伝達物質の量を増やします

「ADHDの子供は、脳のドパミンやノルアドレナリンが少ないと言いますからね」  かおまる 
元々ドパミンやノルアドレナリンが少ない人が服用すると、正常量となり、集中力や
やる気が出て薬になりますが、伝達物質が十分足りているにもかかわらず用いれば
過剰な伝達物質が爽快感や多幸感をもたらし、乱用や依存性の温床となるのです

「確かに娘には、コンサータで伝達物質が増えた状態が丁度良かったみたいで  えへ5 
勉強に集中出来る様になって自信もつき、学校にも楽しく通える様になりました」
初めて医師からコンサータを勧められた時は、悪名高いリタリンと同じ物だから
大事な娘さんにはのませたくないと、暫らく悩んでいらっしゃいましたけどね

「だって、ネットで調べたら、コンサータと同じ成分のリタリンというお薬は  冷汗2
依存症とか乱用とか不正売買とか、色々な問題のあった恐い薬だと知ったので」
メチルフェニデートは、1960年頃からリタリンと言う名前で販売されており
ナルコレプシーと、他のうつ病薬で治らない難治性うつ病に使われていました

「ナルコレプシーは、夜十分眠れているのに昼間突然眠くなる病気だそうですね」   かおまる  
しかし、リタリンをうつ病に使用していたのは日本だけだったそうで、2007年に
適応からうつ病がはずされましたが、今にして思えば、覚醒剤作用による快感を
うつ病が改善したかの様に、勘違い
してしまっていたのではないかと言われています
リタリンをうつ病薬としてのむうちに、依存性になってしまった人もいたそうです

「そういう話を聞くと、いくら良い薬でもずっとのみ続けるのは不安だったんです」   うへー 
けれど、リタリンがうつ病に使えなくなると同時に、同成分の徐放剤コンサータが
ADHD治療薬として認可され、又、今迄野放図にされていたメチルフェニデートの
流通が、医師、医療機関、調剤出来る薬局の三重に亘って規制される事になりました

「コンサータはじわじわ溶けて効く徐放剤なので、依存性にはなり難いそうですね」  かおまる
コンサータは浸透性徐放効果送出システムという技術を使って作られた徐放剤です
リタリンは即効性がある一方で作用持続は短く、血中濃度のピークを過ぎると急速に
効果が弱まりますので
、血中濃度の谷が薬への渇望となって、次の薬を求めるという風に
依存症を増長してしまいますが、徐放剤なら効果が穏やで持続も長く渇望も生じません

「コンサータに出会えて感謝しているんですが、依存性が出ない薬もあると聞いたので」 スマイル2
メチルフェニデートは、ドパミンとノルアドレナリンの再取り込み口(トランスポーター)
を阻害しますが、2009年に発売されたADHD治療薬のストラテラは、ドパミンの
トランスポーターは阻害しない、選択的ノルアドレナリン・トランスポーター阻害剤です

「ADHDの原因は、ノルアドレナリンよりドパミン低下の方が深刻だと聞きましたが  かおまる
ドパミンを増やさないのに、ノルアドレナリンを増やしただけで、効くんですか?」
意欲や実行力を司る前頭葉では、ドパミン・トランスポーターが少ない為、ドパミンも
ノルアドレナリン・トランスポーターを介して再取り込みされる
と考えられています
つまり、ストラテラは前頭葉においてノルアドレナリン・トランスポーターを阻害する
事で、ノルアドレナリンとドパミンの両方の濃度を上昇させると言われています

「ADHDの子特有の先延ばしは、前頭葉がきちんと働かないから起きると言われます」  かおまる
ドパミン・トランスポーターも阻害するメチルフェニデートですと、脳全体のドパミンを
増やすので、依存性形成に関係する側座核のドパミンも増やしてしまいますが
ストラテラは、側座核のドパミンには影響しないので、依存性を生じないのです

「ノルアドレナリン・トランスポーターしか阻害しないストラテラは、ドパミン・  えへ4       
トランスポーターの存在しない前頭葉だけで、ドパミンを増やす便利な薬なんですね」
朝食後一日一回服用するコンサータと違い、ストラテラは一日二回服用です
又、ストラテラの成分は眼に刺激があるので、カプセルを開けたりしないで下さい

「ストラテラ液剤もある様ですが、眼の刺激があるとの事でカプセルにして頂きました」  かおまる 
ADHDの人には、待つ事で大きな報酬を得られると分かっていても、すぐに得られる
目先の小さい報酬を選んでしまう
という、遅延報酬の障害と呼ばれる傾向があります

「娘も、今するべき事よりも、目の前の楽しい事に飛びついてしまう癖があります」  冷汗4
その傾向の為、ADHDの人は様々な依存症になり易いのですが、中枢神経刺激薬で治療
したからと言って、薬物依存リスクは高まらなかった事が研究で明らかにされています

「医師にも、『栄養剤だって、肥満の人がのめばさらに太って体に毒だけど、栄養不足  かおまる
の人がのめば薬になるのと同じ事だから、気にしなくて良いんだよ』と言われました」
但し、服薬によってADHDの根本治療が出来る訳ではなく、症状が緩和されるだけですが
生活の質を改善させたり、社会参加への自信がついたり、認知行動療法がし易くなる等
ADHDを本格的に改善する為の一つの有用な手段と考えて、上手く利用して下さい

「娘は興奮して眠れない時に、カタプレスという神経を抑えるお薬をのんで居た事も  かおまる 
あったのですが、コンサータをのみ始めてから、カタプレスが禁止になりまして」
カタプレスアドレナリンαⅡ受容体刺激薬で、交感神経を抑えるので、本来は
高血圧のお薬
ですが、脳のノルアドレナリンを減少させて、覚醒度を下げる事で
ADHDの人特有の、興奮や多動、衝動性、攻撃性などを改善する効果があります

「ノルアドレナリンを減らすなんて、コンサータとは逆の作用じゃないですか?」  驚き1
その為か、コンサータとは相性が悪く、小児の併用で突然死の報告があるそうです

「カタプレスは突然暴れたりする時にも重宝していたので、使えなくなって困っていた  えへ3 
んですが、ストラテラなら一緒にのめるそうなので、それも変えたかった理由です」
コンサータとは逆の作用のお薬がADHDに効くというのは、逆説の様ですが
ADHDには多様な症状があり、実行能力を高めるには、コンサータやストラテラが
適していますが、衝動性を抑えて落ち着かせる為にはカタプレスが良いそうです
今年新しいADHD治療薬として発売されたインチュニブも、αⅡ刺激薬です

「医師も『カタプレスと似た作用のADHD薬が出た』とおっしゃっていました」  スマイル
インチュニブの様なαⅡ刺激薬が何故効くのかは、まだ完全には解明されていません
が、ADHDの方は、前頭葉での後シナプスのHCN(過分極活性化環状ヌクレオチド)
チャネルが開いてしまっている為
に、情報伝達が不十分になっていると言われており
αⅡ受容体を刺激するとHCNが閉じるので、それで神経伝達が潤滑になって効く
のではないかと
されていますが、いずれにせよ、お薬の選択肢が増えるのは良い事です

「他にも悩んでいる事がありまして、娘が怒り出したら止まらない事があると相談したら  かおまる
医師からリスパダールと言うお薬を勧められたのですが、どうやら精神病の薬だそうで」

リスパダールは統合失調症の薬ですが、ADHDの方の易怒性にも処方されるお薬です

「でも、統合失調症薬はドパミンを抑えると聞いたので、それでは矛盾しませんか?」  ブー1
確かにその通りですが、セロトニン­ドパミン拮抗薬と呼ばれるリスパダールには
その二種類以外にも様々な神経伝達への作用、ヒスタミン1受容体遮断、α1受容体遮断
等々の作用もあり、単純にドパミンを抑えるだけのお薬と捉える事は危険です
リスパダールは太り易いので、体重が減り易いストラテラの欠点を補う良い面もあります

「医師は『ドパミンを抑える薬が不安なら、ドパミンの作用を安定化する薬という  かおまる
選択肢もある』と言っていましたが、それも実は精神病の薬だそうで悩んでいます」 
ドパミン・システムスタビライザーエビリファイというお薬が、よく効く場合もあり
それは人それぞれですので、ともかく試してみないと判らない部分ではあります

「実は、今日初めておじいちゃんの処方箋を見たのですが、何と、認知症の祖父が  
最近怒り易くなって来たのでのんで居るお薬も、リスパダールだったんです!」  驚き1 
リスパダールは、認知症の方の易怒性にも処方されますよ

「ビックリ! 曾祖父と孫で同じお薬のまなくちゃいけないなんて、すごい偶然ね!  
でも、私は可愛い娘に精神病の薬のませるなんて辛くて嫌なのに、現金なもので、母は
おじいちゃんがこのお薬のんで大人しくなってくれると助かるって言っていました」  汗1     
まぁ、人間なんて、そんなものですよ








中枢系のお薬は難しいです 
お子さんで、カタプレスをのんでいらっしゃる方がいらしたのですが
今回やっと、その理由が解けまして、スッキリしました 
又、ADHDの患者さんも最近チラホラいらっしゃいますので
きちんと勉強しなくては、と思っていました

病気の診断には『程度の違い』と『質の違い』があるそうです
『程度の違い』で診断されるのは、糖尿病、高血圧、白内障、前立腺肥大等々
『質の違い』で診断されるのは、慢性関節リウマチ、癌、統合失調症等々

『程度の違い』はすなわち、正常から異常にかけてなだらかな階層となっているもので
ADHDは『程度の違い』で診断される病気だそうです
って事は、誰もが少し位はADHDの要素を持っているんでしょうね

私は何を隠そう、やり始めるとトコトン集中してやるんだけど、とっかかる迄が
面倒臭いという所
あります (これってADHD?)
又、書類提出が期日に間に合わない事があります (単なる老化現象?)







今月は、棚卸、学生実習の会合、電子薬歴導入、大物後発品の発売
その間在宅もチョイチョイ有り、で、とても多忙な日々を過ごし、へばり気味ですが
若者ならこんな時、レッドブルとかをのんで、しのぐんだろうな~と思いました 

が、私の年でそれをやると、疲労感の債務超過が半端なくなる
と感じたので、あくまで自力で切り抜けました  (エライ! 己を知っている)

てなわけで、多肉の面倒もあまり見てやれないでいる今日この頃
暑さでやられる個体も出て来てショックを受けています

やはり、可愛い子供?を守るには、服薬(ダニ駆除剤)と認知行動療法
(日照を見ながら置き場所をこまめに変える)しかないですね


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ベンゾは別腹

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~





降圧剤のミカルディス、糖尿病薬のオングリザ、尿酸降下薬のフェブリク、等のお薬をのんで
いらっしゃる 鋤田 勉蔵(すきだべんぞう)さんは、中々痩せられずに困っているそうです

「とうとう中性脂肪を下げる薬迄のむ事になったよ~これ以上薬が増えるのだけは避けたくて  汗
必死で抵抗して来たんだけど、数値が300から下がらないもんだから先生も業を煮やしてね」

今回、中性脂肪降下薬のリピディルというお薬が加わっていますね

「僕は太っていて、メタボリック症候群が原因で様々な数値が高くなっているだけなので  かおまる
痩せさえすれば薬は要ら無くなるかも知れないと励まされて、頑張って来たのになぁ・・・」

血糖も尿酸も脂肪も生きて行くのに必要な成分ですので、適切な血中濃度なら良いのですが
多過ぎると、過ぎたるは及ばざるが如しで、体に害を及ぼしてしまいます

「でも薬に頼って下げるのは、負け犬みたいで嫌なんだ、自力で克服したいんだよ!」  かおまる
確かにお薬なんかに頼らずに、血圧、HbA1c、尿酸値等の検査値が基準範囲に保てたら
一番良いのでしょうが、次に良いのはお薬をのんで、基準範囲内に保てる事です
服薬を拒否して、脳や心臓の梗塞性疾患を引き起こしてしまっては元も子も有りませんからね

「だけど薬って所詮体には異物だから、のみ過ぎると肝臓に良くないって言うじゃない?」  ブー1
薬物投与により肝臓や腎臓へ負担がかかるのは事実ですが、定期的に肝や腎の機能を検査して
頂いていますし、万一肝や腎の機能が落ちて来ますと疲労感等の自覚症状も出て来ると思います
それに先生が鋤田さんのお体を気遣って、今回逆に減らされたお薬も2剤程ありますしね

「先生が気遣ったんじゃなくて、10月から精神科系の薬が制限されるようになったからだよ!」  泣き1
成程そのせいだったんですか、道理で、今迄不整脈の為にのんでらしたリーゼというお薬と
マイスリー、ベンザリン、ロゼレム、と3種類出ていた睡眠薬の中でベンザリンが出ていません

「酷い話だよ、病気の人間から薬を取り上げるなんて、だから今の政府は支持率落ちるんだ!」  かおまる
ですが、リーゼやベンザリンも体には異物ですから少しでも減らした方が良いんじゃないですか?

「何言ってるんだ! リーゼやベンザリンが肝臓に障る訳無いだろう、むしろ良い作用しかないよ」  かおまる
それでも、この度、睡眠薬や抗不安薬は各2剤迄しか出せない事になりましたので仕方有りませんね
鋤田さんは他にも、抗不安薬に分類されるデパスとソラナックスをのんでいらっしゃいますのでね

「デパスは最初、肩コリで整形外科から出して貰った薬だけど、肩コリ程度の事で整形に通うのも  かおまる
面倒なので、こっちの先生で出してくれる様に頼んだら、快く出してくれるようになったんだよね」
デパスはチエノジアゼピン系と言われる抗不安薬ですが、筋弛緩作用も有ります

「ソラナックスは以前、パニック障害になった時に精神科から貰っていたんだけど、その先生が  かおまる
廃業したので、新しい精神科医を探す迄の一時凌ぎに、こっちの先生に頼んで出して貰ってた」

ですがその後も、なし崩し的にず~っとこちらで処方して貰っていらっしゃいますよね?

「それを言われると面目無い!  かおまる   だが、精神科医でウマの合う先生を探すの大変なんだよ
それに、ソラナックスさえのんでいれば、パニック障害も起きないから別に良いと思ってさ~」

不整脈薬としてのんでおられたリーゼですが、これも抗不安薬で、自律神経調節作用こそあります
が、心筋の異常な電気信号を抑える効果は無く、不整脈による恐怖心を無くすだけのお薬です

「先生もリーゼは本物の不整脈薬じゃないけど、僕の不整脈は大した事ないからと言ってた」  かおまる
生命に関わらない不整脈は治療の必要がないので、リーゼは削除になったのでしょうね
次に睡眠薬の件ですが、以前はマイスリー1剤だけでよく眠れるとおっしゃっていましたよね?

「でも年齢的に、夜中トイレに毎晩起きるようになったら、その後寝付けなくなってさ~」  うへー
マイスリーは睡眠薬の中でも超短時間型のお薬で、寝入りばなは良くしますが、途中覚醒には
効きません
ので、作用持続の比較的長い中間型のベンザリンが、いつの頃からか加わりましたね

「それで、夜中トイレに起きても、その後又ぐっすり朝まで眠れるようになったんだよ」  かおまる
ですが、一度夜中に転倒されて、やはり睡眠薬が強過ぎるという事になり、体内時計を整えて
自然な睡眠に誘う、ロゼレムというマイルドな睡眠薬
に切り替えようとした時期がありましたね

「マイスリーとロゼレムとか、ベンザリンとロゼレムとか、色々試行錯誤の末、やはりロゼレム  えへ3  
じゃ効かないという結論になり、だがロゼレムも手離すには惜しいので3つ共のんでいたんだ」

今回の、睡眠薬は2剤迄、という改訂に従って、ベンザリンが削除されました

「2つしかのめないなら、弱いロゼレムを止めたいんだけど、ベンザリンは抗不安薬のデパスや  冷汗4
ソラナックスと同じベンゾジアゼピン系という系統の薬なので、作用が被るんだとさ」

ベンゾジアゼピン(BZP)系のお薬が結合するBZP受容体は、脳内の抑制性神経伝達物質
であるγ‐アミノ酪酸、別名GABAの受容体と同一細胞膜上にあり、BZP系薬物が
BZP受容体にくっつくと、それに刺激を受けてGABAがGABA受容体にくっつき易くなり
結果的に、眠りを催し、不安感を抑え、筋肉を弛緩させ、痙攣を抑えたり等の効果が現れます

「先生もベンザリンはてんかんにも効くと言ってたが、痙攣も抑えたりするんだねぇ」  かおまる
GABA受容体にはα1、α2、α3、α5があり、BZP受容体にはω1、ω2がありますが
ω1受容体がα1受容体に対応し、ω2がα2、α3、α5に対応していると言われています
難しい話で恐縮ですが、現在発売されているBZP系薬物は殆ど、ω1受容体に作用して
GABAのα1作用を増強するタイプで、このα1作用は鎮静や抗痙攣作用は優れていますが
前向性健忘や薬に対する依存性等、困った副作用も起き易くする事が分って来たのです

「カミさんが『あなた時々、夜中起きて冷蔵庫の物を食べている』などと難癖つけてきて  冷汗1
『痩せて薬を減らすんだ!と思って食事療法頑張ってるのに、断じてそんな事は無い!』
と良く夫婦喧嘩するんだけど、あれがもしかしてその、前向性健忘って副作用なのか?」

その可能性はありますね~鋤田さんは、リーゼ、デパス、ソラナックス、ベンザリン
マイスリー
5種類ものBZP系薬物をのんでおいででしたからね~

「だけどさっき、デパスはチエノジアゼピン系と言ったし、確かマイスリーは、それ迄のんでいた  かおまる
ハルシオンよりも弱い、ベンゾジアゼピン系じゃない薬だと言われて安心してのんでたのに」

非BZP系薬物でも、BZP受容体に作用して働くので、結局はα1作用が出て同じ事です
BZP系作動薬は、心の松葉杖の様なお薬で、精神的に辛い時に期間限定で使う分には
良く効くし、優れた薬なのですが、治ってからも漫然と頼り続けるべきでは無いと思います

「成程ね~骨折が治ってからもずっと松葉杖ついてる人なんていないものね~  スマイル2
先生も、デパスやソラナックスも、体調を見ながら徐々に減らして行けると良いねと言ってた
それに、副作用の少ない睡眠薬が発売されるからそれを試してみても良いしねって」

オレキシンという受容体に作用して、覚醒中枢を抑制する事で睡眠を促す、今迄には無かった
タイプの睡眠薬が承認されたそうですね





(参考)
★「ベンゾジアゼピン系薬物の降下と副作用の分子基盤:GABA(A)受容体の
サブタイプと薬理作用     吉見 陽 、山田 清文   (精神経誌2012)
★向精神薬多剤投与規制 現場を無視した改定に待つものは  富士見市  里村 淳
★他に、精神科医のブログ(2件ほど)




α1活性の無い、α2、α3、α5選択的BZP系薬依存性を生じないそうですが
α1活性が主に鎮静、抗痙攣作用と関係している為、α2、α3、α5選択的BZP系薬だと
期待される薬理作用が有るかどうかが問題だそうです

BZP系離脱プログラムとして、モーズレイのジアゼパム換算というやり方があり
エチゾラム等の半減期の短い薬は依存性がきつい為、まずは半減期の長い
ジアゼパム(セルシン・ホリゾン)やロフラゼフ(メイラックス)に置換してから
又、睡眠薬のBZP系の場合は、ドラゾドン(レスリン)に置換してから
先にそういう止め易い薬に移行した後、徐々に完全離脱を進めていくそうです

日本人はBZP大好き国民で、BZP処方件数で世界でダントツ1位
世界で生産されるBZP薬は殆ど日本が吸収してしまっていて
日本では、医師も患者さんにせがまれると中々ダメと言えない医療分化があり
医師と患者さんとで手を取り合ってBZP依存を作っている様な状況なのだそうです
日本人の几帳面な国民性が、精神的脆さと関係してるのでしょうか?

以前のエントリにも書きましたが、私の親族にもデパスやリーゼをのんでいる方々があります
70~80歳代なので、もう仕方がないかなと思いますが
緩和精神安定薬などと呼ばれ、いかにも弱くて害がない薬の様に扱われて来たのでしょう
ここ何年か前からは依存性が問題視されている様ですが
BZP薬は、期間限定的にもしくは頓用として使うならば、とても良い薬なのだそうです

何科の門前に行ってもデパスは必ずあるので、てっきり、世界中で使われている薬だと
思い込んでいましたが、意外と日本・韓国等、承認されている国の方が少ない様で驚きました
欧米諸国では未承認の国が多いので、海外旅行には持って行かない方が無難という説もあり
逆に、フルニトラゼパム(ロヒプノール)はアメリカでは持ち込み禁止となっています

抗不安薬、睡眠薬はそれぞれ2剤までで
抗うつ剤、抗精神病薬(非定型抗精神病薬も含む)はそれぞれ3剤まで
降圧薬として使われるレセルピンも抗精神病薬としてカウントされるようです
リボトリールは抗てんかん薬でセーフだけど、ベンザリンは睡眠剤となったそうです
遠足の時の「バナナはおやつに含まれますか?」を思い出してしまいました





      11月3日の実家の有る高山線沿線の紅葉  今頃はもっと紅葉してるかな~
     高山線紅葉2   高山線紅葉1


          こちらは多肉植物の紅葉  まだまだこれからですね~
多肉11241   多肉11242
多肉11243   多肉11244

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ボケも自己責任

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~





糖尿病の 木瓜 拓内(ぼけたくない)さんは、基礎と追加の二種類のインスリンを打ち
インスリン抵抗性改善薬のアクトスと、二種類の降圧薬をのんでいらっしゃいます

「数年前、海外のインスリン吸入薬が、日本にも上陸すると聞いて楽しみに待ってたのに  うへー
直前でポシャった事があるけど、又、新しい吸入インスリンが出たって言うじゃない?」

2006年にファイザーが発売したエクスベラというインスリン吸入薬は、使い勝手や
コスパが悪く
、又喫煙歴の有る人の肺癌リスクが上昇するなどの副作用の問題もあり
日本では承認されませんでしたが、今年又新たな吸入剤がFDAで承認された様ですね

「今度こそ幻の吸入インスリンで終わらず、日本でも販売に漕ぎつけられるかな?」  かおまる 
どうでしょうね~今回のは、デバイス的にかなり小さくなり、取扱い易くなっていますが
やはり喫煙歴の有る人や、喘息や気管支炎や肺気腫などの持病がある人は使えない様ですね

「以前のはネットで画像を見たけど確かにデカかったね~でも、これだけ医学が進歩してる  かおまる
んだから、もうそろそろ、注射の痛みから解放されてもよさそうな気がするんだけど・・・」

同じ様にホルモンが不足する病気でも、甲状腺ホルモンでしたら経口剤で済みますものね~
インスリン内服薬の開発も進んでいますから、希望を捨てず待ってらしたら良いじゃないですか

「インスリンは記憶力を高めるそうで、こないだテレビで、インスリン吸入がアルツハイマーに  かおまる
効くと言ってたけど、糖尿病でも無い人がインスリン吸入しても低血糖にならないのかね?」

アルツハイマー病(AD)や認知機能低下を抑制するのは、鼻吸入のインスリンですので
インスリンは鼻静脈から脳に移行して、末梢にはほとんど行かず、血糖値には影響しません

「糖尿病より先に、認知症でインスリン吸入が承認されちゃったりしたら、口惜しいなぁ」  泣き1
ADの人は、末梢では高インスリン血症脳内ではインスリン不足と言われています
インスリンは、脳では記憶を助け、又ADの原因であるβ アミロイド(Aβ)の蓄積を
防ぐ
働きがあり、逆に末梢での高インスリン血症はインスリン抵抗性を介して
炎症性サイトカインという悪い物質を産生し、脳の神経を傷めると言われています

「糖尿病の人は、アルツハイマーや認知症にも気をつけた方が良い、と聞いた事がある」  かおまる 
糖尿病があると、ADや脳血管性認知症(VD)になるリスクが2~3倍高まるそうです
高血糖により血管が傷つくので、昔から糖尿病の人はVDになり易いと言われて来ましたが
インスリン抵抗性がADを促進する事も判明したので、どちらにも注意が必要なのです

「インスリン注射している人は、そのうちインスリンを、肺と鼻と両方から吸入するように  かおまる
なるのかもね~でもインスリンを鼻吸入したら、鼻の癌になる危険性があるんじゃない?」

確かにインスリンには細胞増殖作用がありますので、肺や鼻からの吸入など、局所的用法で
反復投与していると、その部位の癌を誘発するのではないか、という恐れは付いて回りますね

「僕の使ってる基礎インスリンのランタスが、癌になり易いって脅かされた事もあるし  冷汗2
アクトスでも膀胱癌になる恐れがあるというんで、時々尿検査されるんだよね」

残念ながら糖尿病そのものが発癌リスクを高めますので、データ上糖尿病治療薬で発癌リスク
が高まったとしても、糖尿病のコントロールが悪いせいなのかも知れず、判別が難しい所です

「糖尿病だけでも厄介なのに、癌やボケの危険性も高くなるなんて全くヒドイ病気だよ」  ブー1
現代の様な超高齢化社会では、糖尿病で無くても半数の人がADや認知症になるそうですよ

「今はボケられる迄長生き出来る様になったという事か、昔の人はボケる前に死んでたんだ」  かおまる
昭和30年の平均寿命が65歳で、平成20年で83歳ですから、昔と比べてほぼ20年長生き
になった分は、認知症や癌や骨粗鬆症や梗塞性疾患等の、加齢による疾患は増える一方です

「僕の爺様は65歳で死ぬ迄帳簿つけてたけど、今88歳のオヤジはボケちゃってるもんね」  かおまる
アメリカの修道女(ナン)を対象として行われた『ナン・スタディ』で、高度なAD病変が
あったにもかかわらず、最期まで認知機能が衰えなかった症例が報告された事により
現在では、Aβ蓄積などで脳の一部が障害を受けても、それを補う予備能力を上手く発動
させれば、認知機能を保持する事も充分可能であるという共通認識が広まっています

「オヤジもディサービスに行った日は、一時的に顔つきや言動がシッカリするんだが  かおまる
どうやらボケ防止に良いパズルやドリルを解いたり、体操などをして来るらしい」

認知機能をアップする様々なプログラムも考案されていますが、本人が自覚を持って
趣味を持ち、運動を心がけ、前向きに生きる等の努力をするだけでも、認知症は防げるのです

「ボケちゃえば何も分からないんだから幸せだとも言うけど、やっぱりボケるのは嫌だよ」  かおまる
朗報なのは、アクトスの様なチアゾリジン系のお薬は、インスリン抵抗性を改善して脳神経の
炎症を抑えると共に、脳でのAβの蓄積を抑える効果もあると報告されています

「インスリン抵抗性がボケの原因なら、アクトスがボケに効くのは道理だよね」  えへ5
認知症を食い止めるには、高血圧を是正して、脳の血流を良くする事も有効ですが
どんなに良い降圧薬をのんでいても、脳内に入って行かないお薬では意味がありません

「前にノルバスクのんでたけど、脳にはあまり効かないので、他のに変えたんだよ」 スマイル2 
ノルバスクはカルシウム拮抗薬と呼ばれる系統のお薬ですが、脳内移行性が高くないので
同系統の中で脳血液関門を通過し易いニバジールというお薬に変わっていますし、もう一つ
出ているアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)という系統のミカルディス
同系統の中では脳内移行性が高く、さらには若干アクトスと似た作用も併せ持っています

「オヤジは認知症の薬のんでるけど、それは認知症になってからのむ薬なんだって」  汗5
アリセプトには認知症改善作用迄は無く、進行抑制効果しかありませんので、本来は
認知症発症以前にのむべきなのでしょうが、保険適応上発症していないと処方されません

「アクトスとか降圧薬とかで、ボケ防止の為の最高の布陣を敷いて貰ってるから、後は  かおまる   
自分で頑張るしかないね~科学の発達でボケの原因が解明された事で、ボケ防止策も分り
それを実行するかしないかは本人次第だから、ボケも自己責任と言われる時代が来るかも」

レビー小体型やピッグ病等の特殊な認知症以外は、ある程度自助努力で防げるかも知れませんね





今回FDAで承認された吸入インスリン Afezza(アフレッザ)
エクスベラと同じく、速効型インスリンの代わりに使用されるそうです

昭和30年の平均余命、0歳時男性63.60歳、女性67.75歳
平成20年の平均余命、0歳時男性79.29歳、女性86.05歳
私の祖母は昭和30年代に63歳で亡くなりましたが、当時としては普通だったんですね

脳内移行性の少ないアムロジピンと比較して、脳血液関門を通過し易いニルバジピンでは
有意にAD発症を抑えたという、ヒトでの報告があります

ADリスクファクターの有る人を対象に、アクトスの少量投与がAD発症抑制効果
あるのではないかという試験が始まっているそうです


(参考)
「NilvadipineとPPARγアゴニストの併用により
認知機能や脳血流量が改善した早期アルツハイマー病の一例」  佐藤友彦他  日老医誌
「糖尿病合併症としてのアルツハイマー病」  横野浩一  老年医学の展望








 お盆は主人の実家の京都でした
 京都20141  京都20146


 深山幽谷の様な佇まいのお寺に行きました
 京都20142  京都20143


 涼しくて良かったです    苔むすのには何年もかかると言いますね
 京都20144  京都20145


 名の有る方々のお墓所が沢山あるらしく
 確かにこんな所で埋葬されたい様な、静かな所でした
 20147京都



 多肉植物も順調に? 増殖中~      バラ咲きエケベリアが綺麗
 多肉増殖3  多肉増殖2




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ストーカーのような薬

~薬局でありそうな風景について架空の会話形式で説明しています~





「私が今のんでいるお薬は、純粋なうつ病の薬で間違いないんですよね?」  かおまる
達 歓紗(たつかんさ)さんがのんでいらっしゃるサインバルタというお薬は
SNRIと呼ばれる種類のうつ病のお薬ですが、何かご不明な点でもありますか?

「うつ病が重いと統合失調症のお薬をのむ場合もあるので、気になるんです」  かおまる 
統合失調症のお薬がうつ病にも使われるという話は、決して珍しくありませんよ
現に、エビリファイという統合失調症のお薬が今年の6月に、効能追加でうつ病にも
効くと正式に認められました
が、それ迄も適応外で使われていた位ですからね

「そのお薬なら私も、産後うつが中々治らなくて難渋していた一年前、ドパミンを増やして  かおまる 
やる気スイッチを押す薬だからと勧められましたが、統合失調症のお薬と聞いたので」

ドパミンモノアミンと呼ばれる脳内の神経伝達物質の一種で、報酬系神経、つまり
欲求が満たされて快感が得られる時の神経系に働きますので、前向きな気持ちにします

「でもその作用が行き過ぎると、精神病になる恐れもあるんでしょ?」  ブー1
確かに、ドパミン作用も過剰になると陽性症状の幻覚や妄想などを引き起こしますが
エビリファイは、ドパミンが過剰な場合は抑制し、逆に低下している場合は刺激する
という便利な薬剤で、ドパミン・システム・スタビライザーと呼ばれています

「つまり、ドパミンが丁度良い具合に働くように調節するお薬ということですか?」  かおまる  
そうなんです、従来には無かったタイプのお薬で、とても重宝するので高い評価を得て
欧米各国から様々な賞を贈られ、日本でも今年の5月に恩賜発明賞を頂いています

「お薬にも賞なんてあるんですね、私も断らずに素直にのめば良かったかしら」  かおまる
エビリファイは、一般的なうつ病薬をのんでも完治しない難治性の時に上乗せして使う
お薬で、サインバルタで安定している場合には、敢えてのむ必要は無いですよ

「今でこそ安定していますが、産後うつになった時は重症で、それも元々うつ体質  冷汗4
だから、産後はすごく気を付けていたのになっちゃったので、ガッカリしました」

薬歴によると十年前に初めて、デプロメールといううつ病のお薬をのまれていますね

「デプロメールは良く効いたんですが、持病の腰痛が出て整形にかかった時に  うへー  
鎮痛剤とデプロメールの相性が悪かったらしく、フラフラになってしまって」

それは、鎮痛剤と一緒に処方されたテルネリンという筋弛緩薬との相互作用だと思います
デプロメールはテルネリンの代謝酵素を邪魔しますので、一緒にのむとテルネリンの
最高血中濃度が12倍AUC(血中濃度曲線下面積)が33倍にもなると言われており
テルネリンの血圧低下の副作用が強く現れて、収縮期血圧が80位に迄下がるそうです

「腰痛持ちで時々鎮痛剤のお世話になるのは避けられないので、うつ病薬を変えたの」  かおまる 
その次は、デプロメールと同じSSRIに属するパキシルというお薬になりましたね
SSRIとは選択的セロトニン再取り込み阻害薬の略で、脳内のセロトニンを増やします
一方、現在服用中のサインバルタは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
略してSNRIと言い、セロトニンとノルアドレナリンの両方を増やします

「うつ病は、脳内のセロトニンが減ってなる病気ですものね」  かおまる   
正確には、うつ病はセロトニンのみならず、ノルアドレナリンやドパミンなどの脳内の
モノアミンという神経伝達物質の作用不足が全て関わっていると言われています

「パキシルに変わって、症状はデプロメールの時より楽になった気がしました」  えへ4  
パキシルはSSRIの中ではセロトニン受容体への結合力が強く、又、ノルアドレナリン
受容体にも若干結合して再取り込みを阻害
するのでSNRI的な働きもあります

「パキシルのおかげで合コンにも行けるようになって、今の主人とも巡り会えました」  スマイル2
恋愛する事でもセロトニンは増えるみたいですね

「でも、パキシルの恐さはお薬をやめる時に実感しました! 冷汗2  もう症状はないし
結婚も控えてるから、パキシルを徐々に減らして行こうとしたら、感電したみたいに
ビリビリしたり、頭を振るとシャンシャン耳鳴りがしたりして、怖くなってしまって」

パキシルは自らの代謝酵素を自身で阻害する為分解され難く、投与量を倍にすると
血中濃度は4倍になるという具合に、服用量に対し血中濃度が二次関数的に増加する
と言われ、その分服用量を少し減らしただけでも血中濃度がガクンと落ちて
離脱症状が強く出てしまうという欠点があり、やめ難いお薬として悪名高いようですね

「運良くパキシル5mgという小さな粒のお薬が発売されたので、何とかそれで階段状に  かおまる
5mgずつ減らして行って、今度はジェイゾロフトというマイルドなお薬に乗り換えたの」

今は、離脱症状や吐き気などの副作用軽減目的でパキシル徐放剤も出ています
ジェイゾロフトでしたら、パキシルの様に強くない代わりに、離脱症状も少ないです

「パキシルって、まるでストーカーみたいで、すんなり別れてくれないんですね」  かおまる
結婚準備が忙しくなると、ジェイゾロフトものみ忘れる程でしたよね

「結婚してからは精神的に安定して、一切うつ病薬をのまずに済んでいたんですけどね」  かおまる  
去年数年振りにうつ病を発症していらした時は、ジェイゾロフトが中々効かず
翌月サインバルタに変わり、その後、サインバルタとレメロンの併用になりましたね

「カリフォルニアロケット燃料という治療法で、持ち上げ効果が高いのだそうです」  かおまる  
ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬、略してNaSSAと呼ばれるレメロンは
モノアミン再取り込み阻害作用は無いのですが、アドレナリンα2受容体遮断作用により
ノルアドレナリンとセロトニンの活性を高めるので、サインバルタと併用すると
片やモノアミンを増やし、片やその再取り込みを抑え、又両方共間接的ドパミン増加
作用も持ち、三つのアミンを全て活性化して、ロケットの様に持ち上げてくれるのです

「ロケット療法が効いて、その二剤になってから一週間程で随分楽になりました  スマイル  
でも、強い薬はパキシルで懲りていたので、レメロンは二ヶ月でやめたんです」

ロケットが無事打ち上がったところで、レメロンだけ切り離したんですね
レメロンは、効果発現は早いが、段々効かなくなる、つまり腰折れし易いと言われます

「レメロンはよく眠れて良いんですが、体重がすごく増えちゃうのも嫌だったんです」  かおまる  
レメロンによる眠気は強烈ですが、ノンレム睡眠を増やすので睡眠の質も良くなる様です
又、体重増加の方は、サインバルタによる食欲不振で打ち消される事もあります

「産後太りも解消したいので、今はサインバルタだけで丁度いい感じ  えへ5
それに、サインバルタって痛みにも効くみたいで、最近腰痛も起きてないんです」

サインバルタは、痛みを抑える下行性疼痛抑制神経にも作用し、神経痛にも有効です
さらに、若干ドパミンも増やすので、一応三つのモノアミンを全て活性化します

「うつ病の薬ってのみ始めて二週間位たたないと効かないのが、じれったいですね」  汗  
神経伝達機構には、伝達物質が多いと、受容体がそれを感知して伝達物質の量を
減らすというネガティブ・フィードバック作用がありますので、うつ病の薬をのんで
セロトニンが増えても、すぐには効かないのですが、服用し続ける事により
受容体の感受性が低下して、脱感作を起こしフィードバック抑制がはずれるのです

「つまりその、脱感作を起こす迄に二週間かかるのですね」  汗5  
受容体の数も状況に応じて変化するものでして、伝達物質が多い時は受容体が少なくても
信号が伝わるので受容体数は減少し、逆に伝達物質が少ないと受容体数は増加します
うつ病ではセロトニン受容体が増加していますので、うつ病薬をのんでセロトニンが
多い状態を継続する事で、受容体が健康状態に迄減少する事が治療のゴールとなります

「自覚症状が無くなっても、しばらくは服薬を続けるのはそういう理由なんですね」  かおまる  
セロトニンはすぐ増えるけど、受容体が減少するのに数ヶ月かかるそうです







(参考)各メーカーHP、精神科医のブログ、うつ病患者さんのブログ



『エビリファイの大うつ病補助療法』の勉強会に参加しました

うつ病治療に有効な電気痙攣療法(ECT)の作用機序が解明されたとの事でした
それはつまり、ECT治療で、ドパミン放出とD2受容体刺激が促進されたことにより
後シナプスのD2受容体がダウンレギュレーションした為であるという結論でした

この事により、うつ病へのドパミンの関与が証明されたので、エビリファイが
うつ病に効く理由が解明された、という内容でした

『受容体のダウンレギュレーションが治癒』という意味がよく理解出来なかった
ので、今回ちょっと勉強してみました

グラクソのHPには『受容体のダウンレギュレーションが抗うつ効果発現の
メカニズムとの説もあるが、SSRIの投与により受容体の数は変化しない
との報告もあり、真のメカニズムは現在解明されていない』とありました

この辺りはまだ、論争の余地が有るのかも知れません

『モノアミン仮説』がそもそも仮説なので、現在のうつ病治療は仮説に基づいた
空中楼閣のようなものだと言われる専門医もありました




今回は抗うつ薬の立ち位置が少し見えてきた気がします

パロキセチンのシャンビリって有名なんですね、よく効くのがかえってアダとなり

フルボキサミンとセルトラリンは離脱症状は軽いけど、強力ではなく

アロステリック部位にも結合するレクサプロは、新しい薬で情報少なく

せっかくSNRIとして初めて出て来たミルナシプランは、
パロキセチンにノルアドレナリン作用も若干あったので影が薄くなったとの事

デュロキセチンは、ドパミン作用も若干あり、アミンを三つ共増やす

ミルタザピンは、ミアンセリン(テトラミド)類似で、眠気と10キロ増はザラの体重増加
腰折れしやすいのが珠にキズだそうです



勉強会で印象に残った話が二三ありました

『精神科医は、異性の患者さんに惚れられる事、と、患者さんに自殺される事
の二つのエピソードを経験して、初めて一人前になる』と言われているそうです

演者の先生によると、本当に自殺する人が、前もって死をほのめかす事は、まずないそうです

確かに、私の周りの人の体験を聞いても、そんな感じ

知人が自殺する直前に会いに来たのに、その時は何も言わなかった、とか
『悩みがあるなら打ち明けて欲しかった』と悔しがる人は多いです

という事は、『死にたい』と声高に宣言している人は逆に安全かも知れませんね

もう一つは、うつ病は、意外にも詐病とか本人の思い込みも多いそうです
高血圧や糖尿病などと違い、数値的診断が出来ないので、仕方ないのかも
知れませんが、最近うつ病を診断できる検査値が開発されているとも聞きます

もう一つは、プラセボはうつ病に効き過ぎる薬で、これに勝てたら大したもので
うつ病薬にとって、プラセボは『最大の強敵』なのだそうです




レメロンのんで痩せる人もいるそうです
副作用が教科書通りじゃない例として
私も、ウブレチドとプルゼニドが併用されてる処方箋見て、二度見した事あります







ちょっと前に撮ったものですが我が家のベランダ・プランター

 ベランダ1  ベランダ2



先日、ノンちゃんを予防接種に連れて行きました  その日はちょっと疲れた様子でした

 ノン注射  ノン注射2




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プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

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