2.5婆 ふたたび

以前パッチワークにはまっていた頃作った旅行バッグです

旅行バッグ2  旅行バッグ1    


私の母とその二人の妹さん達は、親戚の間で 三婆 と呼ばれています  
が、中でも一番個性の強いうちの母が一人で2.5婆分を占めているようです

このお三方は今や携帯メール技術を習得し、その発言力や影響力を増大させつつあります  驚き1
元はと言えば、従兄弟達の誰からともなく自分の母親の安全面や健康面を気遣って
携帯を贈ったのが始まりで、アッと言う間に各家に広がりました
しかも、離れて住んでいる長姉の伯母までもが参入し最強四婆メール網が完成しました

先日のおばあちゃんの七回忌でも、この携帯メール網が最速フル稼働し
「どんな格好で行くか」「いくら包んでいくか」「誰の運転で分乗して行くか」など
子供達が当初想定したのとは若干違うニュアンスで携帯がお役に立っていました
おばあちゃんは享年99歳でしたので、皆様はその白寿遺伝子を受け継いでおられます

母は最初、昭和ヒトケタに携帯を持たすなんて老人虐待だとボヤいていました  うへー 
試しに初めて打ってみたメールにはタイトル部分に本文を打とうとした形跡があり
おしゃべりな母には、それではスペースが小さ過ぎたらしく、地元の携帯ショップに
文句を言いに行き、店員のお姉さんとすっかり意気投合して、打ち方を教わりました
叔母達の方はもっと平穏にメールの打ち方をマスターしたようです

そんな母ですが、若い頃から胃腸が弱いので、消化器専門医に通っています
食べ過ぎれば勿論胃腸をこわし、空腹過ぎれば又、吐き気を催し
食べた食品の賞味期限を見たら昨日迄だったと言っては腹痛を起こすという具合で
「賞味期限を見なければいいんじゃないの?」 冷汗1 と私は思うのですが

母と出掛けた時、キオスクでおにぎりを購入してホームで早速ひとつ食べていました 
電車が来て乗り込む時、慌てたせいかもう一つのおにぎりを落として来てしまいました
「どうするんだろう? 空腹だと騒ぎだす人なのに」という人の心配をよそに
母は何食わぬ顔で鞄の奥底をごそごそ探り えへ5 別のおにぎりを出して食べ始めました  
肝腎の賞味期限を見ると大丈夫でしたが、いつの間に買ったものやら見当もつかず
一体幾つおにぎりを持ち歩いてるのかと思うと空恐ろしかったです

そんな母が、検便で血便が見つかり、大腸内視鏡をすることになった時は正直大変でした
検査前日は決められた検査食しか食べられないので、飢餓状態に打たれ弱い母
「本当に他に何も食べちゃいけないのか?」 泣き1 と何度も電話してきました
検査結果は幸い何事もなかったのですが、これに辟易した私は、二度と母に血便が
出ませんようにと切望し、私と同じく電話攻撃を受けた医師も同感だったようです

そんな母は、歯医者さんで麻酔を打たれると心臓がドキドキするといいます
母の友人の看護師さんは「歯科の部分麻酔程度でそんなことが起きるなんて考えられない」  かおまる
と不審がるそうですが、それは歯科医から麻酔の副作用の説明を受けた母が
そのような症状が出たみたいな気がしているだけかも知れません

そんな母が、坂道を登るとしばらく不整脈が止まらないと言い出した時は正直大変でした
心臓と聞くと流石に、白寿遺伝子最強説を当てにしてる場合じゃないと心配になり
循環器専門医で精密検査を受けてみるように勧めました

カテーテル検査が一番正確と言われ、私もそこまでして頂ければ安心だと思ったのですが
同世代の友人達から、カテーテル検査は大変だよという風評を聞いた母は恐れて
「カテーテルだけは嫌だ」 かおまる と言い張り、すったもんだの末結局
造影剤を入れて心臓CT検査をするということで落ち着きました

ところが、検査の説明で、造影剤でまれに吐き気を催す場合もあると聞いた母
またまたそれで不安になり、心臓CT検査にも難色を示すようになりました
「検査で死ぬ人はいないけど、検査を嫌がって手遅れになって死ぬ人はいるんだから」
とあれこれ説得し、やっと検査を受けてくれましたが、その日の朝、母から
「いよいよ今日だけど無事帰って来られるかな」 冷汗4 というような陰気なメールが届きました

何事もなく20分程で検査が終了した時、母は「ところで、一体いつ吐き気が襲って
くるんでしょうか?」
 かおまる と聞いて、医師やコメディカルの方々の失笑を買ったようです
検査結果は幸い何事もなかったのですが、同じ医療関係に携わる身として私はつくづく
母のお世話になっている方々と直接お会いする機会がありませんようにと願うばかりです

母みたいな人は少ないのでしょうが、人は皆、暗示にかかりやすい面を持っています

薬だと思ってのむと、何の効果も無い偽薬(プラセボ)でも自己暗示が働いて
ある程度は効いてしまう現象をプラセボ効果といいます  
又、この暗示効果が医師の側にも出ることを観察者バイアスといいます
今は、お薬の効果を正確に判定する為に、患者さんにも医師にもどちらが本物か
分らないようにして、本物のお薬と偽薬を比べる二重盲検法が標準となっています

こういう副作用に注意して下さいと言っただけで、その症状が出てしまう方もあります
患者さんに警戒心を起こさせずに副作用情報をお伝えするのは至難の業なのです
それだけに薬剤師の腕の見せどころでもあるのですが  スマイル2 

母には副作用とは『ここで事故がありましたよ』という話に似ていると説明しています
だからと言って、その道を通る人が全員事故に遭う訳ではなく
ただ、よく確認して注意深く通ってくださいね、という忠告なんだよと
それに、一度でも事故(副作用)のあった道を全て避けてたら生活出来ないでしょ、とも

取りあえず、そんな超黒帯級な2.5婆の母を持つ私にとっては  かおまる
他の患者さんはせいぜいでも白帯級にしか思えないのが強みと言えるかもしれません

       巾着袋      子供達のバッグ

手仕事が得意だったおばあちゃんは、野麦峠で有名になった諏訪の糸引きに行った人です
祖母の時代は野麦峠は越さず、汽車で富山の方から回って行ったそうですが
不器用な私は祖母の血はあまり引いておらず、それでも
パッチワークで巾着袋を作ってあげた時は、とても喜んでくれました
右は子供達が小さい頃作ったバッグです


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三婆

以前パッチワークにはまっていた頃、母に 「あなたが、
針と糸を持つようになるとは思わなかった」
 と言われました

椅子とパッチワーク
パッチワーク1


私の親族に 三婆 と呼ばれる傍若無人の方達がいます  kao04
実を申しますと、私の母とその二人の妹さん達なのですが
この方々とレストランにでも行こうものなら大変です

やれ、中華が食べたいだの、やっぱり蕎麦がいいだの
窓際の席に座りたいだの、やっぱりトイレに近い所がいいだの
肘掛け椅子がいいだの、やっぱり肘掛けは邪魔だの
「あれ、ハンカチがない! あんた達、知らない? 私のハンカチ」
(心の声 : そういえばエレベーターに誰かのハンカチ落ちてたっけ)
「眼鏡はどこ行った?」 (知らないよ。 せめて財布はなくさないでよ)

見ていると、3婆のうち2.5婆までは私の母一人で占めているようです  kao05   

喜寿を迎えた母は、おかげ様で大過無く元気に過ごしておりますが
時々不整脈があると、リーゼ5mgというお薬をのみます
これは本格的な不整脈薬ではなく、精神安定剤と呼ばれるもので
自律神経調節作用もあり、軽い不整脈に使われることもあります

この母が、私の薬は妹のより10倍も強いと騒いでいるので
よくよく聞いてみた所、叔母はデパス0.5mgというのをのんでいるそうで
母の考えでは、5mgと0.5mgでは10倍違うということらしいのです

誰かこの人に説明してやって! と思いましたが、私がその役回りか
娘だし、薬剤師だし、と考え直し、一応説明しておきました
「お母さん、そもそも、リーゼとデパスは違うお薬だからね・・・」
分かってくれたかなぁ? 

母は旅行用に携帯するお薬を見せてくれました。その中には、リーゼの他に
心臓の発作薬、胃薬、整腸剤、痛み止め、吐気止め、目薬、等
旅行先が自然災害等で孤立しても、しばらくは何とかなりそうな一式です

中でも下痢止めが秀逸でした
見るからにタンナルビン色した薄茶色の粉薬が、何種類もあり
「風邪で吐気の後で下痢した時」 「冷えて下痢した時」 「食あたり」等
下痢した時の状況説明と覚しきことが事細かに書いてあり
同じような状況の下痢になった時に服用するんだと言っていました

薬局で日常的に調剤される、タンナルビン・ラックビー・アドソルビンという
組み合わせのお薬ですので 「おかあさん、これは全部同じお薬よ」
と言おうとして、ふと付いていた薬剤情報文書を見ると、それぞれ
タンナルビン・ラックビー・アドソルビンの配合割合がビミョーに違うのです  jumee☆surprise9
う~ん、これは、全く同じお薬とは言い切れないかも知れない、と悩み
誰かこの人に説明してやって! と思いましたが、私こそがその役回りか
とも思われ、郷里の母の通っている薬局の方々のご苦労がしのばれました

叔母が 「お姉ちゃん、そんな古いお薬のんで大丈夫なの?」 と聞くと
「そんなに古くないよ。 一年以内に貰ったお薬ばかりだもの。
私の友達なんて、今までに貰ったけどのみ残したお薬を全部とっておいて
非常持ち出しようのリュックに詰めて、イザって時はそれで何とかなるって
いってるけど、何年も前に貰ったお薬なんてもう使用期限切れているよね」

(それはわかってるんだ。 えらいえらい)

「私も真似しようとしたら、主治医の先生が、一年過ぎたお薬はもう
使わないでくれって言ってた」
  (なんだ、先生に注意されたのか)  

これが薬剤師の母親の実態です  がっくり  
さすがに2.5婆だけあって、娘の言うことなんて聞きいれません

別れ際 「今日は夜行で帰るの?」 と聞くと 「夜行は嫌いだから途中
妹の家に一泊する。 若い頃、悲恋で泣きながら夜行に乗って帰った
悲しい思い出があるから、夜行には乗りたくない」
 と言います

よもや、この歳になって、母の昔のロマンスを聞かされるとは! jumee☆surprise8 

必死でかすかな記憶をたぐりよせ、実家の古いアルバムで見た
若かりし母の白黒写真を思い起こしてみると、確かに、当時は
ウエストもキュッと細く可憐ではかなげな姿だったような気もします
とても、食べ残しのシュウマイ持って帰るので包んでくださいと
レストランで堂々と頼める現在の2.5婆と同一人物だとは思えません

私も年取るとこの母のようになるのかな? 
なるつもりはないけど、このDNAはかなり手強そうです

でもね、おかあさん、今その人と再会出来たとしても、会話の内容が
昔とは違ってきてるかもね
「私は不整脈で、リーゼのんでいますのよ」
「いやぁ、僕なんて、高血圧でアムロジンのんでいますよ」
てな具合にね、と心の中で思いつつ、母と別れたのでした

ゲイル・ラッセル1
ゲイル・ラッセル2

パッチワークで人物画もつくってみました




ミートコロッケ
 
揚げたてコロッケはやっぱり美味しいものです
野菜を食べてもらおうと、ニンジン、ピーマン、シメジ、タマネギ
とひき肉をブイヨンで味付けしたものを入れています


ランキングバナークリスマス
プロフィール

フロル

Author:フロル
調剤薬局で働く
薬剤師です

興味のあることは
(昔)パッチワーク
   お菓子作り
   ベランダ・ガーデニング
(現在)糖尿病
    手料理
    パン屋さん

 2014年~ 多肉植物
 在宅を細々始めました

自分の勉強の為にブログを書いています

カテゴリ
エコライフ

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